両親の古希のお祝いと甥っ子の2才の誕生日の思い出を忘れないうちに記そう。
お祝いの前日に田舎に帰って、兄貴と一緒に両親へのプレゼントを買いにイオンに行った。
そんでギフトコーナーで4時間くらい悩んだ。
途中で足と頭が疲れてきたから兄貴と抹茶のソフトクリームを買って休憩。
その後も閉店間際ギリギリまで悩み続けた(シャッター降りてた)。
猛烈に優柔不断な兄弟だとは思う。
だけど仕事じゃないから余計にこうなるのだ。
優柔不断な男は嫌いって言う女がいるけど、男の仕事でそれはあり得ないわけでさ。
仕事とプライベートは違うからね。
優柔不断な男が優しいってことに気が付いた頃にはババアになってるだろうけど。
話は逸れるよ。
このブログは話が逸れるブログですからね(笑)
優柔不断なブログなのである。
大丈夫、ちゃんと責任は取るから!
優柔不断には責任感と覚悟が必要なのだよ。
AとBの2択だとしても、それは正確には2択じゃない。
Aの良いところ100個とBの良いところ100個で比較をすることになる。
デートでご飯は何を食べたいかの質問も男からすればどうでもいいのだ。
美味しそうに食べてるお前の笑顔が見たいだけなのである。
仕事という戦場を離れた男は状況判断や決断のスイッチはオフになります。
これが本当に決められないのだ。
兄貴の選択肢と僕の選択肢の合計でハッピーエンドの正解を出さなければならない。
そこにプレゼントを渡す相手である母親が公式X(女)なので正解がわからないのだ。
悪いけどプレゼントを悩んでる時に父親の顔は浮かばなかった。
父親は男だから気持ちはわかる。
だけど母親というのは女でもあるので正解が良くわかりません。
うちの家族は酒を飲まないのでそこがまた難しいわけよ。
酒飲みならすぐ答えは出るわけ、焼酎とかウイスキーとか飲んだら無くなる物とか、それにペアのジョッキとかグラスみたいなのね。
お揃いのお箸にしようと。
それかギフトカタログにしようと。
ここまで2つに絞ってからが、また長いのよ。
お箸の世界に魅了されてくわけ。
桐の箱に入った1万円のお箸セットがあったのよ。
値段としては1万円ならプレゼントしてやった感はバッチリなのは優柔不断ブラザーズでもわかるわけさ。
桐の箱に入ってるのも見た目のインパクトもいいと。
ここからが大切なんですね。
全てのツッコミに対してハッピーエンドを完成させなければならないわけ。
やっぱり兄貴としては本家の4代目ですから、誰も傷付けることのない最高の形を提出したいわけですな。
お箸の取説を読むと“漆塗り”って書いてあるわけ。
漆って被れるんじゃないの?と。
母親が漆に強かったとしても、息子たちのその選択を喜んでくれるのだろうか?と。
家族の中に漆に被れる者がいなくても、この世界に漆に被れる人がいるのならば果たしてそれはハッピーエンドなのだろうか?
これを兄弟で“漆かぁ…”の一言だけでお互いの考えは読めるのである。
値段を下げた5千円の桐の箱入りのお箸セットもあった。
これには兄貴がデザインが若いから違うと。
お箸の挟む先端部とは逆側の太い部分に桜の花びらが描かれているのだが、兄貴にはそれがハートマークに見えると。
確かに70過ぎた両親がハートマークのお箸を使ってたら何か飯が不味くなる。
それに桐の箱っていらなくない?と。
箸置きもセットで入ってるけど間違いなく使わない。
デザインと実用性で悩んでいると兄貴が新たな問題点を発見したのだった。
食洗機“可”と食洗機“不可”があるぞと。
食洗機は節水だけで元が取れるからと何年か前に兄貴が母親にプレゼントしていた。
だけど、箸で食洗機が不可ってどういうこと?
これから親は年を取るわけだからプレゼントが迷惑になるのは良くない。
高い箸は塗装に貝を混ぜたりキラキラしてるからスポンジ洗いもダメだと書いてある。
箸をスポンジで洗えないって、もはやそれは箸ではない。
プレゼントの瞬間は非日常ではあるが、使うのは普段の日常である。
普段の母親の生活をイメージしてみたら正解がわかるんじゃない?と兄貴に提案してみた。
優柔不断ブラザーズは台所での母親の姿を想像してみた。
ゴシゴシ洗ってるイメージしかない。
というか、我が家は1度使った割り箸さえも洗って使うタイプだった(笑)
箸は違うな?
箸やめるか?
