先日、サッカーの日本代表監督ハリルホジッチ監督が解任された
。W杯直前での解任はさぞかし無念だと思う。
この解任劇の背景に、「異文化コミュニケーション」の齟齬がもしかしたがあるのではないかと、私は感じている。
かつて日本代表監督だったトルシエ監督の通訳を、2年間にわたってつとめたダバディ氏が、興味深いことを言っている。
言語の習得も大切だが、それ以上に重要なことは、ボスニアやアフリカでは、大事な話をする前に、お茶をしたり四季の話をしたり、ジョークも飛ばすものなのだ。
「そんな必要はない!」と言われるかもしれないが、これこそ日本人が苦手な外交、異文化コミュニケーションだと私は思う。
もしかすると、あと数年もするとAIが劇的に進化し、ドラえもんの「ほんやくこんにゃく」が実用化され、言葉の壁を乗り越える日が来るかもしれない。
しかし、「異文化コミュニケーション」の壁は、AIでは乗り越えることはできない。
ましてや教養を背景をしたジョークなどは、これはまだまだ人間のみが占有できる領域だ。
昨今、日本の文化や歴史、さらには芸能やスポーツまでもが、以前に比べて世界で注目を集まるようになった。
インバウンドも数年前に比較しても飛躍的に増加し、外国から見ての日本文化への理解が進んでいる。
まさに「異文化コミュケーション」であろう。
その一方で、日本人による日本文化への理解は、学校教育の段階からも含め、「国際化」を大義名分とした世界史の必修化、さらには大人になってからの興味関心の希薄化に伴い、一部の人を除き、、戦後は一貫して低下しているのではないだろうか。
「異文化コミュニケーション」には、様々な要素が求められる。
それは外国語、他国への文化への理解はもちろんのこと、自国文化を教養として持たなければ、どうしてよりよき「異文化コミュニケーション」が図れるのだろうか???
そのような未来を見据え、子供たちへの「知育型歴史講座」や保護者対象の「やり直しの日本史」を始める。
そこに「思考」が加わればいうことなしだ。
むろん、こうした講座の内容に、合う合わないを感じるのは人それぞれであるが、日本人が苦手な外交、異文化コミュニケーションの克服とは、単に英語を幼少から学び、世界の文化を学ぶことだと考えるのは、あまりに短絡的ではないだろうか。
多民族国家のユーゴスラビアに育ち、その祖国の悲劇を知りつつ、その祖国に多大なる誇りを持ち、同時に素晴らしきコスモポリタンであり、世界屈指のサッカー指導者であるハリルホジッチさんであれば、きっと理解してくれるような気がする。
そんな視野で日本のサッカーを考えると、なんとなく今回の解任劇は、もしかすると、日本のサッカーが、思想的に単一民族主義に逆戻りするのではないかと心配になる。
4月からの長坂塾の開講講座
下記以外の日時をご希望の場合は、まずはご相談ください。
4月22日(日)「やり直しの日本史」(第1回)
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