こんにちは烏丸です
事件です
我が家の沈みゆく資本を救うため結成された未来推進会議の3ヶ月という長い歴史の中でも最大の事件が起きてしまったのです
未来推進会議のサポートメンバーとして活躍していたミナミヌマエビが次々と変死体で発見されたのです
1匹目の被害者
南沼海老太さん(推定年齢4ヶ月)
水槽の水替えの際ついでに水槽底に敷いてある砂利も取り出して洗ったところ発見されるが
発見当初頭も手足もなく透明なはずの身体が赤かった為海老太さんとは気づかず
2日後次の被害者が発見された際
状況証拠などから管理人である私により海老太さん本人と断定される
2匹目の被害者
南沼海老郎さん(推定年齢6ヶ月)
1匹目の被害者発見から2日後
水槽内右端に位置する木の洞窟入口付近にて赤く変色し倒れているところを偶然通りかかった私により発見される
そして悲劇は続く
3匹目の被害者
南沼海老未さん(推定年齢5ヶ月)
心配で見回りに来ていた私により
例の洞窟入口付近で変わり果てた姿で発見される
前の犠牲者2匹と同じく赤く変色していた
状況から考えてこの3件の事件は同一犯の犯行とみて
ABCD事件と名づけ捜査を開始しました
ちなみに今現在ウクライナに侵攻しているロシアに各国が発動している経済制裁
かつて我が国JAPANも東南アジア進出を目論み各国から食らった経済制裁
それがABCD包囲網
アメリカ(America) A
イギリス(Britain) B
中国(China) C
オランダ(Dutch) D
まあ我が国JAPANが東南アジアを侵略しようとしたのか守る為だったのかは定かではございませんが…
そして今回のABCD事件はそれとは全く関係なく
海 A
老 B
死 C
デス(DEATH) D
でABCD事件なのです
そしてこの事件の関係者は
私の妻
妻の子である 長女 次女
飼い猫
白めだか5匹
ミナミヌマエビ2匹
の計3人と8匹
まず妻と子供たち2人
水槽を眺める事はあっても私が頼まない限り餌をあげる事もなく何より動機がない
あまり興味もない
捜査対象から外すこととする
次にめだか5匹
同じ水槽で生活を共にしているが
毎日見廻りしている私から見ても人種は違えど特に揉めている様子もなく良好な関係を築いていたように思える
ロシアウクライナを参考に歴史的観点や他国との絡み等からみても
彼らがこの事件に関わっている可能性は極めて低いだろう
そうなるとやはり怪しいのは
こういった事件でありがちな
快楽殺人を楽しむ異常者の猫か
被害者を装った遺族である身内の犯行
ミナミヌマエビ2匹
のどちらかである線が濃厚だ
しかし猫だった場合あまりにも犯行現場が綺麗すぎるのである
言わば密室殺人
水槽の蓋も閉まっていたしまるで荒らされた痕跡がない
異常者であるヤツの犯行ならばこちらの捜査を嘲笑うかのようにありとあらよる物を引っ掻きまわし
たくさんの証拠を残しただろう
なんなら本人びしょ濡れのはずだ
外部からの犯行ではないだろう
するとやはり身内の犯行か
しかしはたして彼らがそんなことをするだろうか
きっと生まれはどこぞかのブリーダー宅
物心つく前に他国(ホームセンター)に売られ
小さい袋に5匹ずつ小分けにされた
沢山の人間につつかれ回され虐げられる毎日
それでもきっと希望はあるとみんなで語り明かした夜
そんなある日1人のおっさんに買われ
突然めだかの水槽に離される
時折現れるおっさんや猫のデカイ顔
この中で支え合って強く生きていこうと決めた朝
そう
5匹の絆はかなり深いはず
身内の犯行のはずがない
そんなわけがない
完全に捜査は行き詰まった
過去の事件簿や調書(ネットでブログ等)を開き洗いに洗った
すると分かったことがある
私は週1で水槽の砂利を洗っていたのだが
どうやら洗い過ぎるとバクテリアがいなくなって水質に敏感なエビは死ぬらしい
死ぬと自然に赤くなるらしい
犯人は私らしい
次の日家族で出かけたついでに運転する娘に
ホームセンターに寄ってくれと伝えると
なぜだと聞くので
エビが死んだから足すんだ
と答える
すると娘は小さい声でつぶやいた
自分の都合で減ったり増やしたりか
と
刺さりましたよ
心にザクッとね
これでは私はまるで陰謀論で言うところの人口削減しているあっち側の人間ではないか
やっぱりホームセンターはやめて帰りましたよ
彼らには本当申し訳ないことをした
私の管理不足で未来ある3匹の若者の命を奪ってしまった
今後はより勉強し
水質管理に努め
残された遺族やめだかの為
そして自分のため精進していくことを誓い
後日娘に内緒でミナミヌマエビ2匹を追加で買ってまいりましたとさ
おしまい