今年の指定校推薦やAO・公募制推薦入試(追記あり) | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

この記事は6月に書いたが、その後もコロナは終息の気配はなく、案の定、この時期に慌てて総合型、つまりAO入試への駆け込みが増えている。

そういった人に共通しているのは、まず志望理由書がまったくのテンプレートになっている。

むろん、指導は受けているとは思うが、まず例外なく残念なものだ。

また、小論文も思考なき暗記型になっており、こちらも厳しい人が圧倒的だ。

そういったことも踏まえて、この記事を読んで欲しい。


今年は、指定校推薦の選考は、例年とは大きく事情が異なる。

通常ならこの時期から大学らから高校に指定校推薦の通知がはじまるが、今年はなかなか難しい。

 

今年の評定平均の算出だが、高校3年生の1学期分がおそらく定期考査が1回しかなく、参考とする模試もまともになく、さらには3年生の部活の実績もない。いうまでもなく、3年生になり、評定平均が[「0.3」も上昇することは奇跡であり、上昇の期待幅は最大でも「0.2」と考えておいたほうがいいであろう。

さらには、今年の状況は、どの受験生も学力に不安を抱えているため、AO・推薦志向、さらには指定校推薦志向は当然のごとく強くなる。

つまり例年以上に「安全・安心」、さらに経済的な状況が大きく加算され「地元」志向を強くなる。

つまりは、近隣の大学の指定校推薦競争が激化する傾向が予想される。

 

ついでながら、経済的状況は、国公立大学への一層の競争激化の背景となる。

そうした場合は、現役生の学力不足を背景に、浪人生のアドバンテージが大きくなることも忘れてはならない。

また、資格についても英検の日程に変更などの、例年通りに日程が消化されていない。これも考慮にいれたほうがいいであろう。

 

結論として、今年は、例年以上に指定校推薦を得るためのハードルが高いが、言い換えれば、一般入試のレベルが例年ほど高くならないことも考えられる。

そうなれば、指定校推薦への期待をあまり大きく持たず一般入試への対策を確実にこなしていくことも今年は大切だ。

 

さらに公募制推薦・AO入試の対策(小論文などなど)も、いまでもすでに遅いが、それでもなお、少しでも早く始めるべきだ。

むろん、高校2年生だっていまから始めるべきだし、高校1年生を始めるべきだ。

いうまでもなく文章力の練習などではない。

 

この3か月近いお休み期間、小論文対策もほとんどの高校生がしていない。

これは、文通的な小論文の添削指導という誤魔化し程度でどうにかなるものでなく、テンプレートの志望理由書では、一次も通過できない。

 

逆に言えば、すぐに準備を始め、志望理由書で大きく差をつけ、思考的な小論文を書けるようになれば、チャンスは大きい。

 

それぞれの受験生が、今年の状況を踏まえ、各自に第1志望に合格できることを祈っている。