昼下がり。
潮風が優しくなびき、木葉は頭を下げるように軽く揺れる。
海が一望できる広場の樹の上で、金髪の青年が静かに空を見ていた。
「気味が悪いな…」
iPadを片手に、眉間にしわを寄せる。
「映司にでも探らせるか…?」
「おいアンク!」
下から、もう一人の青年の声がする。アンクと呼ばれた青年は、下を見下ろすと、片眉を上げ、三つの缶を投げ渡した。
「居たのか映司」
「うわ、と、」
「丁度いい、お前あれの正体探ってこい。」
「あれって…」
映司と呼ばれた青年が空を見上げると、ぐねぐねとした奇怪な動きをするフィルターの様なものが、空の一部を覆っていた。
うわ、と驚き、アンクのいた樹の上を見ると、すでにアンクは樹から降り、映司のほうに歩み寄っていた。
右手には三色のメダルが握られている。
「グリード?」
「いや、違うな…」
「違うって、わかるのか?」
「ウヴアのヤミーはあんな真似はできない。カザリは人に寄生させるタイプのヤミー。当然不可能だ。メズールなら可能かもしれないが…、あいつ独特のじめじめした湿っぽい感じがしない。かといってガメルかと言えば、あいつのヤミーは気配が違うから解らないわけがない……」
アンクは再び眉間にしわを寄せる。
(あいつが…?いや、そんな筈は…)
「おいアンク、一人で考えてないで俺にも何か…――」
「! 映司離れろ!!」
突然、
茂みの中から人影が風の様にアンクの方に駆け寄ってきた。
「くっ…」
影はアンクを飛び越えた…かと思うと、瞬間、右手に握られていたメダルを掴み取った。
が、
アンクも意地がある。不意を突かれたからといって、易々とメダルを盗られるわけにはいかない。
生身の方の左手で、飛び去る影の右足を鷲掴んだ。
「お前何者だ!! 一体何処から出てきやがった!!」
「………!!」
足を掴まれた影は、何処からともなく銃を取り出し、
アンクの額に、銃口を定めた。
銃口から、青色の光弾が拡散的に発射される。
光弾は、アンクの髪や頬、腕や首など、様々な部分を霞め、地面に直撃。
アスファルトで舗装された地面を容易に砕いた。
これにはアンクもたまらず、左手が弛む。
「くそ!!」
「………フフ」
メダルを奪い盗った影は、映司と同じくらいの青年であった。
「『オーズ』……王's」
青年は三つのメダルを見つめると、満足げに微笑んだ。
「王達のメダルか、うん……」
「すごいお宝だね。」