物はあまり持たない主義。っていうより、最後の部屋はすっごく狭くて物が置けなかったから、極力、物を増やさないように努めてきたのだ。アメリカ国内だけでも引越しは大小含めて10回以上はしたけど、今度はすべて空っぽにしなくちゃならないと思うと、途方に暮れた。


帰国寸前まで使う物だってある。どれをいつ何の媒体で処分するか、頭の中でおおざっぱに種分けしつつ、まずは、「確実に使わない、けれど捨てるのもしのびない、かつ郵送できるもの」をピックアップし、eBayに載せてみることにした。


手始めに、ちょうどハロウィーンも近づいていたことだし、ハロウィーンコスチュームから始めた。デジカメで写真を撮って、使うパッキングと封筒をあわせて重さを量って切手代を割り出して、Shipping&Handlingフィーを決めて、いざ出品。売り込みコピーを考えるのも楽しかった。


たとえ微々たる金額でも損することはまったくないし、欲しいと言ってくれる人がいて、喜んでもらえるだなんて、こんないいことない。難なくコスチュームにBidがついていったので、次々に出品してみた。


かつてイラストを描く仕事をしてたときのなごりで、大きな皮のポートフォリオなんてものもあった。まったく綺麗だし、捨てるにしのびない。かといって、今時、こんなの使う人いるのか?しかし、いたのだ。買ってくれた人はフレスノの人だった。画家である妹が個展を開くのに、まさにこういうのが欲しかったんだと言って喜ばれた。


ロットリングのペン先なんてのも、未使用品がたくさんあった。雲形定規とか、誰が使うの?ってのも、いるんだなぁー欲しい人は。実際、仕事で使ってくれてあんなに喜んでもらえると、捨てないでよかった~と、物を生かせた喜びさえ湧いてくる。


どれも、出品最低額の99セントから始めたから、たいして高値ではなかったけど、私にとってあまり金額は問題じゃなかった。とにかく、こんなものでも欲しいと言ってくれる人がいて、使ってくれるってことが嬉しかった。


でも、ちょっと気合入れてしまったものもあった。プリントゴッコだ。

10年くらい前に買ったもので、プライスシールを見ると、定価110ドルをセールで79ドルで買ったらしかった。79ドルって、私にとっては大金だった。まったく手をつけてないインクもたくさん残ってるし、搾り出し袋とか、買い足してるものもあるし、いたって綺麗だし、捨てるに忍びない。どういう文句で載せるといいのか、他の人たちのを参考にしてから載せることにしてたけど、このプリントゴッコはけっこう人気商品だということがうかがわれた。なぜなら、けっこう出品してる人がいて、どれにもbidがついていたからだ。そこで気合をいれてみた私は19ドル95セントから始めてみた。気合を入れたところで19ドル95セントってところがケチぃけど。でも、正直に、どのインクはどれだけ残ってるか、ことこまかに内容を書いて載せた。私のeBayでのモットーは「正直・丁寧・迅速」。したら、いきなり50ドルにまで跳ね上がって、その後も次々bidがつき、結局最終的に300ドルくらいで売れてしまった!買ってくれたのはNYの男性だった。プリントゴッコ、NYに売ってないのだろうか?