【倭国から日本国へ】
旧唐書倭国日本国伝に、
「日本国は倭国の別種也」
と記されていることはよく知られている。
日本国と倭国はどう違うのか。
大学入試にこんな問題が出されたら正解はどうなるのだろうか。
その国(日本国)が日辺にあるので日本という名前にした。
倭国は名前が雅でないことを嫌って日本に改めた。
日本はもとは小国だったが倭国を併合した。
旧唐書には以上のようなことが記されている。
【論点】
両国は別国かどうか。
別国だとするとどのように存在したか(並列か、従属か)
権力の移行はいつごろどのように起こったか
(磐井の乱、蘇我・物部戦争、乙巳の変、白村江の戦い、壬申の乱、
権力の移行はなく名称が変わっただけ、etc)
【懸念すること】
このようなことをあいまいにしておいて、
古代史の授業や試験はどうしているのだろうか。
あるいは、教科書にはどう書いてあるのだろうか。
岩波文庫『旧唐書倭国日本伝』の解説に記されているように、
「倭国と日本国を併記するような不体裁なこと」
と、貴重な史料(旧唐書)の記述を一蹴して済ませることが
今でも行われているのだろうか。
白村江の戦いは倭国から日本国へ移行する時期に起こった
大事件であることには間違いない。