バイオ燃料で飛行した国内初の幻のジェット機 橘花 №4 | 世界珍ネタHunter!

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テストパイロットだった高岡少佐は主翼フラップを10°程下げ、ブレーキを一杯に踏み込みスロットルレバーを前へ押す。エンジンの回転数が上昇し、回転計の指針は11000rpmを示していた。EGT(排気温度)が上昇したのを確認し油圧を計器で確かめてから、エンジンの暖気が完了しスムーズにエンジン加速が出来るのか確認する為にエンジンのアクセレーションチェックを行った。地上の計測員に右手を上げ離陸準備完了の合図を送る。一呼吸の後に右手を下ろし離陸を知らせると同時に踏み込んでいたブレーキを放し、機体の加速によって生じたGを背中に感じた。当時仮設詰所には佐官級を初め20人~30人が飛行に立ち会った。滑走路の西側に並んでこれを見守った。その中の一人、眞乗坊大尉はプロペラのない飛行機が轟音と共に目の前を離陸してるのを、感激と驚きを持って見つめながら橘花は飛んだ。眞乗坊大尉は、一空廠製橘花が、大空を翔る光景を目の辺りにした、唯一の一空廠部員であった。そのエンジン音は従来のプロペラ機とは丸で違うキーンと言う金属音であった。プロペラ機の飛行機しか見た事の無い大尉には、水平直進飛行を側面から見ると胴体だけが上空を飛行してる感じであった。飛行後の高岡少佐の感想では、離陸から上昇にかけて特に癖を感じさせない。円滑な感じであり、しかも軽荷のためか上昇力も素晴らしくグングンと上昇してくる。特に悪い点は見当たらず、安定性と同じく次回の飛行はこの間々で継続出来ると思う。キーンという音が聞こえるだけで、振動とて無く乗って飛んだ事のないグライダーに近いと思われる。離陸した機体は脚を出した間々右旋回をして場周経路を飛行して着陸した。このテストフライトの燃料として使われたのは、松の根を蒸留して作ったミルクを薄めた様な白く濁った液体の松根油であった。一技廠の報告書「松根油の実験に関する研究」には、航空揮発油の代用燃料として水添又は接触分解により製造せる松根油は現用航空揮発油に比し何等の遜色なく実用飛行実験終了しあり尚簡易処理松根油240%の「アルコール」を投入せしものが航空87揮発油として使用可能なることを確認せり。制海圏制空圏を失い米軍による空母艦載機及び潜水艦による海上交通路の遮断により日を追って悪化する航空燃料の欠乏に対し、軍は松根油の脱酸と沸点300℃以下の脱酸油の航空揮発油化に重点を置いた。そして昭和20年末までに松根油20万klの生産計画を打ち立てこれを推進した。





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