天狗と河童~ジジイの恋人~ | 天狗と河童の妖怪漫才

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妖怪芸人「天狗と河童」の会話を覗いてみて下さい。
笑える下ネタ満載……の筈です。

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天狗「最近、職場に新しくジジイの後輩が入ってきたのよ」



河童「ジジイっていうくらいだから年上なの?」



天狗「63だからジジイだよね。俺と親子くらいの年の差だよ。まぁ、ジジイはバツイチで子供はいないから独身みたいなもんなんだけどな」


河童「でも63歳っていったら職人の世界では熟練工と呼ばれるベテランだよね。組織的には後輩だけど仕事は出来る訳でしょ?それで職人気質が強い人だと逆にやりずらくない?」



天狗「これが蓋を開けてみたら、ただのジジイ。童話のアリとキリギリスのキリギリスを実写化したようなジジイ。バレバレの嘘とハッタリだけで生き抜いてきた奇跡の人だよ。何が1番やりずらいかって、本人はバレてないと思ってるからね」



河童「それはやっかいなジジイだね」



天狗「しかも俺の直属の後輩な訳だよ。元請けとか他の会社の職人達はジジイがキリギリスなことを知らないからね。周りの職人はジジイのことを完全にベテランだと思ってる訳だよ」



河童「でもすぐにバレるでしょ?」



天狗「これがさ、ジジイのやってることとか言ってることの内容があまりにも理解不能だと、逆に仙人的な説得力を身に纏うのよ。ジジイが単純に工具の名前を言い間違えてるだけなのに若手のやつらは“昔ながらの粋な呼び方”だと誤解しちゃう訳だよ」



河童「とんでもない仙人が現れたな」



天狗「図面が読めなくて冷や汗をかいて困ってるだけなのに、そんなジジイを見た年輩の職人は『ここの現場は図面の書き方が悪いよな』って擁護しちゃうんだよ。そう言われるとジジイは図面の読み方すら知らない癖に小声で『アレの方がいいよね…』」



河童「どれだよ!!そのジジイやばいね。どんどん仙人化しちゃってるじゃん」



天狗「俺の直属の後輩ということでジジイが信頼されることに関しては素直に嬉しいのだが、職人としてはただのクズ。困ったことに休憩中はギャグという受け皿も用意されてしまうので、まるで俺が話を盛ってるみたいな感じで信じてもらえず、ジジイの仙人化が止まらない。『そんな訳ないだろ!!(笑)』のツッコミにジジイも笑っていやがる。器の大きい男を演出しているのだろうか…いや、ただのバカ野郎なのだ」



河童「でもさ、それだと仕事にならないよね?」


天狗「今は俺に叱られることが仕事になってる。片言の外国人よりも遥かに使えない。職人が2人で仕事をした場合は最低でも1+1が3になる。だが、ジジイはどこで手に入れたのかマイナスを抱えている。現場が忙しいので元請けの社長から依頼があり、手配されてやってきたのがジジイなのだ。テトリスで言えば長い棒状のブロックのような、待ち焦がれた救世主のような存在である。だが、実際に画面に現れたジジイは、見た目は長い棒状のブロックなのだが、いくらボタンを連打しても横を向いたまま微塵も動かない。その巨大なマイナスはゆっくりと、確実に降りてくる。その様子を見た者は驚きつつも、これはバグなどではなく最新のテトリスの新しいゲーム性なんだとプラスに受け止めてしまうのだった。しかし現場でのジジイは、まさに無用の長物なのだ」



河童「バレないのが不思議だよね」



天狗「パズドラやってたらテトリスの棒が降ってきた訳だよ。『そんな訳ないだろ!!(笑)』ってことが実際におきてるんだよ」



河童「どんな人なの?」


天狗「基本的に何も考えてない。ただ俺の後を付いてくるだけ。俺が歩きながら考え事をしてて、明らかに道を間違えてるのに付いてくる。昼飯も俺が弁当を買うとジジイも弁当を買い、俺が麺類を食べるとジジイも同じ物を食べる。とにかく何でも俺の真似をする。なかでも1番驚いたのは、朝礼の最中に安全帯と呼ばれる職人の命綱でもある腰に装着するフック状のものを俺がうっかり床に落としてしまった時のことだ。朝礼中に物音がすれば俺の過ちに周りの職人は気が付いて笑われる訳だが、俺はとっさに落とした安全帯を敢えて拾わないというギャグで周りのやつらを笑わそうと考えた。だらしなく安全帯をぶら下げたまま真面目な表情で朝礼の話を聞く俺の姿に周囲からクスクスと笑い声が漏れてきた。その時だった!!それを後ろで見ていたジジイは慌てて自分の安全帯を床に落としたのだった…」


