アンドレアとデイビッドの外出が微妙に重なって、まるっきり二人がいなくなってしまう日が3日できることになった。Norahとエリオの共同生活に慣らすに好都合でもあって、キャットシッターを快く引き受けた。


その日、アンドレアは2階に続く階段のドアを開け放しておいてくれた。私の部屋の開かずの扉を開ければ、2階へも裏庭へも自由に出られるという構図。でも、Norahは探索に行く気配はなかった。


その代わり私の部屋に入ってきたのはスージーの飼い犬ネオだ。スージーは昼間は洋裁学校、夜はバーでのアルバイトで、あまりネオにかまってあげられる時間がなかったから、ネオはよく裏庭でキャンキャン悲しげに吠えていた。


ネオは私を見つけると尻尾を振って駆け寄って、ジャンプしながら足にまとわりつく。犬、嫌いじゃないけど、何がイヤって、どうしてああして腰振るの?私の足にしがみついて、へコへコ股間を押し付ける。もう、興奮しまくり。裏庭に出て、適当に遊んであげて、部屋に戻ると、そのままついてきてしまった。


Norahはベッドの上の自分のマットの上で両脚をまげて座ったまま、不審者ネオを眺めている。たいした相手ではないと思ってるのかなんなのか、シャーはやらない。


ネオはNorahのボールの水をガブガブたいらげて、カリカリも一気に平らげてしまった。Norahが一日がかりで食べるカリカリをぺロッと平らげてしまうずうずうしさと、水のガブ飲みが、なんだか、いやしんぼみたいでいただけない。


水は手ですくうべし

(↑)Norahは水をちゃんと手ですくって飲む。やっぱりこれくらいお上品でなくちゃ!


しかし、そんな姿を見ても、Norahは「別にぃ~」って感じで表情を変えるわけでもなく大人だった。Norahのためにもカリカリをボールに補充すると、またネオは一気に食べてしまった。そんなに美味いかFiline i/d。


きりがないから、ネオを裏庭に一旦締め出した。すると次にエリオが部屋にやって来た。


エリオは少し警戒しつつも、静かに部屋に入ってきた。Norahは驚いたことにシャーを言わない。ただ、不審者エリオをベッドの上から眺めている。自分の部屋だから安心なのだろうか?


エリオはこれまたNorahのカリカリを「アウアウアウ‥」と言いながら勝手に食べてしまった。アウアウいうんだから、美味しいんだろう。でも、エリオは自分の缶詰食べるノルマがあるんだから、あんまり食べさせるのはよくないなあ~と思って近づくと、私に向って「シャー!!!」


なんだよ~、失礼な。。。


エリオは私が嫌いだった。2階に上がって、水を取り替えたり、缶詰あげたりしてあげても、私にシャーシャー言って近づかない。勝手にしなさいと思って、エリオと遊ぶのはやめた。


エリオは裏庭の探索が日課だというから、やっぱり裏庭へのドアはあけておいてあげないとならない。で、ドアを開ければネオが来る。ネオがくれば腰へコへコだ。


結局、キャットシッターというより、すっかりドッグシッターになってしまった3日間だった。