天狗「巷ではIT社長が女優と付き合ったりしてモテてるよな?」
河童「そうだね」
天狗「もちろん、お金持ちってのもあるけど、やっぱそれだけの才能もあるわけじゃん?」
河童「それだけじゃなく、お洒落で若くてハンサムだからね」
天狗「まぁ、大抵の男は敵わないよな?」
河童「そりゃそうでしょ(笑)」
天狗「例えばな、自分と長年付き合ってる彼女がいたとして、そこにIT社長が現れてだ、彼がその彼女のことを好きになってアプローチを仕掛けてきたらどうする?」
河童「でも、そんなことは、あり得ないよね?」
天狗「まぁIT社長はありえないわな。だけどな、これがローカル局のディレクターだったらどうする?」
河童「なんだろうね、IT社長よりは親近感がありそうだけど、それでもまだ、あり得ない話でしょ」
天狗「それがねぇ、あり得たのだよ。驚くよねぇ、アリゲーターのだよ」
河童「でもそれは彼女の選択の自由なんじゃないの?」
天狗「どうでもいいんだけど、どうなるか知らないけど、男として筋通すとかそういうのも別にいらんけど、そういうやつから急に呼び出されて説教されるような展開にだけはなりたくないのだよ」
河童「そんなの超惨めじゃん(笑)」
天狗「全てを知った上で、こっちの全てをリサーチした上で完全に潰しにこられたらたまらんぜよ。男としてなら負けたくはないけど、張り合うだけの武器がこっちにはないぞ」
河童「初めまして、私、こうゆう者です(名刺を渡す)」
天狗「いや、あの、俺、名刺とかは持ってないんで…そういうの持たない主義なんで…」
河童「あのぅ、いきなりで失礼なんですけど、ご職業は?」
天狗「まぁ一応ね、ローカル妖怪やってますけどねぇ…」
河童「ちなみに年収とかはどうなんですか?」
天狗「いや、妖怪なんでね、答えるアレもないですけどね。ご想像にお任せしますけど…」
河童「なるほど。では、単刀直入に言いますが、あなたはその生活水準で彼女を幸せに出来ると思ってるんですか?彼女の幸せについて考えたことはありますか?あなたは将来のことを考えて生きていますか?」
天狗「ここで履いてる鉄下駄でDの鼻をガツーンいったんねん!!鼻ごと鉄下駄でやったんねん!!ボコボコにしたんねん!!!!」
河童「その為だけに鉄下駄を仕込んで行くなよ!そんなの警察沙汰になるからね」
天狗「ええねん、隠れみので逃げたんねん。川は夜中に泳いだら案外バレへんねん。いややわ、ほんまいややわ、いやいやもういやああああああああああ!!!!」
河童「やかましいわ!!」