(※このブログは自分が観た映画を記録する為に綴っています。観てから数年経っていて記憶が曖昧なものもあります。映画の内容や登場人物の心情など、全て個人的な解釈となりますのでご了承ください。 )

 

 

 

 

 

 

今回記録する映画は『凪待ち』。

主人公・木野本は、シングルマザーの亜弓とその娘・美波と三人で暮らしていた。そんな三人は、亜弓の父が体調を崩したことをきっかけに、亜弓の生まれ故郷である石巻に引っ越すことになる。

 

 

木野本たちが訪れた石巻は、元々住んでいた川崎とは打って変わっての田舎町。バーに行けば知り合いがいたり、ギャンブルするような場所もなかったり、とてものどかな港町だった。木野本は元々安定した職に就いておらず、この石巻でも父の古くからの知人・小野寺に仕事を紹介してもらった。田舎町の小さな印刷会社で木野本の新しい生活が始まった。

 

 

亜弓の娘・美波は自分の地元である石巻のことが原因でいじめにあっていた。いじめが原因で不登校に陥った美波は石巻でも定時制の高校に通うことに。そこで小学校の同級生・石母田(いしもだ)と再会します。二人はすぐに仲のいい友人になりました。しかし、見た目が派手な石母田の事をよく思っていなかった亜弓。美波が石母田の事を案じ没収した煙草を発見した亜弓は「あんな子と付き合っちゃいけないよ」と美波を諭します。それに美波は強く反発してしまうのです。

 

 

一方木野本は、印刷会社の同僚らが競輪(ギャンブル)の話をしていることに気付き、自分の予想を助言します。すると同僚らから、この街唯一の競輪(ギャンブル)が出来る場所を教えてもらうことに。そこは裏稼業の者が営む賭博場でした。

 

 

実は、木野本は川崎時代にも同僚と一緒に競輪にのめりこんでいました。亜弓のお金に手を出すほどに。そのことに気付いていた亜弓は、石巻ではギャンブルをしないように木野本に注意します。やる場所がなかった間は平気だった木野本でしたが、やる場所と仕事で稼いだお金を得た彼は、またしても賭博場に足を運んでしまうのです、、、。

 

 

すれ違う三人の関係に、ある日転機が訪れます。それは突然の事でした。

 

 

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主人公を演じるのは香取慎吾さん。やる気の感じられない、落ちぶれた男の役にハマっていました。個人的に木野本みたいな男は結構多いと思います。常に堕落した雰囲気の暗い男。それが木野本です。でもそんな木野本も、美波には慕われていたり、亜弓には愛されています。そんな二人と生活する木野本はどこか幸せではありそうでした。

 

 

今作品の見どころは、木野本を信じる人と、木野本の屑っぷりです。木野本はしっかり屑です。そして周りの人にはそれが悟られないようにふるまうことがうまいです。木野本は川崎時代、ギャンブル中毒でしたが、石巻に来てからは落ち着いていました。しかし、競輪が出来るとわかったら中毒再発。手を付けてはならないお金にも手を出します。木野本が更生することはあるのか、そこも見どころの一つですね。

 

 

作品の雰囲気は暗めなヒューマンドラマ。木野本の気持ちに共感するといてもたってもいられなく場面もあります。木野本は、人生そううまくはいかないと教えてくれます。でも、どうにかしようともがく木野本はどこか応援したくなります。(人によるかもですが)

 

 

終盤には人を信じることの大切さを感じるシーンがあります。信じることで失うときもありますが信じなければ得れないものもある。木野本はどちらを選択するのでしょうか。個人的に亜弓の父は登場人物で一番好きです。

 

 

映画『凪待ち』。

寝る前に何となく観始めました。途中木野本に嫌悪感を覚えるかもしれませんが我慢して最後まで観てみてください。

香取さん、さすがの演技でした。

 

 

 

予告編