私にはトラウマがある。
トラウマといっても過去に受けた虐待や失敗体験などではなく、職場の同僚とその知人からリンチされかけたというものだ。
あれはひどい体験だった。
別の職場の同僚から私をリンチしようとしているという話を聞き、その当日に私は帰る場所を失い、野宿を強いられた。
結果的にリンチされることから逃げることはできたのだが、あのまま家に張り込んでいた連中に見つかっていたら撲殺され、屈辱を味合わされて埋められていたかもしれないと思うとおぞましくなる。
逃げている最中に、完全に治ったと思っていた統合失調症の陽性症状が出てきてしまい、見知らぬ人が私を監視していると考えたり、強面の人を見るとこの人が私を殺す実行犯だなどと考えるようになった。
その状態は入院して薬が効くまでの2週間程続くことになったのだが、その2週間はまさに地獄だった。
常に殺されるという恐怖との隣り合わせの状態が2週間も続いたのだ。
私は恐怖から、殺されるというリアルから逃げている間に言葉を失い、人のいない場所へとただひたすらに逃げ続け、道路に倒れこんだ。
リンチされていたぶられて殺されるか、自らスパッと死ぬかの二択まできていた。
それでも私は死ぬ選択肢をとれず、残酷な運命を呪っていた。
その後救急車とパトカーが来て、実家へと帰り入院することになったのだが、入院中もいつ殺されるか分からないという恐怖で睡眠もまともにとれなかった。
看護師に隔離へ入れてくれと懇願したが入れてもらえず、自らタオルで首を絞めて隔離へ移った。
リンチされかけたという現実と、その他無関係の人までグルであると結び付けてしまう妄想の世界で私は地獄を味わった。
この体験のせいで、私は未だに人が怖い。
私がリンチされかけた理由はただ「生意気だった」から。それだけである。
色んな種類の人間がいるが私はどういうことか野蛮な人間との縁が強い。
だから今いる実家のインターホンが鳴るだけで恐怖に囚われるのである。
毎回居留守を使っているのだが、こないだインターホンを3回も鳴らされたあげくドアをゴンゴンとノックされた。
敵意か悪意を感じた。
私にはやられる前にやれるだけの力はない。
暴力の前にはただ己を捨てて屈服するのみである。
だから、生きることが怖くなってきた。
いつか訪れるかもしれない暴力による殺しが来る前に、自ら一思いに死ぬべきではないかと考えている。
こう言葉にして書いてみると本当に殺されそうな気がしてくる。
殺される程のことはしてないはずなのだが、この世には「生意気」というだけでリンチしようと考える人間が存在しているのである。
私は怖くてたまらない。
だから自ら殺される前に死ななくては。という状態だ。
過去にあった一度の悪い経験が脳髄にまで染み込み、またいつ訪れるかと怯えてしまう。
これをトラウマとよんでいる。
このトラウマの件に関しては入院中に相談したのだが対処療法しかなかった。
実家に一人休んでいても、インターホンが鳴る度にこのトラウマが思い出させられるのである。
精神的に大分辛いものがある。
そして、次はいつ鳴るものかと身構え、心が休まらない。
だからもう死んだ方が楽だなと思っている。
常に心が緊張している。
安息の地へ行きたい。