旅する野良猫2 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

高速バスで名古屋に行ったんですね。



新幹線だと1万1千円くらいなんですが、高速バスだと保険料込みで3千5百円と格安なんですよ。



発車時刻にギリギリ間に合いましてね。



バスターミナルをいくら探してもなくてさ。



晴れてるから電光掲示板が反射してて、よく見えないわけですね。



おかしいなと。



バス会社に問い合わせの電話をするも、本日の業務は終了しております、とガイダンスが流れるだけでさ。



あと10分で発車時刻だったから警備員の人にメール内容を見せて聞いたら、僕の目的のバスは500メートル先にあるって言われて慌てて小走りをして間に合ったわけです。



運転手さんに名前を伝えて、僕の座席は5のCだと。



[窓AB通路CB窓]



↑こんな並びの座席ですね。



で、僕の隣が男というね。



テンション下がるわけ。



こういうのはさ、隣の席は女の子がいいわけ。



“あいのり”って番組あったでしょ?



僕の中でのイメージはそうなのよ。



初期の“あいのり”のイメージなんですよ。



ラブワゴンならぬ、ラブ高速バスをイメージしてたわけですね。



残念ながら僕の隣は若い兄ちゃんでしたけどね。



イヤホンして窓に張り付くようにスマホを操作してるわけです。



席に座るときに僕が軽く会釈をしたら、ちゃんと会釈を返してくれたんで、そこまで変なやつではないのかなと。



ただまぁ、喋りかけるなオーラはガンガン感じるわけですよ。



でもさ、バスって何かテンション上がるじゃないですか。



同じ空間にいるだけで仲間意識みたいなのが芽生えるでしょ?



まぁ隣の若い兄ちゃんは今時の草食ボーイだからスマホに夢中なわけですよ。



とにかくクールな感じなわけですね。



そんなクールなやつは新幹線に乗れよ、…これは完全に昭和のパワハラですけどね(笑)



そこまでじゃないです。



そこまでじゃないですけど、僕が座席にお尻が馴染むまでは隣でスマホを操作するのは違うんじゃねえか?という昭和のパワハラの後遺症を僕は抱えてるわけですね(笑)



他人でも上下関係ってあるじゃないですか。



まぁね、彼はちゃんと会釈を返してますから問題はないですよ。



こういう言葉ではないコミュニケーションが必要なんですね。



で、僕はCの席でDがスマホの兄ちゃんでね。



ずっとスマホ見てんなら窓際と代われよ、…これも昭和の悪い風習ですよ。



彼は別に何も悪くないんですね。



ただ、ヤンキーに対するガードが甘いなと。



がら空きじゃないかと。



ちょっと心配にもなるんですよ。



これはどんなにググっても答えは出てこないわけですよ。



アレクサに聞いてもヤンキーからは助けてはくれないわけですね。



でも、これは“あいのり”の旅ならキャラとしていいかと。



こいつのアダ名はスマホだなと。



で、通路を挟んで横のBには誰も座ってなくて、窓際のAには50才くらいのオッサンが座って読書してるんですね。



何を読んでるのか気になるわけですよ。



本って、その人の興味とか反映されてるからね。



そんで、チラッと、オッサンの読んでる本のタイトルを横から見たわけですけどね。



【北朝鮮は、なぜ戦うのか】



…というね。



まずね、バスの中で読書という時点で乗り物酔いのリスクがあるのに、
(なぜその本を読むのか)
全てが謎なんですけどね。



仕方ないですよね“あいのり”メンバーですから、アダ名は将軍です。



高速バスって言っても格安ですから狭いわけですよ。



座席の上の荷物棚も二人で1つのスペースだから手荷物は1個が原則なんですね。



僕は小さいショルダーバッグだけなんで、身に付けたままで済みましたけど。



通路を通るにしても、手荷物が2つの人は軽く迷惑なんですね。



それは仕方ないわけで、全員に“すいません”の会釈をしながら通路を進んでいくわけですよ。



それは分かりますよね。



1迷惑に対して1会釈のルールあるよね?



