好きにしていいよ | 天狗と河童の妖怪漫才

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笑える下ネタ満載……の筈です。

飲み会でまず頼むものは?ブログネタ:飲み会でまず頼むものは? 参加中




酒が猛烈に弱いのでウーロン茶ですね。



信頼できる先輩がいる時だけ酒を飲みます。



でもビールが旨いと思ったことはないですね。



苦いし臭いしあいつの何がいいのかさっぱりわかりません。



で、職場の元請けの専務から「明日、焼肉行くから」と、いきなり言われたのよ。



それと、「この現場から誘ったのは○○ちゃん(僕)だけだから、くれぐれも他言しないように」と言われたんですね。



これがものすごいストレスなんですよ。



他の人達には喋ってはいけない爆弾を抱えたままの会話ってのが、ハラハラして息苦しくなるんですよ。



基本的に全員バカですから絶対にどこからかバレる訳ですよ。



その焼肉の場所が新宿の歌舞伎町ってのも問題がある。



いつも駅まで一緒に帰ってるおっさんがいるんだけど、乗る電車が僕とは逆方向だから、ホームで「お疲れ様です」って別れてる訳ですよ。



その、おっさんが乗る電車は新宿行きなのよ。



だから焼肉の日は僕も一緒に新宿行きに乗ることになる訳ですよ。



でも、そのおっさんは焼肉には誘われてないからね。



「あれ?今日はどうしたの?」



って絶対に言われるでしょ。



しかも、おっさんは新宿で乗り換えだからそしたら間違いなく「どこ行くの?」ってなるからね。



『いえ、ちょっと歌舞伎町で用事がありまして…』



すげー誤解されるじゃん!!



仮に歌舞伎町って言わなくても、東口の改札に向かって歩いて行ったら
「昨日は歌舞伎町に行ったんでしょ?」
って冗談半分で言われても正解だからね。



こうなると面倒なのよ。



おっさんがね、僕が歌舞伎町に行ったという話を冗談で専務に言ったとしても、それを聞いた専務もバカだから僕が焼肉の件をおっさんに喋ったと誤解してしまう訳ですよ。



それと、誘われてないのはおっさんだけじゃないからね。



どうしようかと考える訳ですよ。



でも黙って考えてると、「どうしたの?元気ないじゃん」って心配されるというね。



こういう会話の筋肉を鍛えてなかったんですよ。



飲み会とか行かないから「ここだけの話」ってやつを抱えて生きる術を知らないんでしょうね。



そもそも、誰を誘って、誰を誘わないとかいうのに誘われたくないのよ。



その時の面白い話なら喋りたいのに誘われなかった人には喋れない訳だからね。



で、結局は最寄りの駅までおっさんと一緒に帰って、ギリギリまで悩んだけど銀行に行くと嘘をついて電車を1本乗り過ごした訳ですよ。



これでもし、おっさんが1本前の電車に乗り遅れてたらどうしよう…ってハラハラしたからね。



「昨日○○ちゃんが、銀行で金を下ろしてから歌舞伎町に行ってたよ」って噂が広まるからね。



これは完全にアウトだからね。



焼肉に誘った専務からも「あの後、ヌキ行ったのか?」と誤解されますからね。



で、歌舞伎町の待ち合わせ場所に向かったんですけど、他に誰が誘われてるのかも知らなかったんですよ。



集まったのが元請けの社長と専務と別の下請けの社長の3人だったんですよ。



50代が3人と30代の僕が1人ですからね。



正直、帰りたいなと。



そんで歌舞伎町に近い新大久保の焼肉屋で焼肉をご馳走になった訳ですよ。



社長とかはホルモンばっかり食べるんですね。



僕にはホルモンは生ゴミでしかなかったんですよ。



噛みきれない肉を飲み込む訳ですからね。



でも、ここのホルモンは食べれましたね。



見た目もかわいいやつだったし、柔らかかったので旨かった。



元請けの社長が「遠慮しないで食べたいのを頼みなさい」って言うのよ。



でもこれは「遠慮して頼みなさい」なんですよ。



僕はハラミが好きなので、『じゃあハラミにします』って答えて、社長が開いたメニューを見たら、ハラミのランクが上と特上の3段階あって普通のハラミで千円なんですよ。



特上ハラミは二千円ちょっとの金額でした。



そこに店員が注文とりにきて、社長が「どれにするんだ?」て言うから『…普通のハラミで』って言ったら、ニコニコしてましたからね。



気を使って喋ったり、気を使って食べるのは、すんごい疲れる。



ほんとは最初からライスを注文したかったのだ。



デザートも気になっていた。



社長からは「遠慮しなくていい」「気を使わなくていい」と言われても、その言葉が逆の意味なのはわかっているのだ。



社長の話を聞きながらも他の2人のジョッキが空になりそうな時は注文するタイミングが難しい。



それに社長が喋りながら自分でみんなの肉を焼くのも困る。



話に夢中になって焦げ始めた肉をチラ見しつつ社長の話を聞くから集中力が持たない。



シラフだから酔っぱらってたからと許される訳もない。



自分が喋る時も肉の焼き加減を気にしたり、他の人達のジョッキの空き具合とか気にするのも疲れる。



気配りは大切だけど話を聞いてる相手には失礼だからね。



もう、すんごいストレス。



ほんとは玉ねぎを注文したかったけど網の場所を取るし笑われるからやめた。



心の中で(社長、その自慢話を聞くの今年だけでも3回目ですよ)と思うんですよ。



でも他の2人は僕よりも社長との付き合いが長いから少なくとも600回くらいは同じ話を聞いてるはずなんですよ。



それをさも「初耳です!?」ってリアクションで聞けるところが凄いのよ。



で、社長も喋りながら思い出す時もあるんですよ。



「これ、この前、話したよな?そんとき居たよな?」



もう話がぐちゃぐちゃ。


僕的には「気を使わなくていいよ」とか「遠慮しなくていいよ」じゃなくて、「好きにしていいよ」がベストなんですよ。



女性から言われるのも「好きにしていいよ」がベストなんですよ。



こっちも好きにするからそっちも好きにしていいよが一番いい。



「好きにしていいよ」



『じゃ、帰りま~す』



みたいな感じ。



優しさの滞空時間が長い中で暴れまわる感じ。



ちゃんと着地するから大丈夫だと。



笑えない嘘はつきたくない。



その時は笑えなくても、後でみんな誘って必ず笑い飛ばすから。


だから、好きにさせて欲しい。