河童「マジか…」



天狗「なんでそこを真似するんだよ!!って思うだろ?どう考えたってそんなことする必要がないし、ありえないからね。2人して床に安全帯をぶら下げるという、何かの儀式かと目を疑うような光景だったよ」



河童「ずっとそうやって生きてきたんだろうね」


天狗「それがプライベートだとジジイの浮気が原因で離婚してるだけあって、女に関しては唯我独尊だからね。まぁ、そんなジジイなんだけど、頼んでもないのにペットボトルカバーを買ってきてくれたんだよ。ペットボトルカバーを欲しいと言ってたから嬉しいんだけどさ」



河童「そういう気配りはするんだね。女に対してのサプライズのプレゼントとかは抜け目ないんだな」



天狗「だけど、そのジジイから貰ったペットボトルカバーが“イチゴ柄”なんだよ。俺もさすがに現場内でそれを持ち歩けるほど心臓強くないからね。まぁ冗談だろうと思ってさ、一応は嘘でも『すいません、ありがとうございます』ってお礼して、ジジイ早く『これは冗談だよ』って言えよって思ってて、それでもジジイは『俺のも買ってきてあるから気にしないで』とか、じらしやがるから『俺が気にしてるのは“イチゴ柄”だよ!早くそっちのやつと取り替えてよ』と思って待ってたら、暫くしてジジイがロッカーから持ってきたのも全く同じ“イチゴ柄”でやんの」



河童「お揃いの“イチゴ柄”かよ」



天狗「ジジイは『これしか置いてなかったから…』なら買うなよ!!しかも2つ!!」



河童「これ相手がジジイじゃなかったら完全にゲイカップルだと疑われるよね」



天狗「ジジイは金持ちの後家さん狙いで合コンに夢中になってる訳だよ。普段はノロノロ動くのが合コン行った次の日だけはバリバリ動くんだよ。空回りだけど無駄によく動くんだよな。やっぱ、いくつになっても女の魅力ってのは男のパワーの原動力になるんだってわかったよ」



河童「でも合コンの翌日だけしかパワーが持たないんだね」



天狗「合コンの翌日でもノロノロしてた時があって、まさか昨日セックスしたのかと聞いたら『いや、年上ばっかりだった…』なるほど、どうやら男の原動力にも賞味期限があるみたいだ。ジジイは70過ぎのババアと社交ダンスを踊ったらしい」



河童「でもパートナーのいない老後生活は切実な問題だよね」



天狗「マンションのオーナーとかスナックのママとか充分に金を持ってても男との出会いを求めてくるんだってさ。休憩中にみんなでジジイの恋バナを聞いてて、ジジイを応援しようと。それでいい出会いはあったのかと聞いたら、電話が掛かってきたと携帯の着信履歴を見せる訳だよ。しかも2回も!これは脈ありじゃないっすかと、どんな女の人なんですか?と聞いたら、何人も男をお持ち帰りする女だという。ヤリマンかぁ、それはよくないなぁ、とかみんな感想を言う訳だよ。俺はそれを何で知ってるのかジジイに聞いたのよ」



河童「そうだよね。ただの悪い噂かもしれないし、脈ありなんだから諦めちゃダメだよね」



天狗「そしたら、合コンに参加してた他の女の人が教えてくれたんだって言うのよ。『あの人はやめといた方がいいよ』って。俺はそこで考えたのよ。教えてくれるってことは、その人もジジイに気があるんじゃないかと」



河童「なるほどね。ジジイはバツイチだけど子供がいないっていう魅力があるもんね」



天狗「そんな感じで、みんなで意見を出しあってたんだけど、俺は着信2回の脈あり女が実はヤリマン女だと教えてくれた女が気になったから、その女の人はどんな人なのかと聞いたのよ」



河童「うん。そしたら?」



ジジイ『女性に年齢を聞くのは失礼なんだけど、俺に気を付けた方がいいよって教えてくれた女は年下で59、電話あった方の女は年上で68』



天狗「……どっちにしろババアじゃねーかよ!!年寄りがなにを格好つけてんだよ。命短し恋せよババアだろ」



河童「ババアでも恋愛はするんだね」



天狗「頭にきたからヤリマンと付き合わせようと思って何時に着信があったのか聞いたのよ」



河童「電話してくる時間帯にもよるね」



天狗「そしたらジジイが『えーと、6時23分』って言うから、朝の6時!?でもババアだからありえるって驚いてたら『夕方の6時』だってさ」



河童「でも、夕方の6時に電話してくるのは脈ありでしょ」



天狗「でも68のババアだぜ?いつ脈そのものがなくなってもおかしくないからな」



河童「医学的な意味での脈じゃねーよ!!」



天狗「ジジイは何も考えないでババアの後を付いて行っちゃうかもな。お揃いの死に装束を着てさ」



河童「そんな訳ないだろ!!って笑えないから怖いわ!!」










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