友達の誕生日3 | 天狗と河童の妖怪漫才

天狗と河童の妖怪漫才

妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

さてと、友達について書くのはこれが最後だ。



最後なので俺らしくバカバカしい話で終わろうと思う。



もうこうなったら最初っから飛ばして行くからね(笑)



友達の誕生日にハッピーエンド職人であるこの俺がプレゼントした素敵な贈り物とは一体何なのか?



その答えは…






【Tバック】である。



女性用のパンティなのである。



いいか?ここで引いたらお前らの負けだからな!!



まぁまぁまぁまぁ、わかるよ、わかる、とにかく落ち着いて最後まで話を聞きなさいよ。



ここで引いたら笑えるもんも笑えなくなるからね。



残念なことに文章ですからね、この僕の超ハンサムな顔と超ハンサムな声でお届けすることが出来ないのでね、下手するとゴリゴリの超変態野郎みたいに思われると話の方向性が超違いますからね。



序盤から超滑ってますけど頑張りますよ(笑)



甥っ子の誕生日プレゼントの時にあれだけ悩んだわけですから、そりゃね、友達の女の子にTバックだって贈ることもありますわな。



いや、引くか?(笑)
これは全女子が引くやつか?(笑)



確かにそうかもしれんな。



けどね、一生使えるネタにはなるだろ?



ウケないって?



そんなわけねえだろ!



いいか?Amazonでポチったわけじゃねえからな!



駅前にあるデパートの下着売り場で買ってきたんだぞ!



すげー緊張したし、汗びっしょりになってさ、勇気を振り絞って、そんな大冒険の末にやっと手に入れた天女の羽衣なんだよ。



いや、天女の羽衣じゃねえよ、Tバックだよ(笑)



まずね、俺の誕生日を友達が先に祝ってくれたわけですよ。



焼肉屋さんの個室を予約してくれてましてね。



これがまた偶然なんだけどさ、友達は旦那の名字で店に予約を入れてたのよ。



まぁ友達は旦那と結婚してるから現在の友達の名字でもあるんだけどさ。



これがさ、なんと俺の彼女の名字と全く同じだったのよ…



こんなことってある?



そんな珍しい変な名字ではないにしろ、確率的には凄いけど、なんか凄い嫌なのよ。



友達とも喋ってる時に、何かさっきからやけに名前に引っ掛かってない?言われて、いや実は名前がさ…って説明したら友達も驚いて笑ってたけど。



そんで、焼き肉を一緒に食べてさ、こういうのは金額とか遠慮する方が失礼だと思うから友達の気持ちを有り難く頂いてさ。



まぁ基本的に俺は酒を飲まないからね。



とにかく喋るしか武器はないのだ。



でだ、友達から誕生日プレゼントを貰ったわけ。



やっぱ嬉しいじゃん。



どう転んだって誕生日プレゼントを貰ったら嬉しいわけじゃん。



しかも女の子からだぜ。



男はそういうとこピュアだからね。



すぐにプレゼントの金額を計算するような女とは違うんだな。


それでね、友達からのプレゼントの中身は下着だったのよ。



そう、こことTバックが繋がるわけだ!!



やっぱ俺なんか肉体労働者ですから下着は回転率が大事なんで夏場とか1日に2着は必要ですから重宝しますからね。



襟の紐がないピタッとしたV字の白いTシャツ2枚とボディワイルドとラルフローレンのボクサーパンツを貰ったのよ。



そん時に冗談半分で言ったの。



満月満月ちゃんの誕生日プレゼントには、Tバック買ってあげるよ(笑)」ってね。



友達も笑ってたけど、まさか本当に俺がTバックを買ってくるとは思わないよな(笑)



なんで俺がTバックを買うと言ったかというと、友達から前に聞いたことあったのよ、私はパンツはTバックしかはかないってさ。



だからサイズとかもこの時に聞いたのかな?



男は女もんの下着のサイズなんて興味ないじゃん。



でもサイズが違うと面白さの本質がブレちゃうからね。



そう、友達は高校生の時からずっとTバックを穿いてるって聞いてさ。



お尻のラインが綺麗に出るからだとか、なんかそういうこだわりがあるらしいのよ。



友達は子供の頃に母親に連れられて10年くらいバレエを毎日習ってたから、そういうのも美意識として厳しく教育されてるんだろうけどね。



こういう説明をさ、友達はちゃんとしないから誤解されることも多々あんだけどさ。



嫌々でも何年も続けるってことは大したもんだよ。



なんで高校生の時からって思うけど友達は俺と同い年だから、俺も当時のことはハッキリと覚えてるのよ。



我々はTバック直撃世代でもあるからね。



飯島愛という宣教師が日本にTバックを布教なされたわけです。



だから当時のルーズソックスみたいにTバックは世代的な流行りでもあるのよ。



ここまでは、流れとして伝わったでしょうか?