ギフトカタログにしようと。
古希のイメージカラーは紫なのよ。
70才の古希は紫色のちゃんちゃんこ着るらしいの。
カタログの表紙が紫色のやつは高いのよ。
カタログ業界やってんなぁと。
これも僕の考えを兄貴に伝えるわけ。
ギフトのカタログはページを捲って何にしようかと選んでる時の楽しむ時間がピークだと。
注文して届くのは答えが決まってるから、商品を選ぶ楽しみの時間がプレゼントになるんだと。
だからページ数は多い方がいいと。
兄貴としては和モノがいいと。
兄貴からのデータだと、母親はギフトカタログで注文する傾向としては、食べ物になると。
ウインナーとかプリンになると。
だから食べ物のギフトは避けたいと。
確かにそれらが大好物だと聞いたこともない。
大好物だと知っていればそれを買ってあげればいいわけだからね。
値段は高いが温泉宿とか旅行のギフトカタログもあった。
5万とかするのだ。
兄貴としては悩み疲れて金の力でぶっちぎりたい気分だろうけど、僕にはそんな予算はない。
僕ならカタログはこれ、箸ならこれ、と決めた。
けれども兄貴はまだ悩んでいた。
僕は実家を離れてもうすぐ20年になる。
兄貴の方が両親と暮らしていた時間は長い。
これでブランド物のバックやアクセサリーで喜ぶような単純な母親なら楽勝なのだ。
それなら僕も兄貴も苦労はしない。
高価な物は渡しても使わないだろうし、そういう下地もない。
親としては子供からのツッコミを回避する為に幼い頃から買い与えることでその感覚を麻痺させると思う。
うちは一般家庭だけど、職人の世界でも社長の2代目が潰れるパターンとしては親の収入の内訳が従業員からのピンハネだったことに気が付いたときに感じる自分が過ごしてきた生活水準と従業員の子供たちとの格差だろう。
ギフトカタログも中身は似たような商品ばかりで読んでるうちに最初の感覚と違ってくるのだ。
1万円のギフトカタログにしようと決めて、ページを捲ってたらカタログの中には箸があるのだ。
1万円のギフトカタログで、もし箸を選ぶんだったら、最初から箸で良くね?と(笑)
ギフトカタログに載せてる分だけ箸のグレードは実際の1万円の箸よりも下がってると。
カタログの箸なら直接お箸の工房から買い付けた方が更に安くなると。
だったら最初から1万円の桐の箱に入ったセットにしたほうがいいと。
悩みに悩んで堂々巡りした結果、最初のやつに戻ってきたわけです。
もういいやと。
もうこれでいっかと。
ずいぶん投げやりになってきて、これに決めようと。
もう足もくたびれたと。
兄貴が桐の箱に入った1万円のお箸セットを手に取って最後の確認を僕にしてきた。
兄「よし、もう、これでいいだろ?」
僕「そだね。…でもまぁ、1万円ならこれで焼き肉が食べられるけどね(笑)」
兄「……。ダメだな。お爺ちゃんに怒られるな」
僕「ただの木の棒だもんね(笑)」
兄「お前ら調子に乗るなよって怒られるよな(笑)」
祖父はずっと前に他界しているのだが、終戦後は空腹で毎日家の裏で泣いていたと亡くなる前日に息子である父親ではなく嫁の母親に対して長男の辛さを語り逝ったのだった。
優柔不断を極めるのならば、ご先祖様も含めたオールハッピーエンドを目指さなければならないのである。
迷った結果、3千円のお箸セットと3千円のカタログギフト2冊に決めた。
会計のカウンターに座り、プレゼント用のラッピングと古希の祝いとして兄貴と僕の名前を店員さんに伝えた。
とにかく悩み疲れた。
店員さんがやってきて言った。
店員「ラッピングの包装紙がこの中から選べますけど、どれになさいます?」
1~6の包装紙の見本がある。
オバサンの店員さんなのでここは女性の感性で間違いないだろう。
兄「どれがいいんですかね?」
店員「そうですねぇ、やっぱりこの1番の花柄…」
兄「1番で!!」
僕「1番で!!」
イオンから帰る車の中で兄貴と話をした。
兄「あとはプレゼントを渡すタイミングをどうすっかだよな?」
兄「手紙は書いたのか?」
僕「まだ書いてない」
兄「実は俺もまだ書いてないんだよ。やめっか(笑)」
兄「パソコンで打つなら簡単だけど、それそのまま渡すの変じゃん。だけど手紙ってなるとなぁ」
まさかこんな遅くまでプレゼント選びに苦労するとは思わなかったのだ。
翌日は午前中に写真館での家族写真を撮影するのだ。
兄「髪の毛ちゃんと切ってきたんだな。(兄嫁)がさ、髪ボサボサで来たらどうしよう?って言ってたんだよ(笑)」
僕「ボサボサって失礼だな(笑)」
兄「だから、うちの家族はこういう時にはちゃんとするから大丈夫だって言ったんだよ(笑)」
優柔不断で髪ボサボサでいい年して独身の義理の弟という認識なのだろうか?
兄嫁は身内なんだし、自分の実家に帰るのにカッコつけてもしょうがないわけでさ。
写真館で家族写真を撮るのも甥っ子の為である。
1日だけのシンデレラボーイとして今回は帰省したのであ~る。
髪を切り、コンタクトを着眼し、クローゼットに封印されし15万のグッチのスーツに身を包み、その上にはフェンディの7万のコートを羽織り、ワックスでヘアスタイルを固めれば、我こそは独身貴族であ~る。
私が危惧しているのは、これで兄嫁と視線を合わせた時に甥っ子のママではなく女の子の目をしてたらダメだぜベイベーってことなのさ。
変な空気になるのだよ。
結婚して間もない頃に兄貴夫婦のアパートに遊びに行った時に、近所にあるたい焼き屋に3人で行ったことがあった。
たい焼き屋さんの店員は若い女の子だったのだが、兄嫁は常連客らしく店員にこう紹介したのだった。
兄嫁「今日はイケメン君を連れてきましたぁ♪(アホな声)」
笑いから最も遠い紹介をしてくれたわけです。
兄嫁にはオンとオフがなくて、ずっとオンみたいな感じだから心配になるのよ。
そんなわけで写真館にて家族写真を撮ることになりました。
つづく