学校の休校が終わろうとしている。
思い起こせば、休校が決まった時はまだ冬で、冬服はもちろん、毎日、マフラーの日々だった。
しかし、学校が再開されれば、もう夏服!
服装の変化でも、この3か月の長さの重みを感じる。
今年の大学入試は、誰も経験したことのないものとなる。
すでに「夏休み」は事実上、この3か月でおわり、学習の遅れ、受験生間の格差は、過去の受験生が経験したことがないほどの状態になっている。
多くの受験生や保護者、先生は、まっさきに英語や数学を心配するが、日本史はそれ以上に深刻な状況にある。
英語・数学は多少なりとも塾に通たったり、自分で取り組んだかもしれない。
何より、2年生の終わりの段階で、英語・数学はその範囲を終えているケースが多いが、日本史は全範囲など終わっているはずがない。
さらには、なぜか、
「日本史は後から何とでもなる」
という不思議な冗談が存在し、最後に日本史は頑張れば高得点になると思っている、もしくは「無くなってしまった夏休み」にやればいいと思われている。
今年に限って言えば、恐ろしいほどの能天気だ。
むろん、それは現実ではない。
日本史の最後の授業は2月末、そこからまったく授業もなく、進度の消化もされていない。
当然、学校再開後は、日本史の授業は「超高速」となり、文化などは「飛ばす」可能性も高い。範囲が終わらない、終わっても直前、そんな予想も容易い。
むろん、もともと寝てしまうような授業が多いのも、残念ながら日本史の特色でもある。
つまり、これからも、日本史に関してはマイナス要因が目白押しだ。
むろん、文化は入試上、重要であり、しかも本来は点数がとりやすい。
こうしたマイナスだらけの状況が、日本史、さらには世界史に起こっている。
休校中のプリント配布、スタートしたばかりのオンラインで類で補えるなら、そもそも毎年、そうすればよい。
これは脅しではなく、現実だ。
「とにかく覚えるしかない」
こんな言葉は、アドバイスでも指導でもなく、無責任な言葉だ。
プロの学習指導者が、言っていい言葉ではない。
よくいって素人だ。
受験生の皆さん
英語、数学はもちろんだが、それらの何倍も、
「受験日本史の危機」
を真剣に考えて欲しい。
正直、普通に学校に戻って、例年通りに取り返すことはなく、そもそもこの3か月間、受験生の皆さんは、
「日本史に必死に取り組みましたか?」
この質問に、Yesと答えることができない人は、今年の受験で大きな危機を迎える。
そんな休校期間が、終わろうとしている。