日本の女性 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

5年まえに、政府は、

 

2020年までに、指導的地位の人の30%を女性にする

 

という目標を掲げました。
しかし現実は、そのようなことは夢物語にしか思われないほど、情けないものです。

 

入試のプレゼンで、女性の社会的地位をテーマにする高校生は少なくありません。

しかし、調べれば調べるほど、女性生徒の未来への希望を奪っていくのが現実なんです。

 

世界経済フォーラム「The Global Gender Gap report2013」によれば、男女の格差解消の国際順位(136か国中)は、政治での関与は118位、経済活動への参加と機会は104位、教育は91位です。
総合でも105位の下位に低迷している状況です。

 

教育の世界、つまり学校と言う職場は、給与面においては男女格差が従来より明らかに少ない分野でしたが、それでも管理職登用などの面で、諸外国の男女格差解消に大きく劣っていることがわかります。

 

私は、かねがね、日本の最大かつ最高の資源は女性だと思っています。
これほど平均的に女性が優秀な国は少ないと思うと同時に、その女性を有効に活用することにおいて、これほど遅れた国はなく、それを有効に活用することが、どれほど有益であるか計り知れません。

 

福井県は女性の就業率で全国2位(1位は石川県)、共働きの女性の就業率では全国1位です。
指導的役割とは別個のことかもしれませんが、東京よりも高いのです。

 

もうひつあります。
日本の男性の、育児と家事の時間の長さの短さです。
ともに、アメリカやフランスの男性の関わりの半分にも満たず、男性社会のように感じる韓国の男性にもまったく及びません。

 

共働きの大前提は、家事や育児を男女が共に担うことです。
女性が断続的に働き続けなければ経験値が蓄積されず、管理職など責任的地位に就く機会が狭まります。
女性が断続的に仕事を続けるためには、その根底としてこの分担が不可欠です。

 

そういう意味で、私の調べが足りませんが、福井県の男性の育児や家事の時間を知りたいものです。

 

身体的に男女間の格差があることは前提ですが、ほとんどの仕事においてその性的な特徴が雇用や登用の障害になるとは思えません。

 

いまだ、女性の政治家の存在を、票集めの道具として考えない男性政治家の存在こそが、この国の女性の未来へのもっとも大きな障害のように思います。

 

高校の女子生徒にすら、未来への希望を持たせない政治を行う日本の政治家・・・チャンスが同じなんて嘘をいつまで続けるつもりなのでしょうか?

戦闘機を100機も買うお金があるのなら、若い人が未来に希望を持てる国作りをしてほしいものです。