愛の泉 [DVD]/ドロシー・マクガイア,クリフトン・ウェッブ,ロッサノ・ブラッツィ
¥995
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最近の私のお気に入りワードは

「女は表層、男は性能」

こんな映画を観ると、つくづくとそう思う。


時代としては、「ローマの休日」と同世代の映画。

女性はみな、エレガントなフレアたっぷりのスカートをはき

ウエストはきしゃで、子供のように細い。

リカちゃん人形のごとくアニメ的等身の持ち主で

コケティッシュなしぐさが本当にお人形のよう。


そして、年増のいき遅れも、新人秘書も、

最後には白馬に乗った王子様に求婚されて、ハッピーエンドで終わる。


これを観ると、「ローマの休日」にこめられたメッセージ性を

どうしても思わずにいられない。

女性性の中に封じ込められたお人形が

自覚を持って、一歩一歩自らの足で進むオードリーのお姫様を。

ウイリアム・ワイラーはエライ!



「愛の泉」の中で振り当てられる女たちの役柄が

薄っぺらなカワイコちゃんか、男を補佐するだけの自己犠牲ならば

見た目くらいゴージャスじゃないと、間がもたないんだろな。


現代の、女を捨てて、能力のままに出世する高性能な女も

実はやっぱり表層から逃れられない。

40になっても、50になっても、ダイエットとアンチエイジングは彼女たちを

とらえて離しはしない・・・。


ヘタレの私は、心の底からそういう女たちを尊敬する。

仕事をもち、出産子育ても経験し、

ファッションも手を抜かない、なんて・・・。

男にゃ、とうていできない所業よ・・・。



ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ コレクターズ・エディション [DVD]/アーロン・ジョンソン,アンヌ=マリー・ダフ,クリスティン・スコット・トーマス
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クリスティン・スコット・トーマスが

見事に憎たらしく、あのミミ伯母さんを演じているので

ミミ伯母さん存命中は、

さぞやさぞや、ジョンはこんな生活だったのだろうなと

堪能できる。


大人の事情で生みの母とは別離し、

厳格なミミ伯母さんと暮らすジョン・レノン。

しかし実の母ジュリアは再婚し幸せな家庭を持って

近隣に生活している。

自分を捨てた母が手の届く範囲にいるという残酷!

求めても求めても、自分だけ蚊帳の外。

クールに振舞うティーンエイジャーのジョンだけど

母への思慕が頭から離れない。



母喪失は、子供を深く傷つけるが

それがジョン・レノンの人格を形作る重要なファクターとなり

皮肉屋で複雑な天才を生み出した。


母から捨てられ、高圧的な伯母のもとで成長したのだから

世を恨むサイコパスになったかもしれないのに

ジョンはそれをR&Rへ昇華させた!




女性学との出会い (集英社新書)/水田 宗子
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フェミニズム蜂起以前のアメリカに・・・、

というよりは、戦後という言葉がまだ


残像を残していた日本から


特権階級のお嬢様が、フルブライト留学生として


イエール大へ行った。


もともとは純粋に、欧米文学の研究のために行かれたのだが


アメリカの大学で教鞭をとるようになってから


マイノリティである女がアカデミズムの只中で


不遇を受け入れざるをえない立場であることを思い知る。



へぇぇ~!


深窓の令嬢って、こんな風に差別を実感するものなんだなぁ。


やっぱ、入り口もアカデミックなんだわ~・・・。


自民党の保守、本流であり、城西大学の創立者でもある


水田三喜男議員を父に持つ水田宗子さんは


庶民とはかけ離れた感覚の持ち主だろうと思う。


女性がジェンダーを意識せざるをえないとき


たいていは理不尽な屈辱でココロおれる経験をするもの。


水田宗子さんは、アメリカの大学で教官になってから


日本文学への不理解や女性教員の不遇を見て


女に生まれた意味が


男に追随して、男の補完的仕事にありつく現実であると思い知る。


ああ、ホントにお嬢様。


そして、すさまじい嵐のようなアメリカのフェミニズムムーブメントも


目の当たりにして、お姫様は


日本のジェンダー研究の源流を生み出す存在へとなっていく。


めでたし、めでたし。


ある愛の詩 [DVD]/アリ・マックグロー,ライアン・オニール
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「ある愛の詩」で、アリ・マックグローは、


自分自身のキャリアのため、パリ留学を決意するのだけど


ライアン・オニールはそれを聞いてひどく動揺する。


アリを失いたくないライアン・オニールは


残酷な取引を言い出すのだ。


「結婚しよう!」


留学と結婚を天秤にかける、卑怯なヤツめ!


アリは身分違いの恋愛に、いつでも身を引く覚悟はできていたんだと思う。


でも、結婚が目の前にちらつくと


パリ行きをかなぐり捨てて、彼氏を選んでしまう。


そしてアリは安月給の教師になり


大学院に残る夫が、弁護士となる日まで支え続ける良妻となる。


これは、


アメリカで水田宗子さんが見た現実であり


当時のアメリカがジェンダーへと導かれる示唆的シーンでもある。


映画の中では、


(ヒラリーとビルのカップルみたいに)

アリ・マックグローの方が聡明じゃね?と思えるくらいに、


女の勉学断念は惜しまれる。


女は男を支えるだけの性?


70年台、アメリカでもまだこの程度だった性差の矛盾を


水田宗子さんが問題意識と共に


アメリカから持ち帰ったわけだ。