Appleミュージックで「ワールドワイド・カフェ」というカテゴリーを聴いていて、一目惚れならぬ一耳惚れしてしまったエリス・レジーナの『Águas de Março』。(発音できましぇん Google先生「アグアス・ヂ・マルソ」ゆうてます)
いかにもラテンな明るい歌声と、何を歌っているのか全くわからないポルトガル語が韻を踏んで聴こえて、耳にとても心地良いのです。
断然気になってGoogle検索してみると、世界中で一番多くカバーされているザ・ビートルズの『イエスタデイ』に次ぎ数多くの方にカバーされている人気ボサノバ『三月の雨』という曲とわかりました。
しかも作詞作曲は、かの『イパネマの娘』の作曲家アントニオ・カルロス・ジョビン(って、この名前も初めて知りましたが!)小野リサさんの歌う『イパネマの娘』が大好きで定期的に聴きたくなります。
さて、何を歌っているのか気になって歌詞の翻訳を探しましたが、ジョビンさんはご自分で英語翻訳されていて、その英語を元にした日本語翻訳はあったのですけど、どうも、何というか…歌の響きとしっくりきません。
ジョビンさんの英訳はポルトガル語からの直訳ではなく、北米向けにわざわざ作ったらしいので、Google翻訳で《ポルトガル語→日本語》にしたものとその英訳を見比べてみても、何かぜんぜん違います。
ますます「ポルトガル “直” バージョン」が知りたいと思ってさらに調べると…
ありましたよ
これよ、これ。こんな感じに聴こえます。
『三月の水 アントニオ・カルロス・ジョビン ブック』の著者、岩切直樹さんの翻訳です。
Águas de Março は「三月の水」の「水」が複数形で「雨」とか「川」とか、水がいっぱいなイメージらしく、歌詞にも「雨」が入っているところから「三月の雨」となっているところが多いようですが、あえて「水」としているところも私は気に入ってます(水瓶座ですし)
ブラジルは3月に長〜い夏が終わって雨季(秋)となるそうです。日本だと夏が終わるとちょっとメランコリックな秋ですが、ブラジルはむしろ恵みの雨で生きる希望が湧いてくるのでしょうか。岩切さんが最後「君の心には 生きる希望」と簡潔に締めているところも素敵だなと思いました。
それではエリス・レジーナさんとトム・ジョビンさん(アントニオ・カルロス・ジョビンさんのニックネームはトムさん)の掛け合いが楽しい『Águas de Março』お聴きください 翻訳はその下に置きます。
最後、エリスさん笑っちゃってます
『三月の水』
(作詞 A.C.ジョビン)
命 太陽
ペローバ・ド・カンポの木
マチータ・ペレイラの樹
風の木
吹いて来る風
降っている雨
足 地面
空の鳥
井戸の底
棘 釘
魚 仕草
足跡 橋
【余談】
最後の方、「ひきがえる かえる」とありますね。
いつも楽しく読ませていただいているjunさんのブログ に、昨日NHK BS4Kでハッキリくっきり鑑賞された宮本浩次『ロマンスの夜』の感想が書かれていて、その中の一節に
宮本さんは足が細くて長いから、手も指が細くて長いんだろうなぁと思っていましたが、意外にも、手の指は太めで短くて…指先がまあるいので、カエルさんの手みたいと、思ってしまいました。(すみません)
なんてのがあって、笑ってしまいました
先日もアリス九號.のヒロトくんが、宮本さんと握手したら「手が柔らかかった」って感激と共に驚きの感想を述べていましたが、《カエルさん》っていうのがね、何かピッタリな表現でカワイくってー
単に《かえる》繋がりですけど、『三月の水』での「ひきがえる かえる」からは、雨が降り出して顔を出したカエルたちの瑞々しい情景と愛嬌が感じられてきたのですが、そこにきて宮本さんの手が《カエルさん》だったものですから、ひとり劇ツボりしてしまったのです。
失礼しました