天狗「そこの貴方、幸せになりたいですか?」
河童「え?僕?…そりゃまあ幸せにはないたいですけどね」
天狗「幸せを掴みたいよね?そうだよね?」
河童「ええ、まあ」
天狗「だったら掴んじゃおうか!幸せ掴んじゃおう。ハッピーをキャッチしちゃおうか!」
河童「あの、よく意味がわからないんですけど…」
天狗「それは掴んでないから意味がわからないの!意味がわからないのは貴方が幸せを掴んでないからなの!」
河童「僕が掴んでない?」
天狗「なんで掴まない?逃げちゃうよ!ほら、掴まなきゃ幸せ逃げちゃうよ!!早く早く!!」
河童「ごめんなさい、そもそも幸せを掴むにはどうしたらいいんですかね?」
天狗「もーバカか?おバカさんなのか?目の前にある幸せを掴むのがそんなに怖いのか?」
河童「いや、怖いとかじゃなくて、どうやって掴んだらいいのかを僕は知りたいんですよ」
天狗「あのね、腕の数と指の数はみんな一緒なの!それなのに掴める人と掴めない人がいるの!なぜだかわかる?」
河童「わからないです」
天狗「幸せの女神様は前髪しかないの!」
河童「前髪だけなんですか?」
天狗「そう、前髪だけなの。女は前髪が命だから…ってバカ!」
河童「バカって言われても…」
天狗「前髪を掴むの!!幸せの女神様の前髪を掴むのよ。そして掴んだら絶対に離さないの!!」
河童「前髪を掴むんですか?」
天狗「そうよ。逃がしちゃダメよ」
河童「それで前髪を掴んだら、そのあとはどうなるんですか?」
天狗「そりゃ女神様は怒るわよ。痛い痛い痛いって、ちょ前髪痛い痛いって、どうするの?離すの?やっと掴んだ前髪を離すの?」
河童「痛がってるなら離しますよ」
天狗「離しちゃうんだ。へぇ、前髪離しちゃうんだー」
河童「いや、そりゃ離すでしょ!普通、誰だって離しますよ」
天狗「普通じゃないからね。前髪しかない時点で普通の女じゃないからね」
河童「幸せの女神様の話ですよね?」
天狗「あーあ、怒らせちゃったね。知らないよ」
河童「いやいやいや、前髪を掴めって言ったじゃないですか!!」
天狗「離したよね?勝手に前髪を離したよね?離せとは一言も言ってないよね?」
河童「だって痛がってるんですよ!」
天狗「離すなら最初から掴まないの!掴んだら二度と離さないの!!」
河童「そんなの無理ですって!」
天狗「いい?なんで幸せの女神様は前髪しかないのか、わかる?」
河童「そういう奇抜な女性なんじゃないですか?」
天狗「違うわ!そういうことじゃないのよ」
河童「どういうことなんすか?」
天狗「みんなが掴むから、もう前髪しか残ってないの…」
河童「そーなんですか!?」
天狗「そうなのよ。本当は可哀想な女なのよ」
河童「…そうだったんですね」
天狗「前髪しか残ってないなんて、女として不幸でしかないわ」
河童「みんなの幸せと引き換えにそうなったわけですもんね」
天狗「何も髪の毛を掴まなくてもいいじゃない?そうでしょ?」
河童「そうですよ」
天狗「幸せの女神様を抱き締めてあげたらいいんじゃないの?違うの?」
河童「そうです!そうです!!」
天狗「貴方は前髪しかない女を抱き締められるの?」
河童「そんなの関係ないですよ。きつく抱き締めて二度と離しませんよ」
天狗「なに勘違いしてんの?」
河童「何がですか?」
天狗「いやいやいや、相手の気持ちを考えてよ。前髪しかない女にも男を選ぶ権利はあるからね」
河童「え?」
天狗「そりゃそうでしょ。前髪しかないんだから、なおさらそうでしょ」
河童「そうなんですか?」
天狗「前髪しかない女を抱き締めてる自分に酔ってんじゃねえぞ!」
河童「そんなつもりはないですけど」
天狗「自分も同じ髪型にすればもっと喜ぶとか思ってんじゃねえよ」
河童「そんなこと思ってないですよ」
天狗「前髪だけで人間性まで決め付けてんじゃねえよ」
河童「僕は何も言ってませんからね」
天狗「言葉に出してないから何も悪くないって考え方が間違ってるよ」
河童「じゃあ、どうしろって言うの?」
天狗「関わらないで下さい。もう二度と関わらないであげて下さい」
河童「どーいうことだよ!」
天狗「そういうの迷惑なんで、マジ勘弁的な」
河童「掴めって言い出したのはそっちでしょ!」
天狗「そんなの自分で掴んだらいいじゃないですか!」
河童「掴んだら幸せになれるって言ってたじゃんか!」
天狗「幸せになれますよ」
河童「じゃあ、僕は一体何を掴めば幸せになれるの?」
天狗「自分のチンコを掴んでシコシコしごいたらいいじゃないですか?」
河童「ふざけんな!!いい加減にしろ!!」