今夜は東京赤坂のゲーテ・インスティトゥート東京ホールで開催されたコンサート「WELTENTRAUM(ワールドドリームー 世界をつなぐ音楽 ー」へ行ってきました。



不勉強な僕は今回の演奏者にまったく予備知識がなく、しかもかなり変わった演目で、さらに会場に着いても同業者らしき姿がまったく見あたらなかったので、大丈夫かな?と開演まで正直なところ不安でした。


 ところがいざ始まってみると、ここ数年でいちばんの大当たりじゃないかという大感動大興奮の演奏会でした。



 これだけのプログラムを、各ソロでうまくリレーしながら、曲間なしで、まるでメドレーのようにして最後まで一気に演奏するという大胆な構成、拍手も休憩もいっさいなしですよ。しかしまったく飽きさせないどころか、むしろ時間経過とともに会場の全員がぐいぐい引き込まれていくのがわかりました。かなり実験的なことをやっているのに、堅苦しくなく、人懐っこい空気感を保っているのは、凄腕の演奏者のなせる技といったところでしょう。


 イプ・ハウスマンというクラリネット奏者は怪物でした。途中で何度も「わ゛ー!」て声が出そうになるくらいのすさまじい上手さ。古典で正統派の美しいドイツサウンドを聴かせる一方、特殊奏法数年分詰合せみたいな曲でも、鼻歌を歌うようにコントロールし、音楽が甘美に微笑みかけてくるんです。なんなんだよぉ、すごいすごすぎるじゃんかよぉぉ。


とくに青木涼子さん(このかたのパフォーマンスがまたすばらしくて)の「能声楽」とクラリネットのデュオは、「あんぐり」て音が出ちゃってるんじゃないかというくらい口を開けている僕がいました。


 また来日してほしいです。そしてその時は仲間をいっぱい誘ってみんなで聴きたいと思いました。すばらしい音に出会うというのは幸せなことです。終演後からずーっと今でもまだひとりでヘラヘラ笑ってるんですよ、気持ち悪い。



 明日は練習も含めてオフの予定だったのですが、もうそれどころではありません。このこの「感じ」が頭からこぼれ落ちないように気をつけて練習に向かいます。おやすみなさい。