天狗「よしよし、あいつもやっと成仏したみたいだな」
河童「どういうこと?」
天狗「本来はこの“妖怪漫才”がメインのブログなわけで、途中から人間の悪霊がこのブログを乗っ取って勝手に更新をしてたわけだよ」
河童「マジで!?…いや、その設定もややこしいわ」
天狗「というわけでね、心機一転、妖怪漫才を始めてみようと思うわけですけどね」
河童「でもさ、やるの久しぶりだから調子が出ないよね」
天狗「そういう言い訳は聞きたくないね」
河童「言い訳じゃないけどね、ブランクがあるとさ、どうしても上手くいかないことってあるでしょ?」
天狗「ないよ」
河童「いや、あるでしょ!!」
天狗「例えば?なに?」
河童「例えばさぁ…恋愛とかでもそうでしょ?」
天狗「恋愛なんて何も難しいことなんかないだろ(笑)」
河童「いやいや、久しぶりの恋愛は難しいよ。てゆうかさ、恋愛について詳しいわけ?」
天狗「河童ちゃんねぇ、キミはさっきから何を青臭いこと言ってんだい?俺を誰だと思ってんの?」
河童「普通に天狗だと思ってるけど、鼻が長いなぁ~って思ってるけど」
天狗「うっせーよ!さては、お前、恋愛経験ないんじゃないの?」
河童「そ、そんなことねえよ!そーゆー、お前は恋愛のこと知ってんのかよ」
天狗「ふっふっふっ、もちろん知ってますよ(笑)ノーベル恋愛賞を受賞してますからね」
河童「どうせ嘘だろ?証拠はあるの?」
天狗「あいにく貰ったトロフィーはダイナマイトで爆破しちゃったから手元にはないけどね」
河童「爆破する意味がわかんない。じゃあさ、恋愛について語ってみてよ」
天狗「まぁそのぅ、恋愛っていうのはアレだろ?女のケツを引っ叩くやつだろ?」
河童「違うわ!!どういう恋愛をしてきたんだよ!お前もほんとは知らないんだろ?」
天狗「知ってるわ!!ちゃんと知ってるから!!」
河童「じゃあ、ちゃんとした恋愛を教えてよ」
天狗「ポッキーを男女で両端から食べるやつだろ?」
河童「それは…、恋愛とは違うんじゃないの?」
天狗「でも完全に否定はできないだろ?これが恋愛なんだよ。いいか?この恋愛の場合には、男はポッキーのチョコじゃない側を選ぶのが“優しい”とされてるからね」
河童「それ優しいの?」
天狗「どう考えても優しいだろが!味がしない方を選ぶなんて菩薩の境地じゃん」
河童「でも優しい男は女の子からモテるって聞いたことあるよ」
天狗「そういうことだよ。彼女とコンビニに行ってよ、彼氏がカゴにポッキーを入れたら、それが合図だからな」
河童「それ何の合図なの?」
天狗「そら、お前、ポッキーをお互いに両端から……って恥ずかしいこと言わせるなよ(笑)」
河童「え?もしかして、やったことあるの?」
天狗「バカにしてんのか?」
河童「は?バカになんかしてないよ」
天狗「物理的に無理だよね?」
河童「なにが?」
天狗「いやいや、無理でしょ?」
河童「何が無理なの?」
天狗「見れば分かるだろ?」
河童「え?」
天狗「鼻だよ!鼻!!」
河童「鼻!?」
天狗「この長い鼻が邪魔してポッキー両端から食べれないでしょ!」
河童「そういうこと!?」
天狗「お前なぁ、いくら久しぶりの漫才だからって、鉄板の鼻オチに気が付かないってヒドイぞ」
河童「いや、だって、さっきまで普通に恋愛の話をしてたからね」
天狗「いや、普通じゃねーだろ!こんなのどう考えても普通の恋愛じゃねーんだよ」
河童「そもそも普通の恋愛って何なの?」
天狗「お前なぁ、普通の恋愛ってのは、1本のマフラーを2人で巻くやつだろ?」
河童「いや、そこまでしたら大恋愛でしょ!!」
天狗「なんかもうツッコミとして機能しなくなってないか?」
河童「でもさ、それって冬限定の恋愛じゃない?」
天狗「これから冬になるんだから狙うならそこだろ?」
河童「なるほどね!具体的にどうしたら恋愛はスタートするの?」
天狗「そんなもん簡単だよ。これから寒くなるだろ?手が冷たくなるだろ?」
河童「手が冷たくなると恋愛がスタートするの?」
天狗「当たり前だろ!恋愛がスタートした瞬間に脳内で恋愛ドラマのラブソングが鳴り始めるイメージをするわけだよ」
河童「でもさ、手が冷たいだけじゃラブソングは鳴らないよね?」
天狗「寒くて相手の手が冷たかったらどうする?」
河童「握って温めてあげる?」
天狗「おいキモいな、いきなり相手の手を握るってド変態じゃねえかよ」
河童「どうしたらいいの?」
天狗「もうね、女の手が冷たい時点でチェックメイトなわけよ」
河童「意味がわかんない」
天狗「まあ、俺クラスの恋愛になると、女の手が冷たい時点で恋愛はもう始まってるようなわけさ」
河童「俺クラス?」
天狗「メジャークラスなわけ、野球に例えるならメジャーリーガーみたいな恋愛をしてるわけ」
河童「メジャー級の恋愛をしてるってこと?」
天狗「恋愛のトミージョン手術を受けてるわけ」
河童「それ故障してない?大丈夫?」
天狗「恋愛は消耗品だからね、恋愛のプロフェショナルとしてそれは仕方ないと受け入れてるよね」
河童「手が冷たい話に戻ってもいいかな?」
天狗「構わないよ」
河童「女の子の手が冷たいだけで、どのタイミングでラブソングが流れるの?」
天狗「冬だから、外は寒いから、そうすると女は手に自分の息をハァァって吐きながら言うわけだよ(あぁ手が冷た~い)ってな」
河童「それでどうするの?」
天狗「そこで、男がこう言うわけだよ」
河童「なんて言うの?」
天狗「『手が冷たい人は心が温かいっていいますからね』」
河童「はあ?」
天狗「ここでラブソングが流れるわけよ」
河童「いやいや、流れないでしょ?手が冷たい人は心が温かい?こんなので恋愛スタートしないでしょ?」
天狗「念のため2回言おう、女ってね、基本的に全員、耳が悪いんだよね」
河童「耳が悪い?」
天狗「男の話を全く聞いてないのよ。でも大丈夫!『耳が悪いのは、心がエレファントだって言いますからね』と」
河童「ゾウの耳ってこと?」
天狗「ゾウと言ったら耳でしょ?」
河童「いや、ゾウと言ったら鼻でしょ?」
天狗「あのさぁ、鼻の話は今よくない?ポッキーのくだりで鼻には触れたからもうよくない?」
河童「パオーン」
天狗「パオーン」
河童「寒い季節には象印の魔法瓶がオススメだよね」
天狗「象印の魔法瓶は朝入れた温かいレモンティーが夕方になっても冷めないからね」
河童「恋愛も象印なら二人の愛はいつまでも冷めないよね」
天狗「そうだね、ははは(笑)」
河童「ははははは(笑)」
天狗「……やっぱり久しぶりの漫才だと調子が狂うわ」
河童「パオーン!!」