色々と調べていた時のものです。
しゃがみ込んで低い姿勢で見ないと稗か稲は見分け辛いです。
手で抜くと稗は割りと簡単に抜け、稲はとても強いです。
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「農業全書巻の一
農事總(総)論
耕作 第一」の続き
P57
又夏草しげりたるをうち返し、靑(青)草をうちおほひたるは、其草則ち糞と成りて濃糞を入れたると同じ心にて、土よく肥ゆるものなり。
されども此時に成りてはひげ根多くさかへはびこるゆへ、つよき牛ならではすきかきなりがたく、人の力も費ゆるものなり。
春の柔らかなるにはしかず。
又秋は草木しげりさかへたるに其まゝ火をはなつべからず。
草を刈りほし置きてよく干たる時火をはなち燒(焼)きてあらうちし、蕎麥(蕎麦、そばむぎ、そばの意)からし(芥子菜)を蒔き、春に至りてくはしくこなして開きとなすべし。
草木の根くさり、土やはらぎて人手間入らざるものなり。
そばは根の毒氣(毒とは灰水也) 強き物なる故、木かやの根迄もよく腐る事也。
からしは又冬中雪霜にも痛まずさかへて跡もやせざるゆへ、山野の燒(焼)うちに蒔きても利分他の物の及ばざる所なり。
又芝原、其外砂地など、やはらかなる草むら石もなき所ならば、耙(まぐわ、この場合「馬鍬」の方が近い)のかねにはがねをやき付けて强(強)き牛にてかくべし。
しかれば草の根きれて人力をたすかるものなり。
惣(総)じて農具をゑらび、それぞれの土地に随つて(したがって)宜きを用ゆべし。
凡農器の刄(刃)はやきとにぶきとにより其功をなす所遲速甚だ違ふ事なれども、おろかなる農人は大形其考なく、纔(ワズカ)の費をいとひて(嫌がって)能(よ)き農具を用ゆることなし。
さて日々にいとなむ仕事の心よくてはか行く(はかどる)と骨おり苦勞(労)してもはかのゆかざると、一年を積り一生の間をはからんには、まことに大なるちがひなるべし。
殊に土地多く餘(余)りありて人すくなく、其人力及びがたき所にては、取分け牛馬農具に至るまで勝󠄁(勝)れてよきを用ゆべし。
されば古き詞にもたくみ其事をよくせんと欲する時は、先づ其器をとくすとみえたり。
但(タダ)右の内牛馬は其あたひおもき物なれば、貧民心にまかせぬ事多かるべし。
只をのをの其分限にしたがひて力のをよびよきを用ゆべし。
⚪︎意訳⚪︎
夏のよく草が茂っている時に耕し、青草を漉き込むのは、草が肥料となって濃い肥えを入れたのと同じ事で、土よく肥えるものだ。
されどもこの頃は細根も多く伸びているので、強い牛でも耕すことは難しく、人の力も必要だ。
春の柔らかい頃はそうでもない。
また秋は草木の茂っている時にそのまま火を放ってはならない。
草を刈った後、枯れてから火を放ち焼いて荒く耕し、蕎麦や芥子菜を蒔き、春になったらよく耕してから使うとよい。
草木の根腐り、土和らいで手間が要らない。
蕎麦は根の毒氣(あくの事) が強いので、木茅の根までもよく腐る。
芥子菜は冬の間、雪霜にも痛まず山野を焼いて耕し育てると良く育ち収量も多い。
原野、その他砂地など、柔らかい草原で石もなき所なら、馬鍬の鉄に鋼を焼きつけて強い牛に引かせるとよい。
そうすれば草の根切れて人力を助ける。
総じて農具はそれぞれの土地に合う物をよく選んで使うべし。
普通、農器具の刃の鋭いもの鈍いものとによりそのまま作業の速い遅いが出るが、愚かな農人はおおかたその考えなく、僅かな出費を嫌がり良い農具を使わない。
さて日々営む仕事の心よくてはかどる事と、苦労しても捗らない事は、一年、一生の間で考えると、とても大きな違いになる。
特に土地が広く人手の少ない場合は牛馬農具の全て良いものを使いなさい。
古い詞でも言われる事で、まず自分の器をよく考える事。
ただ前述の牛馬は費用もかかる。
各々の度量、力量の範囲で使い決めなさい。
⚪︎感想⚪︎
今回も緑肥や草を漉き込む(耕す)事や、
焼畑、牛馬で馬鍬を引かせる事、
農機具など、
その使い方の基本や選び方。
そしてそれらを最終的に決めるのは
自分自身の
度量、力量、器の範囲
を考えて決めなさいと来た!!!
何度もこれ来ますね
農業をまともにやっていたら赤字になる現代、
特に稲作は絶望的。
よっぽど大規模にやらないと採算が取れないという
(30haくらいでやっとペイだとか、約300反30町
小型コンバイン150万円〜、トラクター150万〜
籾摺り機60万、冷蔵庫20万、乾燥機、色選機、、)
30ヘクタールやるには小型のコンバイン、トラクターでは力不足でしょうね。。。
中古だともっと安くあるといへども。。。
おっと、、、感想なのに古文みたいになってしまいました
器次第ですねぇ
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