ちいが2度目の急性脳症にかかったときのことについて、少し過去に遡って書いています。
入院5日目の朝、電話があり、ちいは一般病棟に移ることになりました。
一般病棟の病室で待っているとちいが運ばれてきましたが、目を開けたものの焦点が合っていないし、手足もあまり動かさないのでとても心配でした。
声をかけていたら少し目線をよこした気がしましたが、やはりボーッとしています。
目線は右に偏っていました。
右足はくすぐるとぴくっとするけれど、左足はしないようでした。
熱は37度台になっていましたが、時々咳をしています。
口の中のたんを吸引しようとすると、唇、歯、舌でガードするので、その意思はあるのかと思いました。
不思議と右の口角だけ上げる時がありました。
欠伸をしたり、稀に「う、う」といった声を出したりしていました。
何度も嘔吐しますが、ほとんど胃液です。
しかも、胃が出血しているようでだんだん嘔吐物が茶色くなってきました。
最初は薬の鎮静作用でこの状態なのかとも思いましたが、あまりに普通ではない様子が心配で、医師に伝えたところ、夕方、再度MRIを撮ることになりました。
痙攣はおそらく薬で抑えられて出ていないけれど、意識障害が強いので、前と同じような脳症になっているかもしれないとのことでした。
結局ICUに戻ることになり、夫も呼ばれて家族控え室で長い時間待たされました。
19時半頃ようやく呼ばれ、今日の脳のMRIの結果を見せてもらって愕然としました。
右脳全体が白く炎症を起こし、かなり腫れていて、前回よりひどい状況でした。
目の偏りや口角のぴくつきは発作なのかもしれない、とのことでした。
ちいは再び気管挿管と経鼻胃挿管をされて、さらに中心静脈カテーテルを入れられていました。
「脳の腫れがこれ以上広がり、脳幹にも行くと生命維持の方にも影響がある」と言われ、命の危機を感じ、もし生き延びたとしても、今後一生なんらかの生命維持装置が必要になるのかも…とショックを受けました。
控え室で夫と泣きました。
6日目。
全く食欲もやる気も起きませんでした。
何か頑張ったらちいが良くなるのならいいのに…と思いました。
11時の面会のとき、医師から説明を受け、3日後にMRI、脳波検査を予定しているとのことでした。
体は左右とも動く様子はあり、自発呼吸も、やや弱いけれどあるようでした。
脳の腫れのピークは昨日今日くらいと予想され、ICUを1週間以内に出られるのが目標、とのことでした。
午後の面会のとき、熱は38度台でしたが、少し胃に栄養を入れ始めたとのことでした。
胃腸は動いているようでした。
ICUは子供の面会ができないので、たまはちいに会えなくてかわいそうでした。
私は今のうちに、ちいのチャイルドシートのカバーを洗ったりしていました。
何をしていても、元気なちいのことが思い出されました。
私の足の上を滑り台にするのが好きで何度もやりたがり騒いでいたこととか、私が料理中にばかり「だっこ!だっこ!」とやってきたこととか、未だに夜寝るときは「まんま」と母乳を飲んでいたこととか、「おかーしゃんとねんね」と言って私のお腹の上で寝たがったこととか、寝るときに時々、私やたまを「とんとん」(叩くのが強すぎて痛い)してくれたこととか、お医者さんごっこのおもちゃで大人を診察して遊んでたこととか、牛乳をおかわりするとき「にゅーにゅーくだしゃい!」って言っていたこととか、粘土遊びが大好きだったこととか、折り紙はまだ折れなくて「くるくる」と丸めていたこととか、お風呂のおもちゃをたまと取り合いながら遊んでいたこととか。
もっとビデオに撮っておけばよかったと思いました。
また見られるのかな。
ちいの「おかーしゃん」をまた聞きたいよ。
続く