覚えない日本史 その7 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

まずテストを受けて、さらに一般的な「直し」をしても点数は上がらない。



そんなことを書くと、


「そんなことはない、直しは大切」


と、先生方から反論されそうだが、どれだけ検証しても「直し」だけで点数はあがらない。

上がらないのである。


ためしてみるといい。

マークの問題でもよい。

例えばテストで50点だった生徒が、解説を見ながら「直し」をした。

そな2日後に,同じ問題のテストをしたら100点になるか?

絶対にならない。

よくて70点程度。

わずか2日後の同じマークの問題である。


つまり、「直しをしておけ」とは、少なくとも日本史に関しては残念なほど無責任な指導だ。

もちろん、模試の前に過去問と解説を配布して、


「やっておけ」


を実際にやっても、無意味だ。

断言できる。


「覚えない日本史」の最後のハードルはこれだった。

このハードルを超えるには、どうしても「日程」と「手順」を確立する必要があり、それが極めて困難だった。


つまり、


「テスト①」

  ↓

「直し」

(情報収集)

  ↓

「テスト②」

(同じ問題)

  ↓

「テスト③」

      ↓

「テスト④」


この「日程」をスケジューリングする。

さらに「手順」。

同じテストでも、いつも全問やる。

世の中の常識は間違えた問題だけやり直すが、スポーツならそれはあり得ない。

上手くできたプレーをなん度もやるではないか!

正解した問題もやり直すのである。

そのほかにも、テストの仕方の細かいルールを作った。


すると、恐るべき偏差値の上昇が起こった。

同じ40人で、数学や英語の全員の偏差値平均を出す。

その数字と同じ模試の日本史の偏差値の平均を比較すると、このトレーニングをした場合、常に10から15ポイントは上になるのである。

しかも「情報収集」と「テスト」のトレーニングをするだけで、「暗記」をしていない。


ついに仮説が実現した。

これは最後の勤務校の教えていたクラスの場合、全ての模試でクラスの偏差値平均は愛知県1位だったことで、確信に変わった。

こうなれば、

「覚えるしかない」

「教科書を読め」

「漫画を読めば?」

「流れを掴め」

こういう言葉が、いかにいい加減で根拠なく、失礼だが、情けないほどの素人発言かわかる。


そうなるとあとは「授業」と「教材」である。