元ヤンキー高校教師の学生時代を描いた特別ドラマ
今回記録するのは2005年に放映されたスペシャルドラマ『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時』。
2003年に放送された同タイトル連続ドラマの特別版です。連続ドラマ版は、問題児を抱える北友余市高校を舞台にした青春ドラマで、キャストには市原隼人や竹野内豊などが名を連ねます。
特別版では、竹野内豊演じる、教師として問題児を育成してきた義家弘介(ヨシイエヒロユキ)の青年期を描いています。連続ドラマ版でも登場した原田芳雄や余貴美子も登場するので、ドラマファン必見の作品です。ちなみにドラマの内容は多少脚色はあるものの、実話をもとにしており、義家弘介氏も実在する人物です。
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北海道に所在する北友余市高校。ここは問題を起こし、普通の高校生活を送れなくなった生徒が集う、最後の場所。全国から入学、編入してくる生徒たちは、皆何か問題を抱えている。暴力、犯罪、引きこもり、不登校。皆自分がなぜこうなったのかを直視できないでいた。
そんな生徒たちを救い育成するための取り組みとして、北友余市高校は、全国の問題児の受け入れを開始。紆余曲折ありながらも、生徒たちと心を通わせることに、徐々に成功しつつあった。
主人公、義家(桜井翔)はこの北友余市高校に編入することになる。義家は、素行の悪さから父親に見捨てられ単身で北海道の地にやってきた。義家の心の闇は周りに影響を与えるほど深く、同じ学生寮に住む生徒たちと問題を起こしてしまう。
そんな中でも、時に友情が芽生え、教師に叱咤され、何度も過ちを繰り返しながらも義家は成長していく。そうして、彼には一つ夢ができていく。
教師。
自分の人生を変えてくれた教師に心を動かされた義家は、自らも教師になり、母校、北友余市高校に戻ってくることを誓うのだった。
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この作品では義家氏の青年期を描きます。彼がどのようにして更生したのか。父親やクラスメイトとの関係はどのように変化していったのか。結果として、連続ドラマで描かれているように、義家氏は教師として母校に帰ってきます。その道中、あんなことやこんなことがあり、彼は成長しました。
ヤンキーと言っても中身はやはり高校生。大人が諭し、導く存在。今の時代も、未成年や学生による犯罪や問題は尽きません。今の時代だからこそ、観ると何か思うことがある作品かもしれませんね。
主人公を演じるのは嵐の櫻井翔。彼は木更津キャッツアイなどでもやんちゃなキャラを演じていましたし、本人の素も、学生時代はヤンキー気質があったように見受けられるので、こういう役はハマります。喧嘩のシーンや、自分で自分を傷つけるシーンなどは迫力があり、魅入ってしまいます。
クラスメイト役に松田翔太が参加していて、これもまたいい味出てます。普段は冷静だけど切れたら一番怖い、そんなキャラが松田翔太にピッタリのこれまたハマり役でした。
きつい描写や、同じ境遇の人には刺さるシーンもいくつかありますが、観終わった後は、何か青春したような清々しい気持ちになります。どんな境遇でも道はある。それを再認識させてくれる作品でした。ドラマ版主題歌「青空の果て」は一聴の価値あり名曲です。
『ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時』。
普通の学園ドラマとは一味違う、時代を感じさせる作品。今の時代だからこそ、観る価値ありです。
【個人的ポイント記録】
キャスト・声優
★★★★★★★★☆☆ 8
ストーリー
★★★★★★★★☆☆ 8
演出・演技
★★★★★★★☆☆☆ 7
音楽
★★★★★★★☆☆☆ 7
反抗期度
★★★★★★★★★★ 10
青春度
★★★★★★★★★☆ 9
再見度
★★★★★★★★☆☆ 8
おすすめ度
★★★★★★★★☆☆ 8
元ヤンキーなら主人公に感情移入するかも?ヤンキーじゃなくても反抗期があった人はぜひ。