トランクとか大きい荷物はバスの下に入れてるわけで、手荷物は仕方ないよねっていう許容範囲があるじゃないですか。



それでも、会釈はするべきだと僕は思います。



そんな“あいのり”バスに発車時刻ギリギリに乗り込んできた新メンバーがいました。



先に新メンバーのアダ名から言うと、“タトゥー”です(笑)




タトゥーが発車時刻ギリギリに乗り込んで来たわけですよ。




ギターケース片手に(笑)



そんで、ギターケースを荷物棚に入れるわけよ。



お前、4人分のスペースをギターケースだけで使うなよ(笑)



そんで、お前は5会釈しろよ(笑)



つーか、タトゥーしてんだから口に出して言えよって思ったら、本当に口に出して「すいません」って、根はイイヤツかよ!!と(笑)



キャラクターが濃いわけ。



そうでなくても僕の斜め前のB席には“トレンディさん”がいるわけですよ。



ハゲじゃなく、トレンディドラマのトレンディさんですよ。



加勢大周しか着こなせないような白シャツとタイトなダメージジーンズに黒渕メガネのロン毛なんですよ。



東京の意識高い系としてはキャラが弱いなと。



これも意識高い系なら新幹線を使えよって話になるんですけど、休憩のサービスエリアで降りたら案外チビというね。



サービスエリアの喫煙所で僕とトレンディさんとタトゥーが集合しちゃうわけですよ。



僕も意味もなく爪先でリズムを取ったりしてさ。



そこには昭和の男の駆け引きがあるわけよ(笑)



バス会社の配慮なのか女性陣はみんなバスの後部座席に集まってるから、後ろからは少しだけキャッキャした声が聴こえてくる感じでしたからね。



これはタトゥーかトレンディさんか俺だろと(笑)



男は自意識過剰ですからね。



そんでバスに戻ったら将軍がノートパソコン出してカチャカチャやってるわけよ。



(お前それ何も打ち込んでねえだろ?)って思うわけ。



そういう女子に対するアピールはやめろって思うわけ(笑)



で、出発の時刻ギリギリにトレンディさんが乗り込んでくるわけよ。



そこは、お前、2会釈は必要だろと。



髪を掻き上げがらの会釈はカウントに入らないよ、と。



そんで運転手さんが点呼みたいな、乗客の数を数えてる最中に乗り込んできた人がいたわけ。



サービスエリアの出発時刻を過ぎてるわけさ。



その人は僕らよりも後ろの席で通路を急いで進んで行ったら、トレンディさんが後ろを振り返って睨んでるわけよ。



いや、お前もギりだったろ?と(笑)



お前のその正義感みたいなの逆に怖いわと。



で、隣のスマホはパン食ってるわけ(笑)



お前、ここでパン食べるのかと(笑)



名古屋が近付いて来たら、すげえ自己主張してくんじゃんと。



バスの中での食事は変じゃないけどさ、都内だと電車内とか公共の乗り物で食事はしないわけですよ。



匂いとかもあるし、周りが食べてなかったらそれは我慢するのがモラルなわけですよ。



パンかじりながらイヤホンしてスマホ弄るのは構わないとして、窓にカーテンして景色遮るかね?と。



これがね、誰も景色を見ないのよ。



しょっちゅう高速バスで名古屋に帰ってるから見飽きたんですかね。



雨上がりで、森の木々から蒸発した霧が立ち上る光景とかさ、バスの窓は横に並んでるからパノラマで、これがね、実に神々しい現象なんですよ。



そういうのに誰も興味ないわけ。



前の席のやつも一人で窓際に座ってるけど裸足なわけ。



たまに飛び跳ねたり、落ち着きがないわけですね。



で、2つの席を1人で使ってるから窓際に背中を当てて、両足を通路側の席に乗せてるわけです。



掟やぶりの横乗りスタイルなわけですね。



そんで、窓側の席のシートを後ろに下げたんですね。



これもホリエモンなら何も文句は言わないんでしょうけど、1カックンで1会釈は必要だと思うんですよ。



後ろの席にどんな人が座ってるか分からないからね。



タトゥーなのか、トレンディさんか、将軍なのか、これは状況にもよるからね。



ただ、ホリエモンは格安の高速バスには乗りませんよ(笑)



