ニセモノノウタ4 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

で、彼女があまりにごり推しするので渡されたイヤホンでそのアーティストの曲を聴いたわけですよ。



とにかく彼女は歌詞の世界観に浸ってるというかね。



最近の話題はそのアーティストについてばっかりなのよ。



ライブ行った話とかさ。



何かと絡めてくるわけ。



ついにそれは僕の誕生日にも侵食してきたのよ。



彼女からメールが届いてね。



誕生日おめでとう、の次に書いてあった言葉がさ…



今度一緒に満月満月のライブに行こうと。



いや、待てと。



彼氏の年イチの誕生日にそれはないだろと。



ふざけるなと。



全方位でありえねえと。



それは女の子のあまのじゃく的な照れ隠しだったりとか、彼氏にヤキモチを妬かせたい乙女な感情の類いでもなく、サバサバした女の何も考えてないようで実はちゃんと考えてるんだけどやっぱ途中で何かそんな自分が面倒になっちゃってる不器用な感じでもねえと。



ストレートに崇拝しちゃってんじゃねえよと。



彼氏の誕生日に崇拝しちゃってんじゃねえよと。



逆の立場で考えてみろと。



彼女の誕生日に彼氏から彼氏の好きな女のアーティストのライブに誘われたら嫌じゃないのか?と。



この感覚がわからないならそのライブに行く価値もなくなると。



誕生日ってのは産まれた本人とその子を産んでくれた母親に感謝すべき日だと思うのよ。



男は中出しするだけの卑怯な生き物だからね。



生命体としては女性が誕生したことを祝うイベントの日なんですよ。



男だけだと絶滅しちゃうからね。



だから男は自分の誕生日パーティーとかはどうでもいいのよ。



男からお祝いされてもぶっちゃけ何も嬉しくないわけ。



誕生というものはね、女性からお祝いされてこそなんですよ。



そんな年に1度しかない誕生日に知らない野郎のライブの話なんざされてもこっちは嬉しくもなんともないわけさ。



なんか他にも言うことがあるだろと。



年にたった1日だけでもいいから西野カナになってみろと。



西野カナなら彼氏の誕生日にあんなイカれたメールは送って来ないぞ。



だからと言って「ねぇダーリン♪」とか急に送られてきてもそういうことじゃないのよ。



それはそれでなんとなく身の危険を感じるからね。



こっちは世界観としては西野カナのイメージなわけよ。



だけどお前の世界観は鬼束ちひろだろと。



せっかくの誕生日なのに『腐敗した世界に堕とされた』感があるわけよ。



お前のトリセツは表紙にドクロマーク描いてあるだろと。



魔方陣の中心に保管してあるだろと。



なんだろな、素直に気持ちを伝えられないから曲をプレゼントするっていうのならまだわかるのよ。



歌の力を借りてるからね。



そういう表現ならグッとくるわけだけどさ。



最近だとゾゾタウンのCMだったかな?



あれいいよね!



女の子が言うわけよ。



「ごめんね、好きになっちゃって…」



これなら積年の怨みも水に流そうってなるわけじゃん。



だけどこの台詞って最強だよね。



なんか甘酸っぱい気持ちになるのよ。



こうゆうことが言えればこっちも許せるのよ。



でももう今は同じ台詞を言ってもダメだからね。



それゾゾタウンのやつだろ!ってなるからね。



パクってんじゃねえよってなるからね。



借金してんのか?ってなるからね。



そんなわけで、曲を聴いてみたわけですよ。



続く