お姫様の赤ちゃん | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

前回までの話について、もう少し具体的な内容を書きますね。



拾ってきたお姫様が実はシングルマザーの女王様だったわけですけどね。



とはいえ私は独身貴族なので子持ちのバツイチ女に対しては…



「中出しの報いじゃ!!」



…くらいにしか思っていなかったんですよ。



16才で出産してからの苦労ってのは当人にしかわかりませんからね。



逆に質問されたんですよ。



なんで結婚しないのかと。



まぁこれは話すと長くなるので省略しますけど。



それと、「結婚相手に求める条件ってなんですか?」と聞かれたのよ。



道端で拾ってきたお姫様は、ついさっき偶然に出会った初対面の酔っぱらいなんだけど、だからこそ照れ臭くならずに真面目に答えてました。



「んー…自分が死んでも、ちゃんと子育てをしてくれる人かな?」



これは本心で本音だった。



それなら男は命懸けで働けると。



最終的にそこしか男のロマンは残ってないからね。



そう答えるとお姫様はなぜか私の手を握って腕を舐めたんですよ。



お姫様は酔っぱらっているんでしょうけど、ここから急に赤ちゃん返りが始まってしまったんですね。



恐らく16才から母親をやってきた反動なのかもしれませんけど。



私の親指をおしゃぶりのように吸い始めたんですよ。



子育てというか、シングルマザーってのはここまで精神的に追い込まれるのかと驚きましたね。



よく男性でも会社の役員とか社会的にエリートの立場の人ほど、その反動で赤ちゃんプレイをするって言いますけど。



誰かに甘えられる立場じゃないからこそ、そうなるんでしょうね。



ただ、赤ちゃん返りしてる様子を見ながら私が思ったのは、私の言った結婚相手に求める条件って…



「自分が死んでも、ちゃんと子育てをしてくれる人」




あれ?




シングルマザーって…



…ちゃんと子育てしてるよな?



これって、理想の女なんじゃねえか?



シングルマザーに対する価値観が一夜にして変わったんですよ。



自分が死んだあともこうやってちゃんと子育てしてくれる、というか、すでにやっているわけでね。



離婚する原因はわからんけどさ。



少なくともお姫様は子供が二人いるわけですよ。



それってのは出産を2回したわけですね。



出産ってのは命懸けなわけですよ。



出来婚だったとしても、惚れた男に2回も自分の命を張ったわけだよ。



そんな女を捨てる男の意味がわからんよ。



自分の為に命を懸けてくれた女に対して、同等の命を張らんで何が男なんだと。



働くってのは不様で辛くてしんどい。



ストレスもそりゃたまる。



嫁がセックスしてくれないのもあるだろう。



母親になってるから無理だと諦める男が悪い。



赤ちゃん返りとまでは行かなくても、母親から女に返すくらいは旦那がやるべきことだ。



嫁が離婚届けに判子を押すその瞬間に、一人で子育てをしようと覚悟した嫁に惚れ直すべきだ。



お前みたいなクソ野郎の為に命を懸けて出産した新しい命を、1人ぼっちになっても守ろうとする女を手放すのは絶対にやめたほうがいい。



いや、クソ野郎だから離婚したいのだ。



でも、そんなクソ野郎と穴兄弟になるのは御免だぜ!!ってのもある。



これは感受性の問題かもしれない。



男は元彼とか元旦那に対して嫉妬する生き物ですからね。



自分がナンバーワンじゃないとダメなんですよ。



元彼や元旦那の話を持ち出してヤキモチをやかせようとするのは絶対にやっちゃダメなのよ。



感受性が豊だからこそ逆効果になるんですよ。



私は私で赤ちゃん返りをあやしてたら赤ちゃんが欲しいなって思いましたからね。



価値観なんてのは出会いでいくらでも変わるってことですね。