護送車には乗ったでしょうけどね。



それで、前の席のクレイジーがですね、彼のアダ名はクレイジーなんですけどね。



ちなみに“あいのり”って、こんな番組じゃなかったと思うんですよ。



倒した座席の隙間から僕のことを覗いてるわけですよ。



ど真ん中のクレイジーですよね。



僕のことを見た上で、僕の前の座席も後ろに倒そうか判断してると思うんですよ。



僕のルールとしては、1人で1座席ですよ。



1人で2座席の2カックンでの横乗りスタイルは認められないわけですよ。



倒した座席の隙間から僕を覗いてるクレイジーに対して僕も目で訴えるわけですね。



(家に帰るまでが高速バスだよね)と。



昭和の眼力が優しく訴えるわけですね。



クレイジーは静かにその体勢のまま眠りました。



とにかく格安の高速バスは狭いわけですよ。



僕なんか足が長いから、余計に辛いわけですよ。



通路側に足を流してないと膝が痛くて堪えられなくてね。



高速バスに乗った滝川クリステルみたいになってるわけですね。



5時間ずっとクリステルですよ。



さすがに帰りは新幹線に乗りましたけどね。



新幹線も久しぶりだから焦ってね。



名古屋ではずっと禁煙してたから新幹線のホームで久しぶりに煙草を吸ったわけですよ。



喫煙ルームには死に急ぎ野郎が集うわけで、その安心感もあったんでしょうね。



僕は、“のぞみ16号”に乗るチケットを買ったんですけどね。



喫煙ルームで煙草を吸ってたら新幹線がホームに入ってきて、それは“のぞみ”じゃなく“こだま”だったんですけど、新幹線の連結してる最初の車両が16号車で車体に“16”って書いてあるのを見て、僕は“のぞみ16号”と勘違いしましてね。



とんでもない勘違いをする前に気が付いたから良かったですけど、あれは間違うよね。



新幹線のチケットもイカれたやつがトイレに行くなら通路側の席にしろと言うから通路側の席にしたわけです。



自分の便意で他人に迷惑はかけたくないですからね。



3列シートの通路側の席に座ったら、隣のやつがテーブルにタブレット置いて映画かなんかを観てるわけ。



そんで、あの肘掛けは先着順ルールなんですかね、絶対に譲れない肘掛けがあるって意志がひしひしと肘に宿っているのを感じるわけですよ。



だけど、肘掛けのスペースまでは彼のスペースなのは認めるけど、肘小僧の、彼のアダ名は肘小僧なんですけど、肘小僧のリアクションが大きいときにはこの境界線を越えてくるわけですよ。



で、肘小僧は背中のシートを倒してるわけ。



なんとなく、僕もシートを倒して肘小僧と顔の位置を並べたくはないなと。



それでも、ちょいちょい境界線を越えてくるから、こいつタブレットで何を見てんのかチラ見したら、さまぁ~ず×さまぁ~ずだったから許してやったけどね。



お笑い好きかよって、笑うと肘がはみ出しちゃうのかよって、そんで、車内販売のお姉さんを掴まえて、オレ越しに、じゃがりこ買うのかよって(笑)



お前、イヤホンしてるから、じゃがりこ下さいの声でけえよって(笑)



その隙に肘掛けをスッと。



1じゃがりこ、1肘掛けですよ。



反対側のお嬢ちゃんは熊のぬいぐるみに外の景色を見せたまま寝てましたね。



最後に、ほっこりした気持ちになれてトータルでも楽しい旅でした。