NHK『The Covers』80年代ラブソングSP、観ました。ゲストは我らが宮本浩次とCoccoさんです。
いやぁ〜正直、Coccoさんに全部持っていかれちゃいました
デビュー28年目を迎える46歳シンガーソングライターCoccoさんを私は知らなかったのですが、歌声、発音、表現…全てが私の全身全細胞に染み渡り、うっとり聴き入ってしまいました。
Coccoさんは尾崎豊の『ＩLOVE YOU』を歌ったのですが、宮本さんも放送前のインタビューで「尾崎豊の曲というよりは、《曲》として新鮮に聴くことができた」と仰ってましたが同感です。
そんなCoccoさんと2人で登場した時の宮本さん、かなり緊張していたようで、ちょっとおどけながらスタジオに入ってきました。黄色いハートのサングラスをかけたCoccoさんも宮本さんに合わせて軽やかに舞いながら、二人の衣装が絶妙にリンクしていたこともあって、司会のリリー・フランキーさん「ユニット感がありますね」「郷ひろみさんと樹木希林さんのあのコンビを思い出しました」と表現されていました。林檎殺人事件！確かに
宮本さん、リリーさんの言葉に応えて指で丸くメガネを作って更におどけて見せてくれました。
直接お話はしたことがないという宮本さんから見たCoccoさんの印象は、「歌がすごく突き刺さってくるというか…すごく丁寧で綺麗な声なのに、そこからこう…突き刺さり方…胸に来方が強いというか…本当に存在感のある歌をうたう方だなっていうふうに、はい」と仰っていました。
その後、実際私もCoccoさんの歌う『I LOVE YOU』を聴いて感じ入ったのは、まさにそれです。
リリー•フランキーさんはその『I LOVE YOU』を聴いた後「悲しい時は晴れた日の方が悲しいっていうか…この清潔感と、歌の世界観が余計情緒的になる」と評されてました。美術評論家的表現が素敵です
一方、宮本さんとは歌番組で何度か一緒になったことがあるというCoccoさん。宮本さんの印象を聞かれると…「いつも全力で頼もしい先輩！みたいな感じなんだけど、なんか、あやうい…純粋さみたいなものを持ち合わせた…なんか、子どもみたいな感じの印象だなぁ〜って思ってます」とニッコリ。
このCoccoさんの表現、凄いなーと思いました。鋭いですね。通り一辺倒の返答ではないので、宮本さんもどう受け止めたらいいのか戸惑いの表情でしたが(笑)一応は礼を言ってましたけれども。
宮本さんは薬師丸ひろ子さんの『Woman「Wの悲劇」より』を歌いましたが、司会の上白石萌音さん、リリー•フランキーさんが絶賛している中で、嗚呼〜失敗したぁ〜😫ってな表情で「歌はちょっと力んじゃったなぁ〜！」「気合い入りすぎて…」と頭を抱えひたすら反省していて、その後Coccoさんも、「景色としては照明の効果もあいまって、この世じゃないような、天上界にいるようなイメージを受けました」と感想を言うのですが、それでも渋い顔してるので「いい意味でよ？」と慰められて(？)いるのが可笑しかったです。
これまで『The Covers』にて様々なアーティストにより歌われてきた80年代ラブソングのカバー曲もダイジェストで流されましたが、宮本さんは『飾りじゃないのよ涙は』を流してもらっていました。
しかし、ここでも「もうちょっと力まないで私の好きな歌、うたった方がいいんじゃないかなぁ…」と反省の弁を述べていましたが、そこで私は研ナオコさんのお話を思い出しました。
中島みゆきさんの歌をうたう際に意識していること、感情移入させるかを問われた際、「入り込んじゃったら聴く人に伝わらない。ちょっと引いて歌わないと。10ある感情のうち２は自分で、８はみなさんで描いてください（というバランスで歌わないと伝わらない）」と仰ってましてが、そのあたりのことなんじゃないかしらと。
ちなみにこちらで聞けます。アルフィー坂崎幸之助さんと一緒のトーク。とても面白いのでお時間のある方は是非
話を『The Covers』に戻します。
80年代の音楽業界は凄かったです。ベストテンのような歌番組もたくさんありましたし、新人さんたちでも皆2〜3ヶ月に一枚は新曲を出していた時代。洋楽でも80年代はヒット曲、思い出の曲がいっぱいあります。
そんな様々な80年代歌謡曲を振り返り、宮本さんは「レベルがすごいですね、みなさんすごい独特…どの方も…まあ当たり前ですけどね。そうかでも……凄かったんだなぁ…」としみじみと仰ってましたけど、エレファントカシマシとして必死に曲作って練習して歌ってを繰り返していた時代。感慨深いものがあったのでしょう。
もちろん歌も素晴らしかったですが、この回、トークもとても面白かったのです。宮本さんも放送前インタビューの中で少し触れていましたが、リリーさんのお話、幅広い知識と視点の面白さでとても心が満たされます。
しばらくはNHK＋のアーカイブで見られますので、見逃した方はこの機会に是非どうぞ！
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024011834213
※1/25(木)午後10:44まで
