今年6月15日に「中粗粒灰色低地土・灰色系」という記事を書いた。農研機構が更改した「日本土壌インベントリー」というデータベースから,うちのいちごハウスの土壌を調べ,それについてムニャムニャ語った記事でした。
その記事で,うちのいちごハウスの土壌を「中粗粒灰色低地土・灰色系」と紹介したのですが,これは,従来最もよく使われていた「農耕地土壌分類第2次試案」という土壌分類方法によるもので,最新の土壌分類方法「包括的土壌分類第1次試案」によると「中粒質普通灰色低地土」だそうです。もちろん,分類方法が変わったからと言って土壌そのものの性質が変わるわけではないんですけどね。一応,最新情報をば。
前回の記事の中でも紹介したのですが,うちの土壌の特性に関する説明が,このデータベースに書かれた内容と,みえ土づくり推進協議会が発行している「三重県版まるごと!ポケット土壌診断ハンドブック」に書かれた内容とが,矛盾している部分があるんです。
前者には,
「地下水位は低く,排水は良好である」
と書かれているのに対し,後者には
「グライ土に比べて地下水位は低いため,転作は可能であるが,排水は一般にやや不良なため地表排水等の対策が必要である」
と書かれているのです。
うちのハウス内で土壌を扱っている実感としては,
「地下水位は高く,排水は不良である」
というのが正直なところ。
通路に水がたまって困っているのです。
実ったいちごはできるだけ高い位置で収穫したいので,極力畝を高くしたいと考え,通路を深く掘り下げているのですが,これがうまくいきません。深く掘り下げると,どうやら水が浸み出してくるらしく,通路に水がたまってしまうのです。
通路の水たまり。ハウスの屋根パイプが映り込むほど,たっぷりたまっています。
特に雨が多く降った後は大変な量の水がたまってしまいます。
その水のたまり方が今シーズンは特に酷くなっていたので,ハウス内にある排水路のヘリに波板を打ち込んでみました。この排水路は,農道から流入してくる水を外へ出すためにハウスの隅に切ってあるのですが,この水路の底よりも,畝間の通路の方が低いため,排水路の水が染み込んでくるのではないかと考えたのです。
排水溝に波板を打ち込んだ。地面から生えているパイプとホースは灌水用のもの。
結局,波板を打ち込んだ後も通路にできる水たまりの規模は変わらなかったので,やはり通路の水たまりは地下から湧き出る水によるものなのだろう,というのが現在の結論です。
ずっと,水たまりができる度に柄杓や水中ポンプ,灯油用として売られているシュポシュポ式ポンプなどで水を汲み出していました。
こんな面倒なこと何度もやっていられません。
結局,水の良く湧くあたりだけ,通路の位置を浅くするため,土を埋め戻しました。雨が降る度に水を汲み出す作業を強いられるのは困りますし,マルチを張った後は今より更に面倒になります。通路を浅くするということは,相対的に畝が低くなるということので残念ですが,致し方ありません。
来シーズンの畝立て作業は「深掘りもほどほどに」を意識してやろうと思っています。