束縛の詩 | 天狗と河童の妖怪漫才

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禁○○経験ブログネタ:禁○○経験 参加中




たまには真面目な話をしましょうかね。



禁○○経験というブログネタなので、今回は束縛について考えてみたいと思います。



つまり、禁オナニー経験ということだね。



ざっくりと話を進めるから、経験者だけが共感してくれる話だと思う。



先に結論から言うとだね。



束縛する女というのは、最終的にFBIの捜査官みたいな台詞を言うようになるのだ。



「精子の量がいつもより少ないんだけど…」



『……!?』



「なんで?」



『………………………………………………………。』



オスのカマキリの気持ちがよくわかる。



いっそ、殺すなら、殺しておくれ…。



射精を終えた直後のオスというのは、FBIの長官のような立場にある。



その心は絶対的な理性と、正義感で溢れている。


そんな私に部下の捜査官が質問をしてきたようだ。



その手には物的証拠であるコンドーム。



なるほど。



これだけの物証が揃っていれば即逮捕できるだろう。



しかし、その女性捜査官は長官である私に対して「なんで?」と助言を求めている。



「なんで?」と、長官に向かってタメ口なのが気になるが、この場合は敬語になったら逆にマズイ。



私のキャリアからすれば、犯人が誰なのかはもうすでにわかっているのだ。



プロファイリングなど用いらずとも、犯人の心理状態など容易に推測することができる。



犯人は今すぐにでも逃走したい気持ちでいることもわかっている。



泣きそうなくらい反省と後悔をしていることもね。



つまり、この事件の犯人には情状酌量の余地が多大にある。



それと法治国家であるのだから、彼には黙秘権が認められているのだ。



そう、黙秘権がね。



『も…』



「は?」



じ、事件に進展があったようだね…。



き、急展開だねぇ…。



どうやら…
私が…
被害者になってしまうようだね…。



こういう場合は、犯人を刺激しちゃいけない。



『も、申し訳ありませんでした…』



束縛というのは実に恐ろしいものである。



オナニーが禁じられた先には、性欲の管理まで徹底されるのだ。



テレビの視聴禁止。
コンビニでの立読み禁止。
携帯の履歴チェック。
飲み会の参加禁止。



会社や職場の先輩の携帯にまで電話をして確認するのである。



出張先のホテルでは、有料放送が映らないようにフロントの従業員に携帯で通話をしたままの状態で事情を説明するのである。



こんな生活を続けていれば、さすがにオナニーがしたくなる。



仕事終わりに漫画喫茶に行った。



ここでオナニーをしようと。



ブースに入ると携帯が鳴った。



女の勘は100%当たる。



電話に出ない訳にもいかない。



「今どこにいるの?」



『え?部屋にいるよ』



「なんで着いたのに連絡しないの?」



『今さっき、着いたとこだったから』



「ふーん」



漫画喫茶なので周りが静かなので助かった。



しかし、漫画喫茶で電話をしてはいけないのだ。


だが、周りに気を使って小声で喋ると部屋じゃないことがバレるので、普通のトーンで話していた。



つまり、漫画喫茶の店員から注意される前に話を終わらせなければならなかった。



「ふーん」



『じゃ、着いたから電話切るよ』



「ほんとに家、着いたの?」



『着いてるよ!!しつこいなぁ…』



「じゃあ、着いてるならミスチルの曲かけてよ」


『はあ?』



「着いてるんでしょ?それならミスチルの曲かけてよ」



ここは部屋ではない。



漫画喫茶である。




当然ながらミスチルのCDなどある訳がない。



絶体絶命のピンチである。



もう1度言うが、漫画喫茶では静かにしなければいけないのである。



じゃあ、どうするの?



私は唄った。



可能な限り、ミスチルの桜井に寄せて唄った。



『ちょっとぐらいの汚れ物ならば~♪』



わかっている、漫画喫茶で大声を出して唄ってはいけないことくらい。



『残さず~に全部…』



しかし、どんなに崖っぷちだろうとも、諦めてはいけないのだ。



妙なプライドは捨ててしまえばいい。



この“名もなき詩”をいつまでも君に捧ぐのである。