学力を伸ばすには「思想」が必要 | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

学力を伸ばす・・・

 

今の時代、私立はもちろんのこと公立学校でも、学力を伸ばすこと重要度は、10年前の比ではありません。

今日は、そんな命題に取り組む神戸市のとある私立高校の若い社会科の先生たち対象に、「日本史の指導法」講座を行ってきました。

遠く、神戸市から指導のご依頼をいただき、ならばと、雨の中、車を走らせること3時間、部活動の元気な声が響く学校に到着しました。

講座は、3時間半の長丁場となりましたが、本当にあっという間に時間が過ぎ、先生方の熱心さに圧倒される想いでした。

 

よく誤解されることがあります。

それは、こうした講座の内容がテクニカルなものばかりだと思われることです。

それは大きな勘違いです。

 

残念ながらテクニカルな指導法は枝葉に過ぎず、学力を伸ばすことにもっとも必要なことは、「伸ばす思想」なんです。

これを理解せずに、いたずらにテクニカルな部分ばかりを求めても、

 

「なぜ、このような勉強法をするのか?」

「なぜこのような問題演習をするのか?」

 

といった生徒の問に、納得させる解答をすることができません。

それでは、生徒にとって取り組みへの意欲が上がらず、結局は結果が出なくなってしまいます。

 

ですから、まずは最初にお話をするのは全教科に共通する「伸ばす思想」についてなのです。

その上ではじめてテクニカルな部分の意義を理解でき、その先の伸ばせる指導へと繋がります。

 

学力を伸ばしている、正確には他校に比較し、劇的にかつ相対的に学力を伸ばしている学校は、現実には日本中にほとんどありません(絶対的にはほとんどの学校が学力を伸ばしています)。

 

それは、根柢の思想を変えることなく、テクニカルな手法ばかりに捕らわれているからです。

かくいう私もかつてはその中の一人であり、取り組みへの思想を根本的に変えたとき、過去の従来的な指導法の大きな欠点に気が付くことができました。

そこを変えない限り、結局は単に「量」に頼る指導にならざるを得ないのです。

 

教員は、みな自分の教科に対する「感覚」を持っています。

実はこれが大きな妨げであり、合理性の敵となります。

この「感覚」を排除することが、今日の講座の最大の目的と言っても過言ではなく、そのためにも「伸ばす思想」が必要なのです。

 

日本史は、間違いなく劇的に伸ばせます。

いまの学校全体の偏差値の平均が50であれば、確実に65程度には1年で伸ばせます。

もし、日本史をそんな風に伸ばし、生徒の未来への選択肢を広げたければ、なによりまずは「伸ばす思想」を学ぶことです。

 

そんなのわかっている、と言う声が聞こえてきそうですが、本当にわかっているのであれば、日本史はすでに校内で他の教科を圧倒しているはずです。

 

誰のため、何のために教員をしているのか、そう考えたときに、現状の「伸ばせない思想」ではなく、まったく異なる「伸ばす思想」を求めて欲しいと願っっています。

少なくとも、今日、ご参加していただいた先生方は、きっと伸ばせる教員になっていくと思います。

終了後には参加していただいた先生と自撮りをして、終了となりました。

帰りには吹田SAで大阪王将に、こんなおいしいセットを頂き、有意義な一日を終えることができました。

改めて、神戸市の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。

 

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