運転と責任感と酔っ払い | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

旅行の思い出話はあとで書くとして、考えをまとめようと思う。



職場の人達と車で温泉旅行に行ってきたわけだけど、もう仕事の付き合いとしては10年くらいになるわけね。



会社とか雇用条件としてはメンバーによって異なるわけで、職場での班が同じわけです。



僕は酒を飲まないのと、年齢も下なので運転手なんだけど、これがね、なぜかずっと僕が運転してるわけですよ。



僕よりも年下がいた時期もあったし、年上だけど職歴や班としては僕より後から入った人もいたり、僕だけじゃなく他にもお酒を飲まない人もいたわけですよ。



でも、誰も「僕が運転しますよ」って名乗り出る人はいなかったから継続して僕が運転してるのね。



これね、普段一緒に仕事をしてるメンバーとの旅行だから、仕事のときの感覚と似てる部分はあるなと。



まず、車の運転免許という資格を持ってるかどうか、あとはペーパードライバーかどうかだよね。



命という責任(リスク)を背負う場合には、ペーパードライバーには任せられないわけよ。



そりゃパワハラみたいな圧力で先輩がペーパードライバーの後輩に無理やり運転をさせることは可能ですけど、それは現実的には無謀ですからね。



上下関係とか責任感とは別の話で、こればっかりは運転の経験値だと思うんですよ。



みんな死にたくはないし、それに酒が飲みたいから僕が運転することになるわけですね(笑)



これって職場の人間関係だと自然な流れだと思うんですよ。



普段の仕事ぶりとか性格的なものも含めた上で決まるわけでね。



他人の車を運転するのって嫌じゃないですか。



慣れてないし、一番の問題はガヤがうるさいからね(笑)



ホテルの場所をナビに入れてても、先に昼食を食べに行くからと先導する社長の車のあとを追い掛けて運転してるのでナビのルートからは当然外れるわけよ。



そうすると酔っ払いは「そんなに何回も違う道を走ってたら、いい加減ナビに怒られちゃうよ!」って、後部座席から手を伸ばしてナビを消しますからね(笑)



いや、専属のオペレーターが遠隔でナビしてくれてるわけじゃないんでね。



で、食事のあとにナビをまた入れて直してホテルに向かって運転してると酔っ払いは言いますよね。



「あれ?さっき、ナビを消したのに、どうしてまた復活してるんだ?」と。



いや、履歴にさっきのが残ってたからそこを押しただけですけど、と。



「へえ~~~」



こういうのは仕事と同じ性質だと思う。



いろんな条件が絡まるけど、法律的な責任者は運転手にあるからね。



どんな仕事にも責任はあるけど、国家資格のある仕事の責任は結果が罪になるわけでね。



それに資格があってもペーパードライバーみたいに経験値がないと現実的には任せるのは危険だからさ。



運転の経験が豊富な人でも酒を飲んだ人には運転をさせるわけにはいかないわけで、それにこれは仕事じゃなく旅行だからね。



この状況では最善を尽くすしかないわけですよ。



これたぶん、普段から僕が酒を飲まないから、そこに対してのストレスが少ないから成立してる部分もあると思うのよ。



これで僕がお酒を飲む人だったり、お酒が大好きな人だったら話がまた違ってくるんだろなと。



車にはドライブレコーダーが付いてて、車内での会話も録音されてるらしいのよ。



長距離を運転してる僕に気を使った先輩がサービスエリアで運転を交代しようとしてくれたわけ。



それは帰りの日だったから、帰りは酒を飲まない人もいるわけでね。



僕はそう言うくらいだから酒を飲んでないと思って、それで運転を交代しようとしたわけ。



そしたら、他の人がさっきまで酒を飲んでたと言うわけ。



だけど本人は、これくらいなら大丈夫だって言い張るわけ。



いやいや、それは同乗者の全員が罰金になるからダメだと。



これは上下関係があっても、先輩や上司でも酔っ払いは殴ってでも運転はさせられないわけでね。



危なかったな、と冷静になってみんな反省するわけ。



仕事だったら先輩がオラついて言ってきたときには後輩は折れるしかない場面もあるからね。



ちょっとくらいなら大丈夫なんだよ!に折れかけた雰囲気も車内に漂ってたからね。



優しさが飲酒運転にならなくて良かったなと。



で、ドライブレコーダーは車内の会話も録音してるって話になってね。



じゃあ、さっきの、ちょっとくらいなら酒飲んでも大丈夫って会話のやり取りも全部録音されてると。



これは何かあった時にさっきの会話が残ってたらまずいなと。



酔っ払いは両手を口にそえてドライブレコーダーに向かって言った。







「さっきのは嘘でーす」