書籍 『移動都市』フィリップ・リーヴ | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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【60分戦争で文明が荒廃した遙かな未来。世界は都市間自然淘汰主義に則り、移動しながら狩ったり狩られたり、食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反撥する反移動都市同盟にわかれて争っていた。移動都市ロンドンに住むギルド見習いの孤児トムは、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けるが…。過酷な世界でたくましく生きるトムとヘスターの冒険。傑作シリーズ開幕。(「BOOK」データベースより)】

暗い荒れもようの春の午後ー。ロンドンは小さな岩塩採掘都市を追いかけて、旧北海の干上がった海底を疾走していた。

冒頭の2行でいっきに引き込まれました。
都市が移動する?都市が都市を喰らう?このぶっ飛んだ設定にしびれました。
ただ具体的にイメージがわかないと思うんでこの映像をご覧下さい。
実はこの作品『ロード・オブ・ザ・リング』の監督ピーター・ジャクソン脚本・制作で映画化され今年3月公開となってます。




補足しますと都市が都市を喰らうというのは、都市を捕捉して解体しリサイクルして使えるものや値打ちのあるものを略奪し、住民は奴隷として労働力にかえる行為です。

他にも戦場から回収した兵士の死体にオールドテクノロジーのマシンを神経系につなぎ復活させたストーカーと呼ばれる戦士や、かつて世界を滅ぼした大量破壊兵器、都市の様々な細かいシステムなどスチームパンク色の強いガジェットの数々が非常に魅力的でした。

ストーリーは王道の冒険ものでおもしろかったんですが、いかんせん非常に奇想天外で魅力的な設定なんで今までにないストーリー展開を期待し過ぎてしまって「ああ、話自体は普通なんやな」って感じでやや物足りなさも覚えました。あとナウシカやラピュタなどジブリアニメを思わす部分が所々にあってその辺も今イチ新鮮味を欠いた一因かもしれないです。
でも十分おもしろかったですよ。こちらの期待値が高過ぎただけで。
希望のある読後感も爽やかでよかったです。
4部作なんで2作目もそのうち読みたいですね。

映画のほうも予告編を観る限り映像的には十分原作の魅力を再現してると思うんで期待したいです。