パタゴニアの村や町には野犬が多い。

 

 

と思って観察していたところ、どうもこの子達は野犬ではなく、「誰かに」飼われている犬達だ。

野放しにされていて、毛並みなどの手入れはされていないものの、非常にお行儀がいい。食べ物をねだって人に付きまとうなんてしないし、他の犬を見て吠えつくこともない。

 

 

スーパーの前にたむろしているのは、最初、「食べ物を狙ってか?」と思ったが、そうではなく、飼い主が出てくるのを待っているのだ。店のドアが開いても、中へは入らない。それで飼い主は外へ出てきても 犬に視線すら送らず、完璧に無視状態なのに、ワンちゃんは尻尾を振って飼い主の後ろを嬉しそうについて家へ帰って行く。

 

 

 

また朝の決まった時間には、それぞれの庭を抜け出して、気の合うグループで散歩に行く。まるで映画のワンシーンのようだ

 

 

首輪もリードも一切必要なく、何の問題もなく、犬達が飼われている。

犬の糞が道に落ちていないことはないが、一昔前のパリなんかにくらべると非常に少ない。

 

あ、問題点といえば、あのワンちゃん達、車に誰(もしくはどの犬)が乗ってるかによっては、その車の後を全力で追いかけて行く。道路を走るので、危ないのなんのって…。その場面に何度か遭遇。一回は、歩道を5-6匹が猛スピードで走って来たものだから、サッと避けたが、私たちのグループの一人が少しぶつかって 買い物袋をおとしてしまった。

また、ある時は ジープの前に何匹か立ちはばかったこともあった。ジープは前進できず、思い余った運転手が犬達の方へかなりギリギリに走らせたので、「うわっ、引かれる!」と私の心臓が止まりそうになった。が、同じような思いで見ていた人たちの一人が、ジープの前の犬達を追い払い、その隙にジープは脱出。難なくことがおさまった。

 

↓この子たちが車の乗車者や犬に反応する子

 

 

ある程度、運転する人は犬に注意しているようだが、たまに撥ねられる犬もいるだろうなと思う。頼むから気をつけてね、と言いたい。

 

とまぁ、車の問題はあるものの、彼らの行儀はいい。犬種にかかわらず 性格も非常に穏やか。

それはどこからくるんだろう?

地元の人に聞いて見たかったが、残念ながらその機会はなかった。

あの人たちが、私が知っているスイスで行われているような犬の躾をきちんとしている、とは思えない。なんて失礼なことをちらっと考えたが、アルゼンチンからチリへ向かう国境にはきちんと税関コントロールの犬がいて、その役目をしっかり果たしていた。なので、犬の訓練は当然のことながら、場所によってきちんとされるようだ。

 

 

 

↑この子は税関所でふらついていた特にお役目のない子

 

 

 

飼い主が「おーーーーー、うちの子(犬)、可愛い可愛い~💕」と、犬を撫で回している姿も見かけなかった。

撫でられる、ことに慣れてないせいか、私が撫でようとしても、嫌がることはないが、それが特に嬉しいという反応もなかった。

 

 

↑仲良しな二人。

子牛のほうが撫でられたいのか、しきりに私たちのほうへ向かってきた。

 

人間社会全体として犬を大事にはするが、過剰な可愛がりや甘やかしはしない(自分の所有物という感覚がない)という姿勢がうまく機能しているんだろうか。

犬は野放しにされて、他の犬から自然と犬社会の決まりや人間との接し方などを学ぶんだろうか?

 

知りたいなぁ、そこらへんのこと。

やっぱり道端のおじさん捕まえて聞くべきだった。………って、スペイン語の壁があるしー。どなたかパタゴニアへ行く機会があれば、聞いてみてくださいね。

 

ちなみに、「ブエノスアイレス」のような大きな街では犬達はリードにつながれて散歩していたし、ペットっぽい飼われ方をしてる犬もいた。

その少し北のDelta Tigraの船着き場まで行くと、再び、草地にのんびりと昼寝をしている、それこそ野犬のような犬もいたが、彼らも誰かに飼われているんだろうな。あたりに飼い主らしき人はいなかったけれどね。

 

 

↑まったくフリー。気持ちよさそう。

 

アルゼンチン人のガイドの方(ブエノスアイレスからずいぶん離れた郊外在住)も、「僕は動物は全部好きだが、犬には責任が持てないので飼わない」とおっしゃっていた。やはり、犬を飼うには〝責任が必要“というのは万国共通か。