社交辞令じゃないパターン | 天狗と河童の妖怪漫才

天狗と河童の妖怪漫才

妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

少し前に同じ会社の年上の人から言われたのだ。



「今回は満月満月さん(僕)に迷惑掛けちゃったんで、よかったら今度、食事にでも行きましょうよ。新橋に知り合いが焼き鳥屋やってるんで」と。



僕は「いいですね!行きましょう!!」と答えた。



その人は無口なタイプの職人さんなので、実はまだどういう人なのかあんまりよく知らないのである。



男同士が親しくなるにはお互いの性癖を知ってナンボみたいなとこあるじゃないですか。



君は、おっぱい派なのかい?
それとも、お尻派なのかね?



仮に君がお尻派だとして…
それは“おしり”なのか?
それとも“オシリ”なのか?



ほぅ“でんぶ”とはこれまた随分リベラルな見解だと言えるけれども、それは本質的な意味でお尻なのかね?



このように男のこだわりとは狭くて深いのだ。



いつしか深海のように光さえ届かないところまで到達することになるのだが、それはもう変態である。



食事に誘ってくれたその人は、もんじゃ焼きで有名な月島生まれの月島育ちという生粋の江戸っ子なんですね。



社長のことを「奴さん」って呼ぶんですよ。



ちょっと下町色が濃いわけでね。



そんで少し前に社長と江戸っ子が揉めたみたいで社長から連絡があって、江戸っ子が急に辞めるっていう話になって、その時に僕がうまいこと二人の間に入って辞める話はなくなったのよ。



その迷惑を掛けたお礼として江戸っ子が僕を食事に誘ってくれたわけです。



これもね、社交辞令だと僕も思ってたんですよ。



別にそんなね、実際に食事に行かなくてもさ、迷惑掛けたことに対してお礼の気持ちがあるって形だけでいいじゃないですか。



でもね、江戸っ子ってのは違うんでやんすよ。



義理や人情の下町育ちにゃ社交辞令なんざ、てやんでぇべらぼうめえと。



再確認されまして、行くことになりまして、しかもそれが次の月曜か火曜 ということで、場所は新橋で確定というね。



困ったことは、何を喋ったらいいのか?と。



普段から無口な人と二人きりで食事って、僕らは何を話したらいいのかね?



知り合いの焼き鳥屋だとしたら、焼き鳥屋の大将と江戸っ子は親しいのかな?と。



「串ってなあ刺すんじゃなくて打つんだよ」



こんな感じなのかな?



お酒が入ったら饒舌になるタイプかもしれないからね。



でもさ、月曜か火曜に行くのは大丈夫なのかと。



次の日も仕事だからね。



僕はどこでも寝れる人間なので帰るのが遅くなったら気にせず江戸っ子の長屋に泊まるけどさ。



新橋ってサラリーマンの聖地ってイメージだけど大丈夫なのかね?



月島だから新橋も地元みたいなもんなのかな。



江戸っ子が変態じゃないことだけを祈るよ。