歯車2 | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

どうにも気持ちの整理がつかない。



自己責任という言葉だけで物事を片付けることに納得ができないのだ。



とはいえ、本当のことは亡くなった本人にしかわからない。



このまま死人に口なしという対処法が確立されようとしている全体的な空気が気色悪い。



誰も悪くない。



死ぬやつが悪い。



本当にそうなのだろうか?



組織内での人間関係という歯車の潤滑油的な役割に対して報酬や評価はされない。



そこまで考える経営者は高級車には乗らないと思う。



人が亡くなった時に責任者である立場の者が己のメンタルの強さ云々を語ることに何の意味があるのだろうか。



指示していないことを勝手にやったという完璧なストーリーも本人が亡くなっていなければ結末は違っているはずだ。



このやりきれない感情はどうにもならない。



もちろん亡くなった本人にも落ち度はあるだろう。



自己決断、自己責任という大人の考え方もわからなくはない。



何人もの人間が辞めていく職場は異常であり、それは同時に辞めずに残っている人間も間違いなく異常なのだ。



あいつは最後まで一人前になれなかったとかの問題ではない。



そういう話のまとめ方や論調を操作するテクニックは何の解決にもならない。



難しいのは、その場にいた人間に優しさが足りなかったことが根本的な要因なのだが、結果があまりに不幸なことで妙な優しさで責任問題が浮遊している。



おかしな発言をしても今は情緒が不安定だとすれば周囲は優しさで物事を解釈するしかない。



内部の人間はそこまで俯瞰では見れない。



辞めていった人間や離れていった外注の人達は内部の人間関係の良さも悪さも理解している。



俺も外側の人間であり、その日にその現場にはいなかったので当事者にはならない。



だからこそ言えないことや、やるせない気持ちも募る。



離れていった人から電話をもらって話したことが組織の現実だと思う。



起こるべくして起こったとしか言いようがない。



満月満月くんがそんなことを一人で勝手にやる訳がないし、やるとしても彼には危なくてやらせないよね。



俺はその日にそこに居なかったので詳しいことはわからないと伝えた。



どうせ満月満月さんか満月満月さん辺りがやらせたんじゃないの?



本当のことはわからなくても、実際に満月満月さんと一緒にやっていたことは予想通りだった。



一緒に仕事をした仲間としては、やりきれないよねとしかお互いに言えなかった。



経営者が現場を離れて金儲けに走れば組織の末端の人間は犠牲になる。



こんな状況では気持ちの整理も出来なくて何も言えなくなる。



仕事のストレスや人間関係にこれまでとは違った異質な流れを感じる。



この業界はここ数年間だけで事故や死者が間違いなく激増する。



非正規雇用者を正式に雇用することをで破綻する組織や個人がいる。



それらのストレスや生活の不安が仕事を通じて様々なことに波及することにもなる。



人が死んでも悲しんでいる暇もなくなる。



日本人の価値観や文化の象徴でもある死者に対す考え方すらもビジネスに飲み込まれていく。



慢心から招じた結末をビジネスというスピードで処理することで死に対する免疫や慣れが更なる巨大な慢心に増幅されていくように感じる。



休憩の時に当事者からの笑えないブラックジョークには呆れるしかない。



そうすることでしか正当化できない負い目があるのかもしれない。



ただそのブラックジョークにしても、笑いの組み立てを分析すると冷酷な人間性が浮かび上がってくる。



面白さの発想を飛躍させるとサイコパスの領域にも容易に踏み込むと思う。



笑えるかどうかで人間の抱える業や矛盾や優しさを感じる訳だが、ただのサイコパスには笑えないどころか呆れるを通り越して怖さしかない。



巷ではオラオラ系だとか俺様男子などと言われてバカな女からモテてはいるが、その大半はサイコパスだろう。




人が死んでも悲しくないのは感情が欠落しているからだ。



冷たいと思われるかもしれない、不謹慎だと思われるかもしれないと、どんなに前フリをしたとしても夜中に思い出して笑っちゃうのは正直、狂ってるとしか思えない。



日頃から残虐な動画を好んで見ていたから関わりを持たないできたがやっぱりおかしい。



そんなやつがワンピースを読んで泣くと言うのだ。



カラオケでエグザイルを上手に唄うのだ。



俺は周りにノリを合わせることはできるが、周りに流されることは好きじゃない。



周りに流されるやつが悪いとは言わないが、流されてるやつを見て笑っているやつは嫌いだ。



一緒に流されているようで巧みに誘導して利用しているやつがいる。



身内のコネで入ってきて周りからも気を使われているから面と向かっては誰も強くは何も言わない。



俺も一線を引いているし外部の人間だから深入りはしない。



俺は無駄な争いは好まないし楽しく笑っている環境が好きなのだ。



ただ、あまりに笑えないことが続くようなら組織ごと潰してやろうかとも思ってくる。



経営者も当事者だから微妙なのだが、当事者全員がカウンセリングなりを受けてからでないと話し合いの段階には進まない。