死は恐怖と恐怖のほとんどである。 この死という状況を克服するため,世界の宗教には多様な教理的な説明を通じて死後世界があることを強調している。 一般的に科学は客観性と検証可能性を追求するので,死後世界や神の世界を扱わないが,最近,死の問題に言及した新しい科学理論が登場し,話題を集めている。 その理論はBiocentrismである。

Biocentrismは米国の生命工学企業Advanced Cell Technology社の最高責任者であり、医学博士兼科学者であるRobert Lanzaが2007年に提案した理論だ。 彼は世界で最も尊敬される学者の一人で,量子物理学と多重宇宙論を根拠にこの理論を紹介した。 バイオセントリズムは,宇宙が生命を創造したのではなく,生命が宇宙を創造したという革命的な主張をしている。 このような新しい立場からみると,生命は単なる物理法則によって偶然に形成された副産物ではなく,単純に炭素とその他の要素の複合物の活動でもない。 物理学が宇宙の研究に根本であり,化学が生命の研究に根本であると考えられることに反対し,Biocentrismは万物を総合する理論を出すためには,生物学を他の科学の前に立てなければならないと主張する。

ロバート·ランザは量子力学で生物学の基礎を築こうとした. 2年後の2009年に彼は天文学者であるBobBermanと共同で『Biocentrism』というタイトルの本を出版した。 この本にはBiocentrismの7つの原理を提示している。 最初の原理は観察者に頼っていることだ. 我々の知覚は我々の意識を含んでいる. 簡単に言えば,我々が花を見る時,"花"という対象は,我々とは無関係に存在するのではなく,それを見守る我々の認識過程を通じて存在するという説明だ。 第二と第三は,外部の事物と私たちの遅刻は絡み合っているため,粒子の運動が観察者と不可分の関係につながっているという原理だ。 第四に,意識は確かに存在し,それなしには物質は未確認の状態にあるという原理だ。 第五に,宇宙そのものの構造と法則,力,そして宇宙の定数が生命のために最適な状態になっているという原理である。 宇宙定数とは、光の速度が秒速30万kmであり、万有引力の法則の重力定数Gが6.670×10⁻¹¹Nm²/kg²のように宇宙を構造的に決定する様々な重要な定数値をいう。 この数字が少しでも変われば命は存在することができない。 最後に六番目と七番目は空間と時間は客観的に物理的に存在することがなく、ただ生命体によってのみ知覚されるという原理だ。 この7つの原理を総合的にみると、万物・時間・空間などが絶対的におり、その中で儀式を持った生命が周辺的な存在として位置するのではなく、生命の存在したことにより万物・時間・空間などが存在するということだ。 すなわち,宇宙が発生する過程で生命が創造されたのではなく,生命が宇宙を創造したという主張だ。

Biocentrismは量子力学とともにmultiverse theoryを理論的基礎とする。 多重宇宙論とは,現在地球が属している韓国宇宙のほかに,別の宇宙が無数に存在するという理論だ。 多重宇宙論支持者が主張する多重宇宙の形態には,バブル形態の宇宙が数多くあり,互いにくっついてあるという理論と,いくつかの小さなバブルの宇宙がより大きなバブル宇宙に閉じこめられており,そのような大きなバブルの宇宙が数多く存在するという理論がある。

多重宇宙論は量子力学の原理を説明することにも用いられる。 最も有名な量子力学の原理は,どのような観測であれ正確な観測は不可能であり,代わりに可能な観測の範囲だけが確率で表われるということだ。 多重宇宙論によると,"可能性"ということが分かった観測結果は,それぞれ異なる宇宙に相応するという。 そして無限数の宇宙があり,発生しうるものは全て,ある宇宙で起こることができる。 この理論によると,死は実質的な側面で存在しなくなる。 様々な宇宙らの一つでどんなことが起こりでも関係なく、数多くの宇宙が同時に存在しているためとしている。 すなわち,一つの宇宙で生命が消滅する死が現れても,その生命が他の宇宙に存在できるということだ。 ランジャ博士は人が肉体的に死亡した場合に頭脳に残っている20ワットのエネルギーは"私が誰?"という感じを抱かせると説明した。 人が死亡した後も,このエネルギーは消えない。 'エネルギーは決して消えない。'は科学原理の立場でこの20ワットのエネルギーの行方を現実世界では説明できない。 すなわち消えたように見えるが,本当に消えたのではなく,他の宇宙へ流れ込んだと言える。

一般の現代人に,このような量子力学と多重理論を基礎にして生命を宇宙の中心にみたバイオセントリズムの説明は,容易に納得し難い内容だ。 意識と物質が相互作用するとか,空間と時間が実際に存在するわけではないということ,死は存在せず生命が宇宙を創造したという主張などは,従来の常識を覆す説明である。 まるで地球は当然平らだと信じる中世時代の人々が,実は地球が丸いという説明を聞くような場合だと言える。 このように現代の最新科学理論は,もはや私たちに思考の変換を要求し,"新しい観点から生と死の意味を理解し,世の中と自我を眺めなさい"と述べている。