イカれた彼女が名古屋に転勤してから数日が経ちましてね。
愚直みたいなメールが送られてくるわけで、それに対して僕なりのアドバイスをするわけですよ。
なんでアドバイスをするかと言いますと、すぐに仕事を辞めようとするからなんですね。
この辺りが難しいとこなんですけど、女の人って本心は違くても行動しちゃうとこあるじゃないですか。
あくまで仮説としてね。
僕も童貞組合側の人間ですから、イカれた女がいるという情報を知らぬまま人生をめちゃくちゃにされてしまったわけで、僕としては被害者の会でスピーチするなら5時間くらいの尺を貰わないと喋り尽くせないわけですけどね。
そうですね、思い返せばイカれたやつからは色んな嫌がらせを受けましてね。ええ。
…いやこれ、5時間じゃ無理ですね、
足りないです、
2DAYSのワンマンです(涙)
もちろん僕にも責任はあると思います。
僕と別れて他の男と付き合うことで、
(あぁ、なるほど、ここまでやると男の人は嫌がるんだな)
という学習をするチャンスを、女として成長する期間を僕が奪ってしまったと。
このように僕を責めることもできますよね。
イジメられる側にも責任があるみたいなやつですよ。
だからイジメはエスカレートするんだと。
なるほど。
じゃあ他の男を犠牲にすれば僕は助かったのでしょうか?と。
同じ苦しみを他の誰かに背負わせてもいいのでしょうか?と。
というか、もっと手前にあったのは、納得が出来なかったんですね。
よく言うでしょ?
お互いに納得して別れました、みたいなやつね。
納得できねーんだもん(笑)
そもそも性別が違うから、お互いに納得するのは難しいと思いますよ。
むしろ、性別の違う男女が、お互いに納得して別れる方が不思議じゃないすか?
それベストパートナーじゃん!と。
お互いに考え方や性格が合わないという結論に納得したってことなのかな?
お互いにどうしても譲れない“何か”が、そこにはあるんでしょうね。
いやいや、違うんですよ、違う、違う、ちがーう!
そういう冷静な話し合いが成立しない相手もいるわけですよ。
それにさ、僕もそこまで根が悪い人間じゃございませんからね。
目的の為なら手段を選ばない男ではないわけですよ。
一番の問題は眠くなってしまうことです。
そこまで別れ話に集中力を持続できません。
雪山には一人では登りません。
だけど、これ難しくない?
みんなどうしてるのかね。
僕はイカれたやつしか付き合ったことないわけですよ。
そんで、イカれたやつの前に付き合ってはいないんですけど、家に帰りたくないっていう女の子がいて、会社の寮に居候させてた時期があるんですよ。
年は僕より4つ上でしたけどね。
それがまぁ最終的には警察沙汰になって、その女の子の親が乗り込んできましてね、それで会社の人が自宅まで謝りに行ったりとか寮の管理人だったオバチャンが母親を追い返したりして僕は助かったわけですよ。
本人とも話し合って、これは帰らないと親も心配してるからと。
ここまで心配してくれる親はそういないし、それが逆に本人からしたらしんどいのかもしれないけど、まだ帰りたくないと言うわけですよ。
なんとなく、情況的には別れ話みたいな雰囲気あるじゃないですか。
家族と何があったのかは知らないけど、いつまでも秘密基地みたいなとこに隠れてるわけにもいかないからね。
昼間は僕は仕事をしてるけど帰宅してからとか休みの日にはお台場に連れてってあげたりとか、そうやって何日間かは一緒に過ごしてるから、その間だけでも嫌なことも忘れられるじゃないですか。
当時は僕が20才で相手は24ですか、僕よりも年上だけどなんか頼りなくて、だけど今の僕からしたら24なんて年下ですよね。
結論から言うと、目の前で手首切られちゃったんですよ。
刃物ではなくね、僕の部屋に刃物はないですから、髪の毛を留めてたヘアピンですね。
巨人化するわけでもなくね。
僕ね、進撃の巨人を読む度に思うけど、巨人化するには自傷行為が必要なんですね。
強い目的意識と自傷行為で巨人化するんですけど、なぜそういう設定にしたのか謎なんですけど。
そりゃもちろん自傷行為にも色々ありますから、実際に手首を切るだけじゃなく、好きでもない男に抱かれることも自傷行為ですよ。
身近なことなら煙草を吸えば肺を傷めますし、酒を飲めば肝臓を傷めますよ。
失恋すれば腹がえぐれるように傷みますよね。
たぶん、言葉よりも、言葉を交わすよりも、なんだろな、あの感じは何なんだろな。
とにかく僕はそういう別れ話のような類いが苦手なんですよ。
感情的になった女がやらかすことは僕の想像を超えてくるわけですよ。
あとはもう眠くなるゾーンまで話し合いが延長戦に持ち込まれたらダメじゃないですか。
タイブレーク制を導入しないと僕の肩が潰れてしまうわけです。
なんですかね、眠くなると自分の悩みとかちっぽけなことのように感じるわけですよ。
自分に明らかな落ち度がないから納得できないわけで、それの話し合いが噛み合わないから眠くなるんでしょうね。
だけどさ、そこまで嫌いになる人間って存在しないじゃないですか、ぶっちゃけ。
どうしてそこまで束縛するのか納得ができないわけですよ。
僕の考えを否定する根拠だとか、その自分に対する過信みたいなものの根拠はなんなのかと。
とにかく聞く耳をもたないわけだ。
その結果が悪い方向に出始めたら、そしたら自分の記憶や考えを180度変換させるわけよ。
こいつ、すげえ卑怯だなと。
そんなこと言ってない、やってない、証拠は?と。
証拠とかそういうことじゃないでしょ。
真実は1つで、そのことにも心が痛まないわけでしょ。
考えの距離感が違うから、それに伴う感情にも距離感があるわけでね。
実際に物理的にもイカれたやつより僕の方が2才年は上だから、考えの距離感については2年間の情状酌量の余地はあるわね。
そんなわけで、イカれたやつは名古屋に転勤が決まったことで、環境が劇的に変化する情況に追い込まれて、ようやく僕の話に耳を傾けるようになったわけですよ。
耳を傾けてはいますが、鼻くそをほじっているような態度ですけどね。
いつまでも過去の栄光を語ってんじゃねえよ、と全く聞く耳を持たないイカれたやつに、僕は過去の栄光を語ることが目的ではなく、過去の栄光に至るプロセスを知ることが大事であると伝えたわけですね。
僕がイカれたやつと初めて直接会ったのは、彼女はまだ学生で、僕はその取材対象として依頼を受けたのが全ての始まりでした。
つづく(気分次第)