夏になって、ちょっとビールを飲んで陽気になった母が、よく歌っていた。

それで、私をはじめ、きょうだい全員が、夏になってビールを飲むと歌いだす。

「むしむしむしむし、虫眼鏡~♪」

 

そんなこととはまったく関係ないが、

きょうの山登りは、まさに蒸し蒸しだった。

下りにはシャツが雨上がりのように濡れていた。

 

朝、なんとなく気が乗らずにゆっくりしてしまい、家を出たのは午前11時ごろ。

登山開始は12時頃になってしまった。

今年の夏は遠征するつもりだが、

梅雨を言い訳に登ってない。

「こんなことではいけない」と、トレーニング用に軽装登山靴を買った。

買っただけで置いているままだったので、

「こんなことではいけない」と、重い腰を上げた。

 

竈門神社の駐車場に到着して

正午スタートで、「荷物になるから」と、

買ってきた弁当は、駐車場の車で食べてしまった。

あとは登るだけだ。

 

きょうも宝満山は多い。

といっても昼の炎天下の下でスタートするような、もの好きは少ない(笑)。

団体さんが続々と下山してくる。

そりゃそうだよな。

「今日はトレーニングに三郡山まで歩こう」と思っていたのだが、

あまりの暑さに断念。

宝満山で風に吹かれて満足した。

 

にしても、今日は途中で同じ年代の男性と休みながら話をした。

というか、休むために話をした。

お一人は若杉山から縦走して来る知人とキャンプ場で会う約束をして急いでいるそうだ。

もうお一人は、富士山にこの夏、ツアーでいくトレーニングのため久しぶりにいらしたそうだ。

私は、無理したくてもできないので、そういう方々と休憩しながら話して、今日は随分楽に登ったような気がする。

なんたって、4時間半もかけたからね。そのうち休憩が1時間半もあった(笑)

頂上で会った女性は、「燕」のTシャツを着ていらした。

燕山荘で仕事をしていたことがあるそうだ。

羨ましい限りである。

 

また、初めて日本アルプスに登った時のことを思いだした。

燕岳への最後の階段を登り詰めた時に、突然眼前に広がった大パノラマに思わず涙がこぼれたものだった。

行けば感じる。行かなければ分からない。

だから行きたいんだよね。

 

女性に励まされた。「燕ぐらいだったら、休み休み行けば登れますよ」

「え~、仕事場だったからと軽くおっしゃる」と思ったが口には出さなかった。

「そういえば、日本三大急登ってどこだっけ」

と思って、帰ってネットで検索したら、

日本三大急登は①ブナ立尾根②西黒尾根③黒戸尾根、だそうだ。

あれ「燕岳の合戦尾根って違ったっけ」と思ったら、

日本三大急登ではないけど、北アルプス三大急登というのもあった。

①裏銀座の起点となる烏帽子岳へ向かう「ブナ立尾根」

②中房温泉から燕岳に行く「合戦尾根」

③富山側から剱岳に行く「早月尾根」

だそうだ。

こちらは、①以外は登っていた。「惜しかった」と思った。

生まれ変わったら北ア3大急登と日本3大急登制覇してみたいものだ。

 

そんなこんなで下山するころには、登りの時は空にあった黒い雲が消えた。

まだ、梅雨は明けていないが、夏空を感じながら下山した。

気持ちよかった。

やっぱり山はいいのだ。

 

キャンプ場でギボウシが咲いていた。

今年初お目見えだった。

 

今年の夏、乗鞍岳、登れるかなぁ? 登りたい。

 

 

晴れると気持ちよい。若杉への縦走路。そのうち、また歩いてみた。

 

ギボウシ

 

下山の頃になって、夏空になってくれた