おのののか | 天狗と河童の妖怪漫才

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笑える下ネタ満載……の筈です。

名刺どうやって保管してる?ブログネタ:名刺どうやって保管してる? 参加中




名刺入れに詰め込んだまま部屋のどこかにあると思う。



ガテン系の職人をやっている僕だが、過去には商社の立食パーティみたいな会場で、おじいちゃんみたいな偉いさんと名刺交換をしたりしていた過去もあったりする。



会場に並んでいる料理を自分で皿に取ろうとすると、先方の若い女性社員の方が率先して料理をお皿に取り分けて笑顔で差し出してくれた。



あれが人生の勝ち組と呼ばれる人々の世界なのだろう。



今では、自分で作った握り飯とカップラーメンをすする日々である。



周りにいるのは汚いおっさんばかりだ。



職場に女がいない。



大きな現場になると最大で千人を超えるおっさん達が集まることになる。



女に飢えた男達の巣窟とも言える。



そんな現場に詰所と呼ぶ休憩する場所がある。



そこの入り口のところには誰かが貼った“おのののか”のポスターが貼ってあった。



疲れ果てた男達がその女性のポスターを見れば誰だって癒されることになるし、好きになる。



だから、アイドルの人達はポスターの仕事を甘く見てはいけない。



確実に好感度は上がる。



そんな男ばかりの職場で疲れを癒してくれる、おのののかちゃんのポスターに、どこかの大バカ野郎が落書きをしやがったのだ。



おのののかちゃんの愛くるしいおめめが、白目の部分も黒く塗り潰されていたのである。



誰だやったやつは!!



休憩で詰所に入る度にポスターを見ては、イラっとするようになった。



職場の雰囲気も全体的にイラっとした感じになっていた。



だが、それだけでは終わらなかった。



ある日、ポスターを見たら、おのののかちゃんのおでこに『肉』の文字が追加されていたのである。



オイ!!誰だ、おでこに肉って書いた奴は!!



悪ノリの連鎖が止まらなくなっていた。



でっかい黒目と、おでこに肉、唇までも黒く塗られていた。



そんな気色悪いポスターなど見たくもない。



男達の怒りはピークに達していた。



すると、どうだろうか。


ポスターにある変化が起こったのである。



誰かが、大きな黒目に白いペンでアニメキャラみたいな目に仕上げたのだった。



少しは見れるようになった。



それだけでは終わらなかった。



黒く塗られた唇には赤いペンで、頬っぺたには猫のようなヒゲが、日を追うごとにポスターに書き込まれていった。



化け物みたいになっていたポスターを男達が必死に可愛くしようとしているようだった。



肉と書かれたおでこは前髪で隠された。



ちょっと可愛いとすら思えるようになった。



男達が合作して誕生させた謎の萌キャラである。



しかし、その完成した萌キャラに、どっかのクソ野郎がデビルマンのメイクをしやがった。



翌日、そのポスターは破かれていた。



なんか、おのののかに対して申し訳ない気分になった。



そして、おのののかの顔がまた見たくなってきた。



みんな、おのののかのファンになっていた。



男ってやっぱりバカなんだと思った。