K 様の愛犬、ムギくん。
今年、3歳になったブラックの美しい A コッカースパニエルで、足袋と言われる靴下を
はいたような足元がオシャレなワンパクボーイです。
約一歳の頃より来ていただいており、当初は足回りやアンダーなどもほぼフルコート
での状態で来店され私らも驚きましたが、お手入れの大変さや活動的なムギくんの
運動量を考慮してか徐々に現在の状態に・・、まだまだ短くすることは出来ますが、
コッカーらしさも残しつつ今回も K様から夏用のリクエストがあり、身体周りはもう一段
短くする予定です。
*2020年12月撮影のムギくん
コッカーの毛は濡れると絡みやすく、美容の期間が開くとさらにもつれ取りが大変となり
本人を苦しめることに、私らも本人に負担をかけないように努力しますがノーストレスは
不可能となりムギくんにも我慢の時間となります。
コッカーの毛は水を含むと乾くのに時間がかかるためドライヤー(含む)までの時間が
ほぼ全てなのかもしれません。
脇のもつれやすいところなども先に短くカットしておき負担軽減です。
足裏も毛量が多いため先にある程度刈っておき、しっかりと洗いますよ。
シャンプー前ですが、これだけの毛を先刈りです。
爪切りですが、お散歩ですでにすり減っており、狼爪と形だけの爪切りとなります。
お耳もキレイですが大きな耳のために通気性が悪く、そのためにあの独特なスタイル
生まれてのであって、これからもしっかりチエックしておきますね。
これからシャンプーとなりますが、最近ではもつれなどを取らずにシャンプーするお店も
多くなりましたが、そうだとしてもシャンプーの時間が長くなり本人の負担増となり、
当店は現在でも先取りのスタイルです。*自分の愛犬ならと
ムギくんでは、下洗い、中洗い、本洗いとそれでも三回のステップがあり、ムギくんも
頑張ってくれています。
中には浸けているお湯がカフェオレ色になる愛犬もいますが、ムギくんは通常の汚れ程度で
さすが、お姉ちゃんたち女子の中で過ごす愛犬ですね。
本洗いでは、お顔もしっかり洗いますよ、人間なら5~10人分のシャンプー量となりますが、
ケチらずこれこそが全ての工程の生命線となります。
毛量の多いムギくん、トリートメントと㊙の工程となりますが、これがトリートメントの
ききを強くし、大都市圏なら別料金五桁となりますよ。
水気をしっかりと取り、ドライヤーとなりますが猫毛で乾きにくいコッカーでは、以前には
軽く一時間以上かかることもありましたが、前作業のせいで30分程度となりました。
仕上げのエッセンスをかけながらドライヤです。
ここからはバンバン刈っていきますが、ほとんどがバリカンでの工程となり、あの毛量と
毛質です。今までに幾つのバリカンの刃をダメにしたかわかりません。
お腹周りのカットですが、ブラックだと大変見えずらく傷つけないようライトで照らしながら
の二人体制となります。
*怪我やトラブルが全く無いのは、こういうところにコストをかけるためと信じています
足回りとアンダーのカットのみハサミで仕上げますが、ここからは早いですよ、HIRO先生が
カット、もともとはコッカーが得意な私が全てを担当していました。HIRO先生も学び
成長させていただいており、永遠に勉強です。
*講師時代、最後の学生を呼んで当店にて実践講義させてもらったことがあり、あらためて
感謝申し上げます。得意な犬種としても実践では苦悩する私に彼女も学んだはずです
お顔やお耳のカットですが、ほぼバリカンでの仕上げとなりアッという間に終わり、
ムギくんお疲れ様でした。
今日は、お迎えまで少し待ち時間があり、私とおトイレのお散歩です。
「暑いね~」 *日陰を選んで
「お姉ちゃんたちまだかな~」
いつも、お姉ちゃんたち仲良し家族がお迎えです。私らも、そのパワーに圧倒される
ほどの女子のパワーに・・、弟分でもあるムギくんは自宅ではどんなポジションにて暮らして
いるのかと想像するのも楽しいのですが、大家族の中心にて大切にかわいがられているのが
本当にわかり、姉妹たち、お姉ちゃんたちとともに成長し、これからもK家の大切な歴史を刻ん
でいくのでしょう。
永遠の弟分であっても、いつかは全ての家族の年齢を超えていき先に旅立って行く時が
必ず来ます。
お姉ちゃんたちが遠い将来に家族を持った時に思う、ムギくんから学んだ貴重な経験と魂
(愛情)が輝く未来への礎となり、もう一度ムギくんへの感謝の深い涙となりはずです。
ここにコッカーのエキスパートがおり、私にとっても家族なのです。全力でK家物語のお手伝い
お節介をさせていただきます。
これからもよろしくお願いします。
にゃんこせんせい
私も以前愛犬としてコッカー(ミー)がいたことがあり、得意犬となっていきました。短命にて
旅立ちましたが、「もっと、もっと大切にしてあげるのだったと」悔やんでおり、私にしか
なつかなかった愛犬でもありました。