10年経って誕生日を迎えて | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

10年前、49歳の誕生日、つまり10年前の2月14日は26年間、勤めた学校を退職することが決まり、あと1ヵ月半の勤務を残すのみとなっていた。

その頃の記憶はほとんどないが、教員として失敗をして、26年間、何の意味もなかった時間が終わるような感じがしていた。


それから、10年後の今日、59歳の誕生日になった。

あの頃より体重は何十キロも減り、大分白髪も増えてしまった。

なんだか妙な病気も増えた。


それでも、やりたいことがたくさんできて、今日も小学生から高校生まで若い人たちとたくさんかかわりあっている。

相変わらず人間としては酷いもんだけど、少なくとも鬱にならずに生きてる。


この10年間は楽しいこともたくさんあった。

思いもがけずにいろんな人に出会えたし、自分のやるべき使命にも気づかせてもらえたし、何より、自分らしく生きることができることができるようになった。


2月14日は私の誕生日だ。

小さい頃から、誕生日プレゼントはチョコレートばっかりだったから、子供の頃は実はチョコレートが好きではなかった。

女子校に就職したら、最初の年の2月14日にチョコレートを200個以上、生徒たちからもらった。

女子校とは不思議なところで、若い男性であれば誰でもモテる。

だから勘違いしてはならない。


それから36年経って、今年はチョコレートを1つだけいただいた。

面白いもので、200個のチョコレートよりも、この1個のチョコレートの方が意外にも嬉しい。

この10年の間、チョコレートをいただけることが全くなかったけど、時々チョコレートをもらえるとやっぱり嬉しい。

こんな素敵なチョコレートをいただいた時は、それはそれは嬉しいものだった。

小さい頃は、あんなにチョコレートが嫌いだったのに不思議なものである。

だから写真も食べかけだ。


今は10年前とすっかり景色が違う。

10年前は下を向いて歩いてたけど、今はよく空を見上げる。

10年前は肩を落として歩いてたけど、今は胸を張って歩いてる。

10年前は「希望が無い」世界を生きていたけど、今は「希望が有る」世界を生きている。


人間の本質はあんまり変わってないけど、いろんな景色をいろんな気持ちで眺めるようになった。

この10年間は本当に楽しかった。


これから50代最後の1年が始まる。

毎日少しずつ筋トレをして、毎日少しずつストレッチをして、少しでもいろんな勉強して「足りない」気持ちを忘れず、またよくがんばったねと褒めてもらえるようにちょっとずつ頑張っていこうと思う。


そして若い人たちが少しでも未来に希望を持てるように、未来の世界でクリティカルに生きていくことができるように、戦争や差別や貧困といった不条理が世界からなくなるように、そんなことに少しでもお役に立てるように、そんな1年を過ごしていこうと思う。


このブログは、前の学校にいた時に、辛かった時にこっそり始めたものだ。

もう15年目だ。

たくさんたくさん愚痴を書いてストレスの解消をしていた時期もある。

今だって、自分の辛いことを素直に書くこともあるけど、自分の伝えたいことを一生懸命書いている。

去年は1日も休まずにブログを書いた。


だからきっと、あの空の下でブログを読んでくれている人がいて、後から肩を叩いて人を驚かせながら、


「先生」


なんて言って、きっと気にかけてくれる。


そんな人たちのために、ブログを書いて、何かを教えて、そんなふうに自分らしく生きていこうと思う。


今年もよろしくお願いします。