私が統合失調症を発症してから今年で丁度十年目になる。
よく十年あっという間だったなどと聞くが私にとっては長い長い十年の闘病生活であった。
今は入院中に再発してしまったせいでまた陰性症状に逆戻りしてしまっている。
だが初めて陰性症状を経験したときのような焦りや不安や孤独感は特にない。
退屈が苦しくて辛いのだが、別に今のままでも生きていくことはできるという感じ。
初めて陰性症状になったときには感情鈍麻や意欲低下などあったはずのものがなくなってしまったことに不安と焦りと恐怖を覚えたが、今はまたなったか。という感じ。
病気に慣れてきた。健常者の頃の友人との縁も完全に切れた。一切連絡をとっていない。
そのことが早く働かないと置いていかれる、見捨てられる、などの焦りを生まなくなった。
一人でいることにも慣れた。さして孤独を感じなくなった。孤独を感じ始めたらデイケアや作業所などへ行けばいいだけということも大きいかもしれない。
十年の間に社会復帰して働いた期間は二か月だけ。その二か月で私は再発して入院にもなっている。
そのため働くと人間関係のストレスでまた再発するのではないかと怖い。
今回の二年近くの入院でも短期間に三回も再発している。よく正気を保てていると思う。
入院する前までは働かなくてはと思っていたわけだが三回も再発してしまったことでもうこの病気どうにもならないじゃんという諦めの気持ちを持っている。
努力して頑張って働いたところでまた再発したらあのおぞましい精神病棟に再入院である。
今一番大切なことはストレスをためない、回避することだと思っている。
結果、人を避けて一人で過ごすことを選んだ。私の場合人といるとどうしてもストレスがたまってくるのである。
今ある症状は対人恐怖と何も興味関心意欲のわかない陰性症状。
この陰性症状が辛いのなんの。退屈すぎて一日が無限のように長く感じ、それがいつ治ってくれるのか見当もつかないのだ。
闘病歴十年ともなるともう病気もうまく扱えるようになっているのではないかと思うかもしれないが全くそんなことはない。
再発して陽性症状が出た時点でもう制御不能の暴走機関車になってしまう。
だから、服薬を続けているわけだが服薬していても三度再発している。それも二年以下の短い期間でだ。
はっきり言ってもうどうしようもないのである。
薬の量も増えた。それでも、再発するときはする。
私は人前で健常者のように振る舞うことができるが実際のところはかなり精神が疲弊している。
それが積み重なると再発するのだと思う。
医師は薬が防波堤になってくれるなどと言っていたが何の役にも立たず私は三度再発した。
そこで薬の量が増えると廃人のように何も感じなくなった。
あるのは退屈という苦痛だけである。
発症してから十年が経ち、見えてきたのは希望ではなく諦めである。
これから先も、長い長い時間が待っている。嫌になるが死ぬその日が来るまで勤め上げなければいけない。