いや、もちろん俺も友達から貰った下着を着たまま彼女を抱くようなことはないよ。



というか、彼女とはもうかれこれ8年くらいそういうのないからね。



俺はそういう区別はちゃんとつける派なわけ。



部屋着とかTシャツを女に貸すにしても他の女が着たやつは嫌なのよ。



よくわかんないけど。



ただまぁ、友達とはいえね、人妻ですからね、人妻の誕生日プレゼントにエロい下着はどうなのかと。



旦那がいるのに他の男からエロい下着をプレゼントされるのはどうなんだろうと。



うん。



こういう場合に限っては女の子はピュアだと思われる(笑)



プレゼントされた下着を身に付けてたら、暴れる旦那に対してもちょっとだけ強気に行けると思う。



なぜなら勇者でなければ、勇敢な者でなければ、手に入れることさえ不可能な魔法のエロい衣なのだから…



さすがにね、誕生日プレゼントを通販とかネットで買うのは男としてクソダセェじゃん。



友達も色々と日常会話の中にヒントはくれてたけどね。



「女にプレゼントするなら、とりあえずアクセサリーさえ渡しとけば問題ない」とかね。



「指輪のサイズが…」みたいな、さりげないヒントもくれるわけよ。



「私の誕生石は…なんだけど色が好きじゃない…」とかね。



「ハワイの好きなブランドがあって…」もうさ、全部繋げたらそれが答えなのよ(笑)



男に対して何気ない会話の中でヒントを出すってのは、優しいっちゃ優しいけどね。



友達は若い頃に飲み屋で働いてたのもあるからさ、それだけプレゼントの狙いを外してくる客や元カレも過去に多かったのかもしれないけどな。



ただ、まぁ…



俺、そーゆーの、一切、関係ねーから(笑)



女が喜ぶことより笑える方を取る男だからさ。



いいか?お金じゃないんだよ、勇気がなきゃ手に入れられない崖っぷちに咲いた花を女の子に手渡すのが男の子ってもんだろ!



勇敢な勇者はデパートの下着売り場へと向かったのである。



最初はビビってさ、誰か女の子とかにお金を渡して買うの頼もうかとも思ったけど、それじゃ意味がないんだよ!



嘘は簡単につけるけど、お天道様は見ている。



それにさ、本当のことなら運気みたいなのも確実に上がりそうじゃん。



Tバックの女神様が微笑みそうじゃん(笑)



で、デパートの下着売り場に行ったわけ。



最初は“見”だよ(笑)



カイジの沼みたいに下着売り場を何度も通り過ぎたよ(笑)



変質者だとは思われたくないからさ。



でだ、売り場に店員のオバチャンが2人いたのよ。



これなら話しやすいと。



オバチャン2人に手招きして呼んで、事情を説明したの。



オバチャン達も俺の話に笑ってくれてさ。



俺もお婆ちゃん子だからお姉様の懐に入るのは得意だからさ。



セクハラみたいな感じにはならなくて、微笑ましい雰囲気になったのよ。



それがだよ、オバチャン達も若い兄ちゃんのプレゼント選びに協力したいと張り切ってくれてね。



「それなら専門の人がいるから、ちょっと呼んでくるね♪」なんて、駆け出して行ってさ。



そんで連れて来たのが40代前半くらいのキリッとした女の人で、俺のとこに来るなり自分の役職を名乗るわけ。



あまりに恥ずかしくて何て役職か忘れたけど、何とかアドバイザーだか、何とかコーディネーターを担当してる満月満月です!って言うのよ。



「本日はどのような商品をお求めですか?」



「あのぅ…、Tバックなんですけど…」



「かしこまりました。何点かお持ち致しますので、少々お待ち下さい」



この専門職の人はね、キャラがブレない。



もうさキャラを守られるとこっちとしては完全に逆セクハラなのよ。



いや、確かにちょっとSなとこあったな。



最初に持ってきたのが“はじめてのTバック”みたいなやつでさ。



よくわかんねえけど(笑)入門編みたいな爽やかな色の感じなのよ。



「どうですか?」言われても説明に困るわけですよ。



「んー、もう少しセクシーな感じのってありますかね?」



で、かしこまるわけよ。



「こちらなんですがぁ、先程のお持ちした物よりもセクシーなデザインになっておりましてぇ…」



結局ね、その売り場にあるTバックは品数が少なかったのよ。



そしたら別のフロアにメーカーの直営店があるから、そこなら品数も豊富だと言われてさ。



また1から出直すわけ。



で、直営店は店舗が小さいから中に入ったら外からは見えないわけよ。



そこの女の店員さんは話せる人でさ。



男の人も結構買いに来ますよって言うわけ。



カップルとか奥さんにプレゼントする旦那さんとか、あとは、そういう女装の趣味がある人ですね(笑)って言うわけ。



だいぶリラックスして話せる店員さんでね。



「最初見たときはお客さんもそういう趣味の方なのかな?と思いましたよ(笑)」



「違います違います(笑)でも若い頃はね、女の子に間違われることもありましたけどね(笑)」



このような偏見や逆セクハラにも負けることなく、正々堂々とTバックを2枚選んで、それをプレゼント用にちゃんとラッピングして貰ったのである。



プレゼントを渡したときに友達は嬉しそうに「えーっ!なに!?なにー!?」と、お洒落なデザインの半透明の袋ついたリボンをほどいて、その中身を取り出した。



そして、友達は遠慮することなくガッカリしたあとに、大声で笑った。



こういうバカバカしい思い出ができたのも友達がいたからだ。



いつか友達がこの話を誰かに話すときが来るかもしれない。



その時にはアクセサリーなんかよりも輝く未来と、本物の笑い声が聞こえてくると俺は信じている。



なぜなら…、
その男は実在する。



かくして俺は、再び友達を失ってぼっちになってしまった。



部屋の中が超汚い(笑)



でも、やっぱり、友達ってのはいいもんだ。



おしまい。