【再掲】最終話 サービスに迷わない方程式 | 旅館・リゾートホテル応援団 伊豆・箱根・熱海 他全国の温泉地、里山活性化を考えます

【再掲】最終話 サービスに迷わない方程式

初回「サービスに迷わない方程式」 では

【必ず繁盛する宿経営の基本戦略とは】

日々の接客で、お泊まりいただいたお客様の要望以上の感動を与え続ける。これが、本業であり、宿のあるべき営業戦略でなければならない。

この考えを経営戦略の軸に据え置き、ここに全ての経営資源を集約すればおのずと繁盛すると考えています
と生意気にのたまい

「        =当館のお客様の満足に繋がるのか?」

「この要望に対する線引きはどこに引けばいいのか?」

方程式?と詐欺の様な言葉を残しました。


一昨日続 サービスに迷わない方程式 では

「        =当館のお客様の満足に繋がるのか?」

「当館のお客様の満足」には、その判断基準となるべき、明確な「宿のコンセプト、経営方針」を当て嵌めます。

常日頃スタッフに言い続けているはずの、接客に対する考え方も。

「当館のお客様の満足」=宿の進むべきゴール!

と使い方を掘り下げてみました。


そして昨日続々 サービスに迷わない方程式 では

「この要望に対する線引きはどこに引けばいいのか?」

①の方程式「当館のお客様満足」

          ⇅

「宿の進むべきゴール」であり
          

②の方程式<>「サービスの線引き」基準でもあるのです。

と結びつけました。



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最初話になる本日は

「この要望に対する線引きはどこに引けばいいのか?」

現場での使い方を考えてみます。


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昨日のまとめで

日々様々な判断が求められるサービス現場。

その際全スタッフが判断基準として

「宿の進むべきゴール」を

明確に理解していれば

おのずとサービスに統一感が生まれます。

お宿の方向性・存在価値もお客様に伝わり易くなります。

と書かせていただきました。


ところが、実際にはこの線引きが

「経営者の線引き」

「マネージメント側の線引き」

「サービスマンの線引き」

という3種類存在するお宿さんが多く見受けられます。


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あるお宿にて・・・

「ちょっと・・!自販機の煙草が売り切れてるんだけど・・・」

フロントのA子さんに、ご宿泊のお客様から指摘がありました。

A子「申し訳ございません、お求めの銘柄を教えていただいてもよろしいですか?」

お客様「セブンスターだけど・・」

A子「少々お待ちいただいて宜しいでしょうか?」

A子の線引き(やっぱり品切れは宿の責任だし、買って来た方がいいよね!)と考えました。


ちょうどそこに支配人が通りかかり

支配人「どうしたの?」

A子さんは事のあらましを話しました。

支配人の線引き(煙草か~、今A子しかフロントがいないし、自分も用事がある。手がすいているスタッフがいれば買いに行けるが、当分無理か~。煙草は嗜好品だからいいか)

支配人「そうか・・・でも、今は人もいないし、良くお詫びして違う銘柄で我慢していただきなさい!」

A子「えっ・・・?」

支配人の指示ですし、本来は従うしかありません。


A子の線引き(でもやっぱり納得がいかない。宿のミスでお客様に迷惑をかける訳にはいかない。お待ちいただけるなら買ってこよう!!)

A子「お客様申し訳ございません。すぐには手配つきかねますが、後ほどお部屋にお届けでもよろしければご用意させていただきますが・・」

お客様「そう、ありがとう。では●●号室だから、宜しく!」


客様が納得して帰った後、A子は当然支配人に怒られます。

A子が怒られていると、ちょうどそこに経営者である女将さんが通りかかりました。


女将「どうしたの?」

支配人「かくかくしかじか・・。」

女将の線引き(A子ちゃんの言う通りだけど・・・・。支配人の立場もあるし。指示系統は守らせないと・・・。)

女将「あら~A子ちゃん、支配人の言うこと聞かなきゃだめじゃない。でも、支配人ももう少しお客様の身になって考えてあげてくださいね。じゃあ、私が買ってくるわ、A子ちゃん。お客様は何号室?」

A子「ありがとうございます」

支配人「ありがとうございます}

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なんとなく、丸く収まりましたね。

賢明な読者の皆さんはどう感じますか?


勿論上司の指示を守らなかったA子に問題は残りますが、3者三様とりあえずは線引き基準として何かを考えています。

A子は「ホテルの過失とお客様満足」を

支配人は「オペレーションとホテルの過失とお客様満足」を

女将は「ホテルの過失とお客様満足、スタッフ管理と支配人の立場」


立場が違いますので、それぞれの線引き基準が異なっています。

普通は止むを得ないと考えるかもしれません。

でもここで、支配人がA子に対し「何故自分がその答えを選んだのか?」と、自分の線引き基準を伝えておくと、答えの正誤にかかわらず、次回のA子は「オペレーション」を線引き基準に追加できるかもしれません。

 日々こうして「線引き基準」を擦り合わせてゆくと、昨日のまとめでお話した

おのずとサービスに統一感が生まれます。

お宿の方向性・存在価値もお客様に伝わり易くなります。

ようなお宿に、日々成長してゆくものと考えます。


 今日の例題には、もうひとつ課題が含まれております。

それは・・・

A子の立場で考えるとよく分かります。


 A子は今日の一件で、次回からは「オペレーション」を追加して線引きを考えるようになります。

イコール支配人と同じ線引き基準を持ちます。

その時に、女将が今日と同じ線引き基準でなかったら・・・・

どうなるでしょう?


女将「この前は私が買いに行けたからいいけど、今日はちょっと無理ね。悪いけど支配人によくお詫びしてもらってね!」

A子「????」


こうなるとA子には女将さんに対する不信感しか残りません。

真面目に取り組んでいる子ほどその傾向は強くなります。


忙しい時に、ややもすると経営者の方は、そんなに深く考えずに判断を下すことがあります。

これは管理職にも言えます。

実際私も苦い経験が多々あります。


全スタッフが判断基準として

「宿の進むべきゴール」

明確に理解する


そうならないためにも、何事にもこの2つの方程式を使いわけ

明確な「宿の進むべきゴール」

磨き上げる必要があると考えています。



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