「下垂体腺腫」と聞いて、どんな病気かわかりますか?
私は、全然知りませんでした。
というか、最初に「下垂体がちょっと大きいかもしれない」と言われたとき、
「……下垂体って何?」
という感じでした。
私は子どもの頃から頭痛持ちで、これまでにもMRIを撮る機会が何度かありました。
今から5年ほど前、かかりつけの頭痛外来に通っていたときのこと。
「一度MRIを撮ってみましょう」ということで検査を受けたところ、先生から、
「下垂体が、人よりちょっと大きいかもしれません」
と言われました。
当時は2人目の子どもを出産した後でした。
特に症状があるわけでもなく、下垂体についての知識もまったくなかった私は、「そうなんだ」くらいの感覚。
先生からは、今後は半年に1回、または1年に1回くらいMRIを撮って、経過を見ていきましょう。と…
最初の半年、1年くらいは、ちゃんとMRIを受けていました。
でも、その後の2〜3年ほど、私はMRIに行かなくなってしまいました。
理由は、単純にMRIが苦手だったから。
あの大きな音。
動いちゃいけないというプレッシャー。
「またあれに入るのか……」と思うと、なんとなく足が遠のいてしまいました。
そして久しぶりにMRIを撮ったとき、
「だいぶ大きくなっていますね」
と言われました。
それでも、その時点では特に自覚症状はなし。
先生からは、
「基本的に下垂体にできる腫瘍のほとんどは良性です。ただ、このまま大きくなれば、取らなければならなくなることもあります。症状がなければ今は経過観察で大丈夫です」
という説明。
私自身も、
「頭の中のことだし、症状が何もないのなら、無理に手術して取るより、このまま様子を見たほうがいいんじゃないかな」
と思っていました。
ところが、その後、少しずつ病院に対する不信感を持つ出来事がありました。
「1年ごとにMRIを撮りましょう」と言われていたのに、あるとき自分から、
「下垂体のほうはどうなっていますか?大丈夫ですか?」
と聞いたところ、
「あ、そうだったね。下垂体腫瘍があったね(苦笑)」
というような反応をされたのです。
「あれ?私の中では結構大事なことなんだけど……」
そう思ってしまいました。
それをきっかけに、2025年11月、別の脳神経外科クリニックを受診しました。
それまでに撮ったMRIのデータを持って、新しいクリニックへ。
そこで改めてMRIを撮り、過去の画像と比較してもらうと、やはり腫瘍は大きくなっていました。
ちょうどその頃、生理も止まっていた私。
そこで婦人科でホルモン検査を受け、眼科では視野検査も受けました。
女性ホルモンが少し少なくなっているということはあったものの、その時点では特に大きな問題はなく、視野にも異常はありませんでした。
「症状が出たら、またMRIを撮りましょう」
そんな感じで、また経過観察になりました。
その時点ではまだ、「手術」というものを現実的には考えていませんでした。
ところが、2026年7月頃。
今までとは明らかに違うことが起こりました。
なんだか、目の見え方がおかしい。
ピントが合わない。
まぶしく感じる。
さらに、物が二重に見える。
「これはちょっとおかしいんじゃない?」
そう感じ始めて1ヶ月ほど経った頃、まずはかかりつけの眼科へ行きました。
しかし、5月にも視野検査を受けていたため、すぐには視野検査ができないと言われました。
それでも、やっぱり見え方がおかしい。
目の両端の見えにくさも症状として感じ始めていました。
どうしても気になった私は、別の眼科を受診しました。
下垂体腺腫があることを説明し、視野検査を行うと…
そこで初めて、明らかな視野狭窄が起きていることが分かりました。
「早急に脳神経外科を受診してください」
そう勧められました。
2026年8月、前回受診した脳神経外科クリニックを再び訪れ、MRIを撮り直しました。
2025年11月のMRIでは約2.5cmだった腫瘍が、今回のMRIでは約3cmに。
さらに、腫瘍が視神経を圧迫しているように見えるとのことでした。
先生からは、
「視野検査の結果からも、視野が狭くなっているという症状があるため、手術の適応になります」
と説明されました。
そこで初めて、
「ああ、私、本当に手術することになるんだ」
と、現実味を持って感じるように…
大きな病院への紹介状を書いてもらうことになり、先生からはいくつか大きな病院の医師を紹介していただきました。
でも、私は小学生の子どもが2人います。
自分の治療だけを考えて、「どこが一番有名か」だけで決めることはできませんでした。
入院中、家族はどうする?
子どもたちはどうする?
夫の仕事は?
実母にも助けてもらわないといけない?
そう考えていくと、できるだけ家から通いやすく、家族の支援も受けやすい場所がいい。
私は、自分でもいろいろと調べました。
そして家族とも相談し、家から通える大学病院で、下垂体腫瘍の内視鏡手術を専門としている先生を見つけました。
「この先生に診てもらいたい」
そう思い、紹介状を書いてもらうことにしました。
数年前には、
「下垂体って何?」
だった私。
症状もなかったから、手術なんて考えたこともなかった。
それが今では、約3cmの腫瘍があり、視野にも症状が出て、手術を受けることになりました。
ここから先は、私にとっても未知の世界です。
せっかくなので、怖かったことも、迷ったことも、調べたことも、お金のことも、家族のことも。
きれいごとだけじゃなく、できるだけそのまま記録していこうと思います。
これは、私自身のための記録。
そしてもし、同じように「下垂体腺腫って言われたけど、これからどうなるの?」と不安になっている人がいたら。
「こんな人もいるんだ」と、少しでも参考になればと思っています。