俺がまだガキだった頃...
くたびれて、いかれた老ライダーが
“ 苦しいときはチャック・チャック・イェーガーと唱るといい
・・・これがバイク乗りのまじないだ ”
といいやがった
大空の壁の向こうには
悪魔がいると言われた時代
1947年、BELL X-1で音の壁を破った男
チャック・イェーガー
あの老人が教えてくれた呪文が
その名前だと知ったのは
ずいぶんと後のことだった
現実から目をそらしてはならない
たとえ悪魔が居たとしてもだ
立ち向かう力を...チャック・チャック・イェーガー
アメリカ南部、ウェスト・バァージニアの炭鉱の町で生まれた彼が、ヨーロッパの高空に愛機P-51ムスタングを駆り12機ものドイツ機を撃墜したエースであり、映画「ライト・スタッフ」にも登場した最高のパイロットでもあった。彼が音速突破の際に搭乗していた研究機「BELL X-1」の機首に妻の名前を描き入れていた事実は余り知られていない。彼が搭乗したX-1は、正式にはX-S-1と命名されていた。命名から3年後にはSは取り除かれた。Xとは研究機(エクスペリメンタル)のXの一文字を取り研究機を示した。取り除かれる事になったSは超音速(スーパーソニック)を意味し、そして最後の1は、陸軍航空隊が高高度での高速度を研究する事を目的とした研究機の1号機である事を意味する。このX-1には「グラマス・グレン」(魅力的なグレン)とイエーガーによって名付けられ機首に描かれていた。彼は自分の名前が描かれている飛行機と妻が対面した際に、こう言った。「きみは、僕の幸運のお守りなんだ。どんな航空機でも、君の名前を拝借してつけると、僕は生還出来るのさ」と。X-1の機首に描かれて文字はこう言った経緯であり、機首への描き込みも事前に許可を得ていなかったが、当時の陸軍航空隊は大目に見ていたのだろう。軍上層部としては、彼のお守りについて口出しをしたくなかったと言うか、この任務の遂行にあたりジンクスにしたかったのだろう。但し公式に発表された写真では、この文字は修正されて消されている。BELL X-1は事故で失われる事も無く、スミソニアン航空博物館入りし世界初の有人飛行に成功したライト兄弟が飛ばした飛行機のすぐそばに世界初の音速を突破した飛行機として展示される事になった。
苦しいときは空を見上げ天空を駆ける"騎士"の想いを胸にチャック・チャック・イェーガーと3回唱るといい・・・

