まもなく公開される映画『わたしたちの国立西洋美術館』に先駆け、舞台となる国立西洋美術館に行ってきました。毎月第2日曜日は常設展の入館料(通常は一般¥500)が無料なのです。
場所は、東京・JR上野駅、公園口より徒歩1分。まっすぐ行けば上野動物園です🐼
まっすぐ行くと動物園。美術館は右手です。
国立西洋美術館本館の設計は、エレファントカシマシ宮本浩次の大好きな建築家ル・コルビュジエが担当し、その弟子たちの実施設計・監理協力により完成されました。コルビュジエによる設計の建築物としては日本で唯一のものだそうです。
ちなみに新館はそのお弟子さんのひとり、前川國男氏の設計です。
話は逸れますが、前川國男氏と言えば「宮本浩次日本全国縦横無尽」での沖縄・石垣市民会館を思い出します。前川國男氏の設計だとエビバデが呟いていて、私はそこで初めて彼の名前を知りました。
この建物、宮本さんもいたく気に入っておられましたよね。今でもよ〜く覚えています。(って、あれ昨年なんだー!すごく昔に感じてビックリ!)
建物の前はゆったり広々の広場で、そこでまず目に飛び込むのがブールデルの『弓を引くヘラクレス』。
めっちゃ力強いが、チンチンに目がいってしまう…だって、この構図(//∇//)
でもでも、その右手にはでっかいでっかい『地獄の門』が “こっちにいらっしゃい” と呼んでます。
『地獄の門』オーギュスト・ロダン
地獄の門は世界に7体ありますが、最初の鋳造とされるのは、この松方幸次郎(神戸の川崎造船社長)の依頼した地獄の門だそうです。
そして、見えますか〜?上の方で考え込んでる人。
ほら、あそこに👆
その人だけを取り出して拡大して作ったのが、かの有名な《考える人》なのです。知らんかったー!
イタリアの詩人ダンテの叙事詩『神曲』に登場する地獄への門ですが、《考える人》は地獄の様相を眺めつつ思索にふける詩人(ダンテ)とかロダン自身の姿であるとか諸説ありますが…
「なんで服着てないの?」と素朴な疑問が…。
この国立西洋美術館の地獄の門から独立させて作られた《考える人》を持つ、京都国立博物館のホームページには、私にとってはとても納得のいく解説がありましたので引用させていただきます。
「地獄編」の内容から解放された「考える人」は、もはや地獄の霊魂(れいこん)について考えているのでないことはもちろんのこと、何について考えているかについては、鑑賞者(かんしょうしゃ)の自由な想像力にまかされます。
でも私はこうも思います。"考える人"は考えるというポーズをとっているだけで、本当にロダンの表現したかったのは、傾けた上体を支える右手と足の上にのせた左手という複雑(ふくざつ)な体の構成、もりあがった筋肉や異常に大きな手足などの力強さなどではないかと。そうなると作品は、背景となる意味よりも、純粋に形のもつ迫力だけで、別の次元に生きているといえます。
この作品の真正面をさがしてみてください。あるいは、もっとも見やすいアングルはどこでしょうか。なかなか決められないでしょう。そのことは、この像を見る視点がたくさんあることを意味しています。
決まった視点ではなく、鑑賞者に対してよりよい視点をさがさせる、つまり見る努力を強いる、これこそが近代彫刻の出発点でした。「考える人」のたくましい背中を見てくだい。何と雄弁(ゆうべん)な背中でしょう。
ロダン作 考える人 〈京都国立博物館蔵〉
ふんふん、筋肉盛り盛り見せたかったのね〜
《考える人》という題名なので「誰だろう」「何考えてるんだろう」と考えてしまいますが、地獄の門から取り出した時点で「踏ん張るマッチョマン」でも「俺の筋肉」でも良かったということかもしれません。
その国立西洋美術館の考える人は反対側にありましたので、まじまじ観察してきました。
考えてます
筋肉ムキムキというより、背中なんかは気持ち悪いほどボコボコしてて、結構年配者のような体つき
ほれ、お顔だって爺さんだ
常設展にそのまま入りましたが、用事済ませてから行ったので、すでに2時過ぎてて腹ぺこ
お腹空きすぎて集中できないので、一旦ザザッとひとまわりして、併設された「カフェすいれん」でランチすることにしました。
もう、何オーダーするかは決めてたんだ〜
ル・コルビュジエのプレート(ドリンク付き)
¥1900
《前菜/季節のスープ/生ハムとモッツァレラチーズのオープンサンド/ファジリのミートソースパスタ》
メニューには【ル・コルビジェが考案した「近代建築の5つの要点」のうちのひとつであるピロティを、黒いバゲットのオープンサンドで表現し、ル・コルビジェの設計した「国立西洋美術館本館」を四角いプレートを用いて表現しました】とあります。
ちょ、ちょ、ちょ、これ美味しいですぅ〜〜!冷製コーンスープにあったかパスタ。ひとつひとつがヒジョーに美味しい。(ドリンクのジンジャーエールもめっちゃ美味しかった)
中庭に面した明るい空間はリラックス効果バツグンな上、ある種の美術鑑賞(建物自体が文化遺産ですから)をしながらのお食事ですから、雰囲気含めて美味しく贅沢な時間でした。満ち足りたわ〜
二人がけテーブルの窓を向いた側に座ったので、目の前の風景がコレです。これだけで自然な絵画🖼️
(窓ガラスもよく磨いてあります👍good)
さ、お腹も程よく満たされたので、余裕かまして2周目にGo
(つづく)