小論文はいつから始めたらいいですか? | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

「小論文はいつから始めたらいいですか?」


本当によく聞かれる質問の1つである。

特に現在、高校2年生の生徒や保護者にとっては、その時期を明確に知りたいところであろう。



まず考えなければならないのは、小論文や面接を使う入試がいつ行われるかということである。


確かに医学部の一般入試や、国公立大学の前期日程や後期日程でも小論文は入試科目となる。


だが最も早い時期に小論文や面接が入試科目となるのは、総合型選抜の10月、学校推薦型の11月ごろだ。


これを一般入試に置き換えると、1月に共通テストがあると考えれば、現在は11ヵ月前と言うことになる。

受験勉強を本格化しなければならない時期である。


では、10月の総合型選抜、11月の学校推薦型を同じように11ヵ月前だと考えてはいかがだろうか?

そうなれば、今の時期は既に取り組んでいなければおかしいと言うことになる。


もう一つ、小論文や面接は明確に入試科目であると言うことだ。

価値観が英語や数学と変わらない。

英語や数学は高校の勉強だとしても、高校1年生から毎日のように学校で授業があり、定期試験があり、模試もある。


しかし、小論文はどうだろうか?

これまで、小論文に対して、英語と同じ程度のエネルギーを注いで、向き合ったことがあるだろうか?


もちろん、月に1回程度の小論文講座があるのかかもしれない。

しかし、その小論文講座も添削程度のことであり、英語や数学の授業などに比べたら回数も極端に少なく、内容も乏しい。


ただ幸いなことなのは、この時期に英語や数学並みに小論文に取り組んでいる人はほとんどいない。

つまり、みんな油断してる。


これは最終的に大きなアドバンテージとなる。


小論文を書くということは「書き方」や「コツ」ではないし、志望理由書だって「テンプレート」で書けば、簡単に描けるけど、評価はされない。


小論文を書くということは、プロジェクトベースラーニング(PBl)を学び、批判的思考から仮説を立て、さらに証明をして論理的に説明できるということだ。

志望理由書にも、学問に対する自主的な活動や、大学での学問への取り組み方、職業でなくても将来構想なども書いていきたい。

そのためには、少しでも早く様々なことを考えて、何より自己探究が必要になる。


そんなことで、


「小論文はいつから始めたらいいですか?」


と、聞かれれば、それは、


「少しでも早い方が良い。ただ、闇雲に書いているのは意味がない」


と、答えることになろう。


既に、私が小論文を指導する高校2年生が、対面やオンラインでも増え始めているし、やはり早く始めるということは合格率を高めるのは歴然たる事実だ。


近年、総合型選抜や学校推薦型で大学を受験する生徒が増え続けている。

当然、小論文入試も確実に激戦化している。

その中で、自分の志望校にたどりつこうと思えば、英語や数学と同じで、少しでも早い取り組みが必要である事は必然であろう。

しかもその取り組みは、添削ではなく、対話中心であるべきであり、考え方や論理を学ぶことができるものであるべきだし、未来のAI社会で生きていくための糧となるべきのものだ。

単なる受験のためと言うのは、あまりにも残念である。


さらには、まだ受験校が決まっていないとか、受験したい学部学科が決まっていないと言った高校2年生も多いと思うが、小論文に取り組むということは、そうした自分の道を探すという意味でもある。

実際に私が小論文指導している中で、受験大学や、受験学部が変わっていった生徒はいくらでもいる。

だから、自分の人生を考える機会でもあるのだ。


私の指導を受ける受けないは関係なく、


「小論文はいつから始めたらいいですか?」


と、聞かれたら、このように答える。